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2020-08-27

コラム

『ようこそ映画音響の世界へ』レビュー:全ての映画ファン必見の“音”の魅力!

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(C)2019 Ain't Heard Nothin' Yet Corp.All Rights Reserved. 



結論から先に言わせていただきますと、この映画『ようこそ映画音響の世界へ』は、一度でも「映画が好き」と思ってみたり、あるいは「自分は映画ファンだ」と自認したことのある方ならば、絶対に見ておくべき作品です。

本来、こういった映画こそが、全国のシネコンの一番大きなシアターで公開され、老若男女を問わず人々へ映画における画と音が融合されていく上での魅力やらカタルシスを広めていくべきではないかとまで思えるほどです。

いわば映画ファンがこれからますます映画を好きになっていくための〝必須映画”!

映画に音が入っていることを、当たり前のように感じている人はいませんか?

もともと映画に音はありませんでした。

今から100年以上前の映画は音のない無声映画であり、日本では映画の上映中に弁士が物語を語り、楽団が音楽を生演奏していました(先ごろ公開された映画『カツベン!』でそのあたりのことは描かれていましたね)。

しかし、やがて技術が発達し、1927年のアメリカ映画『ジャズ・シンガー』を皮切りに、音楽やさまざまな環境音などの音を映画に入れられるようになったことから……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街497》

映画はより一層表現の幅を広げた秀逸なるエンタテインメントとして屹立していくことになったのです!

映画の中の音はいかに構築されていく?
そして、その歴史の歩みとは?


ミッジ・コスティン監督の2019年度作品『ようこそ映画音響の世界へ』は、アメリカ製作のドキュメンタリー映画です。



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ハリウッド100年の映画の歴史とともに、映画の音はどのように作られ、またどのように活かされてきたのかを、映画音響技師や映画監督などさまざまな映画人のインタビューや、証言の数々を裏付ける実際の作品映像とともに、実に分かりやすく構成されています。

以前、映画における映画音楽の魅力とその構造に迫ったドキュメンタリー映画『すばらしき映画音楽たち』(16)もありましたが、今回は映画音楽も含む映画の“音”とは何ぞや? をとことん追求してきます。

例えばジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』(77)に登場するロボットR2-D2の声は、どのようにして作られたかご存じですか?

また、もし彼の声があのピポピポとした愛らしいものでなかったとしたら、印象はどう変わったことでしょうか?

『スター・ウォーズ』に限らず、SFやファンタジーものでは現実にない音をいっぱい用意し、しかもそれらが作品世界に見合ったものになっていなければなりません。

音響技師たちはどのようにして、それらの音を用意するのか?

では、日常社会をリアルに描いた作品などの場合はどうなるのか?

ただ単に、撮影現場の本番の音を録音すればいいのでは? なんて安易に思い込んでいる人はいませんか?

実際は日常の音を映画館で再現するために、音響技師たちはひとつひとつの細かい音を幾重にも重ねていき、ときには現実にはない音まで合わせながらその映画ならではのリアルな音を構築していくこともあるのです。

こうした作業は画の華やかさに比べてなかなか気づかれないものですが、まさに縁の下の力持ち的な存在、それが映画音響です。

論より証拠で、テレビをつけて映画でもドラマでもなんでもボリュームを0にして見てみてください。

何とも味気ない、そのうちすぐに飽き飽きしてしまうこと必至でしょう。

そういえば故・大林宣彦監督は、『E.T.』(82)の初公開当時に「耳をふさいであの映画を見ると、何ともへたくそな映画なのがわかりますよ」と、ちょっとスピルバーグをディスっているようにも聞こえつつ(!? お断りしておきますが、大林監督はスピルバーグ映画のファンでした)、映画における音がいかに重要であるかをコメントしています。

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