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2022年08月17日

「ユニコーンに乗って」第7話:永野芽郁が思い出させてくれた、グラデーションのある“好き”という感情

「ユニコーンに乗って」第7話:永野芽郁が思い出させてくれた、グラデーションのある“好き”という感情

(C)TBS/撮影:加藤春日

(C)TBS/撮影:加藤春日
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永野芽郁主演のTBSテレビ火曜ドラマ「ユニコーンに乗って」が、2022年7月5日放送スタートした。

大北はるかが脚本を手掛けた完全オリジナルストーリーの本作は、スタートアップ企業の女性CEOが突然部下としておじさんサラリーマンが転職してきた中、仕事や恋に奮闘していく“大人の青春”ドラマ。若きCEO・成川佐奈をTBSドラマ初主演となる永野芽郁、佐奈の部下となる小鳥智志を西島秀俊が演じる。

本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「ユニコーンに乗って」第7話レビュー

(C)TBS/撮影:加藤春日
(C)TBS/撮影:加藤春日

誰もが無料で通えるバーチャルスクール「スタディーポニーキャンパス」。通称、スタポニの技術が永瀬(松尾貴史)率いるゲームアカデミアに横取りされた。

特許出願を目前に控えた矢先の出来事に、動揺を隠しきれない佐奈(永野芽郁)。ここ数日不審な動きを見せていた海斗(坂東龍汰)に情報漏洩の疑いがかけられるも、彼は何の言い訳もしないまま会社を去っていく。

かつてない張り詰めた空気とともに始まった「ユニコーンに乗って」(TBS系)第7話。しかし、意外にも今話は、夏の季節にふさわしい青春感溢れる回となった。

(C)TBS/撮影:加藤春日
(C)TBS/撮影:加藤春日

ドリポニの偉大な協力者・早智(広末涼子)の粋な計らいで、リフレッシュ合宿に出かけた佐奈たち。仲間の裏切りに傷ついた心は、楽しい時間に少しずつ癒されていく。

同時に胸がぎゅっと締め付けられるような切なさも味わうこととなる。特に自分の気持ちを奥にしまい込み、最高のビジネスパートナーであり続けることを選んだ佐奈と功(杉野遥亮)の微妙な距離感がもどかしい。

(C)TBS/撮影:加藤春日

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次郎(前原滉)との会話の中で、何気なく「好きだったなぁ」と功への思いを口にした佐奈。確実に両思いだったはずなのに、プライベートでもパートナーを組む道を選べなかった理由。

それはやはり恋愛になった瞬間、これまで二人の間に合った(例えば、川ではしゃぐ時のような)居心地の良さが失われてしまうかもしれないからなのだろうか。

ドキドキと胸を打つ、不快にもなり得る複雑な感情を抜きに佐奈は功と向き合い続けていきたいのかもしれない。

(C)TBS/撮影:加藤春日
(C)TBS/撮影:加藤春日

佐奈の“好き”という感情には、かなりグラデーションがある。小鳥(西島秀俊)に対するそれも恋愛感情とは断言できないモヤモヤっとしたものだ。

小鳥と一緒にいると、「心がポカポカする」と表現した佐奈。年齢はうんと上なのに、新しい価値観に抵抗がない。だけど、そうじゃない人も取り残して前に進んだりはしない。常に価値観の異なる人と人の間に立ち、その手を繋ぎ合わせてくれる。

(C)TBS/撮影:加藤春日
(C)TBS/撮影:加藤春日

「小鳥さん、学校の先生になりたかったんじゃないかな」と推測する佐奈。彼女の小鳥に対する気持ちも、学生時代にみんなの人気者だった先生に抱く、淡い憧れのようなものなんじゃないだろうか。

自分を理解してくれて、肯定してくれて、だけどそれはみんなに対しても同じで。強烈に惹かれるわけではないけれど、そばにいると何だか嬉しい。自分が一番先生の仲良しな生徒でいたい。

……みたいな、名前のつけられない感情。同い年の男の子との恋愛とは違って、最初からどこかで叶わないことが分かっているからこそ、下手に傷つかなくても良かったりする。

(C)TBS/撮影:加藤春日
(C)TBS/撮影:加藤春日

登場人物は全員20歳を超えた大人なのに、そういう甘酸っぱさが本作には詰め込まれている。だけど、これはあくまでも会社が舞台だから、佐奈たちは目の前の仕事にも向き合わなきゃいけない。

海斗が抜けた今、スタポニの開発を成功させるためには彼と同じだけのスキルを持ったエンジニアが必要となる。そこで正体不明の天才エンジニア“ミン・ソヌ”をスカウトするべく、彼が出場するeスポーツ大会に参加を決めた佐奈たち。

前年度の優勝チームは、なんと海斗が現在身を置くゲームアカデミアだ。果たして、本当に技術を同社に流したのは海斗なのか。そうだったとして、それは彼の意志だったのか。第7話では伺い知ることができなかった海斗の思いが明らかになることを願う。

(文:苫とり子)


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