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2019年07月12日

この夏配信のアニメ映画から、親子で見たい9本を選抜!

この夏配信のアニメ映画から、親子で見たい9本を選抜!




2019年も下半期に突入し、まずは夏休みが到来!

子どもたちにとってはもちろん楽しみな、親御さんにとっても子どもとのコミュニケーションを図る絶好の機会かと思われます。

そこで今回は、ネット配信されているアニメーション映画の中から、親子で一緒に楽しく見られる作品をピックアップしてみました!

●戦後日本初のカラー長編
アニメーション映画『白蛇伝』(58)


白蛇伝



現在放送中のNHK朝のテレビ小説『なつぞら』は、今から半世紀以上前の日本のアニメーション黎明期を舞台に、ヒロインなつがアニメーターとして奮闘するお話ですが、その中で戦後日本初のカラー長編アニメーション映画を作るくだりがありました。

そのモデルになった作品が『白蛇伝』です。

人間の青年と白蛇の恋を描いた中国の四代民話のひとつを基に、東映動画(現・東映アニメーション)が「日本のディズニー」を目指して2年がかりで作り上げた記念碑的大作。

このとき同社に入社し、本作に携わった新人スタッフらが、その後の日本のアニメーションを担う逸材として育っていくことになります。

ヴォイス・キャストは森繁久彌と宮城まり子が男女すべてのキャラクターを演じ分けるという手法が採られていますが、この時期はまだ「声優」という認識がほとんどない時期でした。

ちなみに、本作の森繁久彌をリスペクトしていた宮崎駿監督は、後に『もののけ姫』(97)で彼をキャスティングしています。また宮城まり子はTVアニメ『まんが世界昔ばなし』(76~79)全話すべてのキャラクターの声を、当初は独りで担っていました(後期より名古屋章も参加)。

●『となりのトトロ』の原点
『パンダコパンダ』(72)


パンダコパンダ



『白蛇伝』に登場する動物キャラクターの中にパンダがいますが、当時パンダは日本では知られてない存在でした。

そんなパンダが日本と中国の国交回復に伴う友好の一環として上野動物園に贈られることになり、日本中がパンダ・ブームに包まれていた1972年に作られた作品が『パンダコパンダ』でした。

両親のいない小学生ミミ子ちゃんと、動物園を抜け出してきたパンダ親子の夢のような同居生活をほのぼのと描いたこの作品、当時の子どもたちに大好評で翌73年には続編『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』も作られました。

スタッフは監督(クレジットは演出)高畑勲、原案・脚本・画面設定が宮崎駿、作画監督は『白蛇伝』に参加していた大塚康生&現在『なつぞら』のアニメーション時代考証を担当している小田部羊一(ちなみに『なつぞら』のヒロインは、妻の奥山玲子をヒントにキャラクター構築されています)。

ちなみに、今ではアニメ界のレジェンドと讃えられるこの4名が続いて取り組んだのが、TVアニメーション不朽の名作『アルプスの少女ハイジ』(74)でした。

また『パンダコパンダ』2部作は、日本中でこれを見たことのない子どもはいないとまで言われる宮崎駿監督の名作『となりのトトロ』(88)の原点としても広く知られているところです。

●松本零士ブームの頂点
『銀河鉄道999』(79)


銀河鉄道999



1977年の夏、同名TVアニメーションの総集編映画『宇宙戦艦ヤマト』が大ヒットを記録したことで、またたくまに日本中にアニメーション・ブームが巻き起こりますが、その『ヤマト』制作の功労者の一人である漫画家・松本零士のブームも到来。『惑星ロボ ダンガードA』(77~78)『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』(78~79)『SF西遊記スタージンガー』(78~79)『新竹取物語1000年女王』(81~82)など彼の原作作品が立て続けにTVアニメ化されていきますが、中でも人気を得たのが『銀河鉄道999』(78~81)でした。

機械の身体を手に入れるべく、宇宙を走る蒸気機関車型の銀河超特急999号に乗る少年・鉄郎と、彼を誘う謎の美女メーテル。

二人が織りなす神秘的かつ抒情的な宇宙の旅……。

最高視聴率22.8パーセントを記録するこの人気作、劇場用長編アニメーション映画化も至極当然といった雰囲気ではありました。

映画化に際しては、鉄郎の年齢を10歳から15歳へ引き上げて青春映画的抒情を湛えた宇宙冒険活劇として屹立させつつ、原作もTVシリーズも継続していた中で結末を提示するといった姿勢が効を奏し、配収16億5000万円の大ヒット。81年にはその後日譚『さよなら銀河鉄道999』も製作されました。

2作とも監督は『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』のりんたろうで、この後彼は『幻魔大戦』(83)『カムイの剣』(85)などの80年代角川アニメ映画大作を連打し、牽引していきます。

また劇場版『銀河鉄道999』が公開された1979年の4月から富野由悠季(当時は喜幸)監督の『機動戦士ガンダム』のTV放映が開始され、9月には出﨑統監督の『劇場版エースをねらえ!』が公開、12月には宮崎駿監督の『ルパン三世カリオストロの城』がそれぞれ公開されます。

とどのつまり1979年とは、アニメーション監督の作家性が大きく世に広まった記念碑的な年でもあったのです。

●フルCGリメイク映画も
公開の『ライオンキング』(94)


ライオン・キング (字幕版)



このところディズニー映画は『シンデレラ』『ダンボ』『アラジン』など過去の名作アニメーション映画の実写化に力を入れていますが、この夏にはまさかまさかの実写版……ではなく正確にはリアル・フルCGでリメイクした『ライオンキング』が日本にお目見え!

