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2020-03-13

コラム

『ムルゲ 王朝の怪物』レビュー:『パラサイト』長男も出演! 韓国製ウイルス&怪獣&アクション&時代劇エンタメ快作!

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『パラサイト 半地下の家族』が世界中で大ヒットし、アカデミー賞作品賞まで受賞、またシム・ウギョンが『新聞記者』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど、このところ一気に韓国映画への注目が高まってきている感があります。

現にここ20年程の韓国映画の躍進は大いに称賛に値するところで、正直今の日本映画界はかなり差をつけられたなといった印象も否めません。

発表される作品のジャンルもアート気質なものからサスペンス、コメディ、キラキラ系恋愛ものなど実に多彩なエンタテインメント志向であることも手伝ってか、イ・ビョンホンのようにハリウッド進出をスムーズに果たせた映画人も多いですね。

そうした多彩なジャンルの中で、かつては日本映画が十八番としていた怪獣映画にしても、それこそ『パラサイト』のポン・ジュノ監督が『グエムル 漢江の怪物』(06)を世に放って当時は大きな話題となりましたが、ここにきてまたまたとてつもない怪獣映画の一大快作を韓国映画界が世に放ちました!

その名も『ムルゲ 王朝の怪物』(18)!

実はこの作品……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街447》

怪獣映画であるとともに、時代劇であり、王朝陰謀劇でもあり、壮絶なアクション映画であり、さらにはウイルスまで重要なモチーフになっているという、エンタメ要素てんこ盛りの作品なのでした!

人を襲いウイルスを撒き散らす
怪物の噂は真実か嘘か?


『ムルゲ 王朝の怪物』の舞台は、朝鮮・中宗〈チュンジョン〉22年(1527年/日本は戦国時代真っ盛りの時期です。ちなみにNHK大河ドラマ『麒麟が来る』の主人公・明智光秀は生年不詳ですが、1528年と1516年説が有力とのこと。織田信長は1534年生まれです)。

中宗(パク・ヒスン)は暴君として悪名高い燕山君〈ヨンサングン/『王の男』など彼を主人公にした映画もありますね〉に代わって1506年に第11代の王位に就いたものの、反対派勢力の圧力などのためにその権威は脆弱で、常に党争の狭間に置かれていました。

そのあおりをうけて国中は混乱を極め、さらには1514年より半島内で疫病が蔓延(今でいうウイルスですね。たまたま偶然ではありますが、何ともタイムリー過ぎる設定……)という最大の国難まで迎えてしまい、官憲はろくに検査もせずに感染したとみなされた者を皆殺しにするという、残虐非道な行為に出ました。

そして1527年、王都の背後にそびえる仁王山〈イナンサン〉に物怪〈ムルゲ〉が現れて人民を殺めるか、もしくは遭遇しただけで疫病にかかってしまうとの噂が、まことしやかに国中に流れ始めていきます。

これは「不徳な王がいると天災地変が絶えない」といった伝承を利用して、中宗の失権を目論む領議政〈ヨンイジョン〉(イ・ギョンヨン)の陰謀なのではないか?

中宗は噂の真偽を確かめて人民の不安を払拭させるべく、かつて朝廷より追放された最強の武官であり英雄でもあったユン・ギョム(キム・ミョンミン)のもとを直々に訪れて任務を下します。

かくしてユンは長年の同僚で彼を兄貴と慕うソン・ハン(キム・イングォン)や、弓矢と医術に長けたミョン(イ・ヘリ)、彼女に惹かれる若き宣伝官〈ソンジョングァン〉のホ(チェ・ウシク)、そして領議政の部下ジン(パク・ソンウン)とその部隊、さらには彼らに無理やり連れてこられた一般庶民とともに仁王山へ向かうのですが……。

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