そのオリジナルとなった1994年度のセル・アニメーション作品『ライオンキング』ですが、動物たちの王国プライド・ランドの王子であるライオンのシンバが、父王ムファサの弟スカーの謀略によって国から追い出されるも、成長して荒廃した王国に帰還し、スカーと対峙するというもの。

オリジナルのセル・アニメ版とリメイクのリアルCG版、見比べてみるのも一興でしょう。

(なお、同じくこの夏劇場公開される3DCG映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』とそのオリジナル版セル・アニメーション映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(98)も同等の楽しみ方ができるかと思われます)

またこの機会に『ライオンキング』よりもはるか昔に我が国の手塚治虫が描いた名作漫画『ジャングル大帝』およびそのTVアニメーション・シリーズ2部作(65~67)、そして劇場版(97)もお勧めしたいところです。

実のところ『ライオンキング』はキャラクター設定などいくつかの部分で『ジャングル大帝』と似通ったところがあり、初公開時は盗作騒動も起きたほどですが、実際のところはどうだったのか、特にTVシリーズ→『ライオンキング』→『劇場版ジャングル大帝』の順番で見ていけば、さまざまな事象がうかがいしれてくるのではないでしょうか。

●夏休み映画の定番たる名作
『河童のクゥと夏休み』(07)




(C)2007 木暮正夫/「河童のクゥと夏休み」製作委員会


木暮正夫の児童文学『かっぱ大さわぎ』『かっぱびっくり旅』を原作に、現代に甦った河童の子どもクゥと少年・康一の友情を主軸に、社会を取り巻くさまざまな問題を提示していく意欲作。

『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01)『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ戦国大合戦』(02)が従来のファミリー層のみならず日頃アニメを見ないサブカル層の間で熱狂的なまでの話題となり、一躍注目された原恵一監督が、しんちゃん映画を離れて初めて取り組む長編映画ということで大いに期待された作品でしたが、結果はそれ以上の成果を収め、国内外で大絶賛。

毎年この季節になると日本のどこかで必ず上映が行われているほど、夏の風物詩となって久しい作品でもあります。

なお本作公開前後の2000年代は、原監督をはじめとして『ほしのこえ』(02)の新海誠、『マインド・ゲーム』(04)の湯浅政明、『時をかける少女』(06)の細田守、『ゲド戦記』(06)の宮崎悟朗、『借りぐらしのアリエッティ』(10)の米林宏昌などなど今のアニメーション映画を牽引する実力派が新進気鋭の若手監督として台頭してきた時期でもありました。

『白蛇伝』からおよそ半世紀経って、ベテランから若手まで入り乱れ競い合いながら、日本のアニメーション界は大きく発展していったのです。

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●感涙のCGドラえもん映画
『STAND BY ME ドラえもん』(14)


STAND BY ME ドラえもん



日本におけるファミリー向けアニメーション映画の王者といえば、やはり『映画ドラえもん』シリーズ(80~)でしょう。現在までに39作品が作られ、来年も『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の制作が発表されたばかりですが、これらのシリーズとは別に全編3DCGで作られた映画が『STAND BY MEドラえもん』です。

『三丁目の夕日』シリーズなどで知られる山崎貴監督と八木竜一監督のコンビで作り上げたこの作品、子どもたちだけでなく、むしろドラえもん・ワールドに親しみ続けながら大人になった世代をターゲットに作られた節もあり、ストーリーも大人になったのび太としずかちゃんの恋模様や、のび太とドラえもんの永遠の友情などがメインのモチーフとなっていて、また3D映画として上映されました。

その言葉に偽りなく、劇場公開時はOL層など若い女性層を中心に集客し、興収83億8000万円の大ヒットとなりました。

もっともこの作品、ドラえもんシリーズのフィナーレを描いている節もありますので、小さなお子さんには先にTVシリーズや従来の劇場シリーズにある程度触れてもらってから見せたほうが良いかもしれませんね。

なお山崎&八木監督のコンビは『泣いた赤鬼』を原作とするCGアニメ映画『friends もののけ島のナキ』(11)も手掛けており、この夏は人気ゲーム『ドラゴンクエストV]天空の花嫁』を原案とするフルCG映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」が山崎総監督、八木&花房真監督といった布陣で劇場公開されます。

●ミニオンズが大活躍の
『怪盗グルーの月泥棒』(10)


怪盗グルーの月泥棒 (字幕版)



日本における海外アニメーションの代名詞といえば、多くの人がディズニーと答えることでしょうが、ここに至って少し状況が変わってきました。

2010年の『怪盗グルーの月泥棒』を長編映画第1作とするイルミネーション・エンターテインメント製作のCGアニメーション映画が世界的に大躍進を遂げ続けているのです。

特に人気を得たのが、この『怪盗グルー』シリーズの主人公グルーが率いる怪盗軍団ミニオンズの面々で、その黄色くキモ可愛いチビ・キャラクターが世界中の子どもたちに愛されるようになり、日本でもさまざまなグッズが売られるようになっています。

これまで『怪盗グルーの月泥棒』『怪盗グルーのミニオン危機一髪』(13)『ミニオンズ』(15)『怪盗グルーのミニオン大脱走』(17)と作られてきた『怪盗グルー』シリーズ、この機会に1作目からおおさらいしてみてはいかがでしょうか。

ちなみにイルミネーションの最新作『ペット2』もこの夏日本でも劇場公開されています。

●父ちゃん必見のクレしん映画
『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(14)


映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん



『河童のクゥと夏休み』の項でも触れた『映画クレヨンしんちゃん』シリーズは『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶ アッパレ戦国大合戦』以降、子どもだけでなく大人にも俄然注目される人気シリーズとなりましたが、現在まで27作作られている中、前記2作以外にも傑作快作は少なくありません。

個人的に最近の作品の中で特にお気に入りなのが、シリーズ第22作目の『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(14)です。

ここでは毎度嵐を呼ぶ驚異の幼稚園児しんちゃんの父親ひろしが謎の組織によってロボットに改造されてしまうという仰天ストーリーで、劇中『ターミネーター』など往年の名作SF映画パロディ満載なのもお楽しみですが、やはりロボ化したとーちゃんの子供から見れば大笑い、でも大人が見たらどこか哀愁漂う風情が何ともたまりません。

本作の髙橋渉監督は長年TV&映画版しんちゃんシリーズに携わり、本作で初めてしんちゃん映画の監督を任され、以後も第24作『爆睡!ユメミーワールド大突撃』、第26作『爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』といったシリーズ゙屈指の快作を監督しています。

また本作の脚本を手掛けた中島かずきですが、劇団☆新感線の座付き作家として知られる彼はもともと臼井儀人の原作漫画『クレヨンしんちゃん』初期の編集担当者で、劇場版『嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』(07)から『超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』(10)までのシリーズ4作品のチーフプロデューサーも務めているだけあって、しんちゃんワールドに深く精通しているのでした。

思えば原作漫画の連載は青年誌『漫画アクション』。そう、もともと『クレヨンしんちゃん』は大人向けの漫画であり、それをファミリー向け作品として発表したのがTVアニメシリーズ、そして大人も子どもも楽しめるものを目指しているのが劇場版シリーズといえるのかもしれません。

●ここ近年の日本アニメ映画の傑作
『劇場版若おかみは小学生!』(18)


劇場版 若おかみは小学生!DVDスタンダード・エディション



令丈ヒロ子の同名児童文学シリーズを映画化した『劇場版若おかみは小学生!』はここ近年のファミリー向け、いやアニメーション映画全体の中でも白眉ともいえる傑作です。

交通事故で両親を亡くして祖母の営む老舗旅館に引き取られ、若おかみとして修業することになってしまった小学6年生の少女おっこが、旅館に棲みつく幽霊少年やライバル旅館の娘などとの友情や確執なども交えつつ、日々奮闘していく姿が描かれます。

先にTVアニメーション・シリーズ(18)が作られましたが、劇場版はそれとは別進行で独自の完結したストーリーとしてのお目見え。

おっこの明るい奮闘ぶりもさながら、りょしんを亡くした哀しみや、少しずつ大人になっていくことによる何某かの惜別の念など、人としての複雑な情感が実に繊細に描かれています。

監督の高坂希太郎は数々のスタジオジブリ作品に原画や作画監督として参加し、『茄子 アンダルシアの夏』(03)『茄子 スーツケースの渡り鳥』(07)などを監督してきた才人ですが、本作はそんな彼の更なる飛躍を促す傑作として大いに着目すべきところがあります。

ちなみに本作は公開された当初はさほど集客できていなかったのですが、SNSなどの口コミで日に日に評判が高まっていき(新海誠監督もツイッターで絶賛してましたね)、尻上がりに興行成績が伸びてい機、劇場によっては前週の10倍以上のお客の入りとなった画期的な作品でもあります。

鳴り物入りの宣伝効果ではなく、観客の口コミで広がっていく作品こそ、ある種の理想形かもしれませんが、本作はその筆頭ともいえるでしょう。

リピーターも多数のこの作品、この夏ぜひ、何度でもお楽しみください。

(文:増當竜也)

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