2021年、明るく過ごすためのオススメ「邦画3選」



様々なことがあった2020年。"いつも通り"がそうではなくなり、新型コロナウィルスは私たちの生活、家族、仕事、生活、恋愛、様々な場面に大きな影響を与えました。

まだまだ終わりの見えない闘いではありますが、自分の幸せを守り抜くことができるのは自分だけ。

そんなときに寄り添ってくれる愛に溢れた作品を3つご紹介します。

「2020年、きついこと苦しいこといっぱいあったな」と言う方も、俳優さんたちの演技や演出にたくさん笑い、心あたたまるシーンでは涙を流し、存分に2021年のおうち時間を楽しんでください。

『コーヒーが冷めないうちに』



主人公の時田数(有村架純)が従兄で店主の時田流(深水元基)と切り盛りする、とある街のとある喫茶店「フニクリフニクラ」が舞台です。この喫茶店のとある席に座ると、望んだ時間に戻れるという、不思議な伝説があるのです。ただしそこには、非常に面倒くさいいくつかのルールが...。しかも、その”ある席”には謎の女がいつも座っているため、彼女がトイレに立った時にだけ、過去に戻れるチャンスが訪れるのだといいます。

「ここに来れば過去に戻れるってほんとうですか?」そう言ってこの喫茶店を訪ねる人たちは、たとえ過去に戻ったとしても現実は変わらないと分かっていても、それぞれ”会いたい人”や”戻りたい時間”があり、映画では4つの物語を中心に描かれています。

過去に戻れるのはカップがコーヒーで満たされてから冷めてしまうまでの間です。限られた時間の中で、登場人物が葛藤や後悔と向き合い現実を受け入れようとする姿は、感情を強く揺さぶられます。切なくもあたたかく物語に魅了されるでしょう。



2017年に本屋大賞にノミネートされ、”4回泣ける”と話題となったベストセラー小説が有村架純主演で映画化されました。舞台の脚本家兼、演出家として活躍する川口俊和の小説デビュー作で、興行収入15億円を記録した大ヒット作品です。

作品の魅力とメッセージ


タイムスリップというファンタジー要素がある作品ですが、俳優陣の演技力が私たちとの距離をぐっと縮めてくれます。自分でも驚くほど泣けるけれど、最後はあたたかい気持ちになり、ずっと大切にしたいお守りのような作品です。

この作品から私は、もし過去に戻れるのなら、自分はどうするのだろうか、と考えさせられました。

”会いたい人に会いたい時に会えない”というこの現状を誰が予想できたでしょうか。

”亡くなった人に会えない”のと”生きているのに会えない”のは全く別物ではありますが、どちらも辛いものです。

大切な人に「大切だ」と伝えたい、といつも思っていることではありますが、目の前にすると照れ臭くて言えなかったり、つい言葉にしなくても伝わるなんて甘えてしまったりしている自分と向き合うことができました。

誰にだって懺悔したい過去やずっと背負っている後悔というものがあると思います。だからこそ”今”を生きていくんだと気づかせてくれる作品です。

『記憶にございません!』




ある時、病院のベッドで目覚めた男。記憶喪失に陥り、自分が何者なのか分からない中、こっそり病院を抜け出すと、ふと目に入ったテレビで自分が総理大臣だと知ります。しかも、一般市民に石を投げられたことが原因で記憶喪失になり、国民から相当嫌われているということも。混乱を避けるため記憶喪失だと事実は秘書官以外には隠し、日々公務をこなしていくが、勿論平穏に進むはずがありません。

国会議員になってからの一切の記憶がないまま、アメリカから大統領が来日し、日米首脳会談に臨むことに...。ここから始まるドタバタストーリーで周囲の人間を巻き込みながら、国民に嫌われている黒田は一発逆転できるのか。笑いあり、涙ありのオススメ映画です。



三谷幸喜の映画監督8作目となるこの作品。国民から嫌われ、史上最低の支持率2.3%を叩き出した総理大臣が記憶喪失になったことから始まるコメディ。主演の中井貴一他、佐藤浩市、ディーン・フジオカ、石田ゆり子など超豪華キャストが演じています。

中井貴一の演じる主人公黒田は記憶喪失前と後とでは、まるで別人のようですが、国民に嫌われており、総理大臣としての記憶がない頃は潔いほどのダメっぷりだったというのに、それすらも観れば観る程愛おしくなってきます。そんな黒田を取り囲む周囲の関係性にも注目して楽しめます。

作品の魅力とメッセージ


慌ただしい展開や会話のテンポ感が心地良く、終始楽しませてくれる作品です。現代の政治を揶揄してるかのようで、過去の自分の発言にこれほど首を締められることになるとは...。自分も周りも振り回される様子が滑稽で最後まで見逃せません。

幼い頃から、祖父が遊びに来るとテレビのチャンネルを独占し、日中は国会中継をずっと観ていました。タイトルにもある通り、主人公黒田は都合の悪いことを質問されると「記憶にございません!」と一文字ずつゆっくりはっきり吐くのですが、その姿が絶妙に腹立たせてきて笑ってしまいます。祖父と観た国会中継をつい思い出してしまいました。

一見難しそうな内容ですが、国会議員の日常を仕事、家庭、恋愛など様々な角度でコミカルな視点から覗き見しているような感覚で、世代関係なく家族みんなで楽しめる作品です。人は些細なきっかけや環境で変われる、また、”変わらないもの”を大事にしたいという気持ちになりました。

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』



世界有数の大富豪フウ家の当主レイモンドが他界したことをきっかけに、遺産をめぐり火花を散らすブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟。しかし長年フウ家に仕える執事トニーが発表した相続人は誰もその存在を知らない”ミシェル・フウ”という人物でした。

世界中から”ミシェル”を名乗る詐欺師たちが伝説の島ランカウイ島に集結する中、勿論おなじみのあの顔ぶれが....。莫大な遺産を狙うために、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人が今回も大胆な作戦でフウ家に乗り込み仕掛けていきます。百戦錬磨のダー子たちに訪れる最大の危機が...!

 今回も最初から最後までハラハラドキドキさせてくれる展開に、一瞬たりとも目が離せません。



長澤まさみ、東出昌大、小日向文世が共演した人気テレビドラマ「コンフィデンスJP」の劇場版第2弾。前作まででおなじみの竹内結子、三浦春馬、広末涼子、江口洋介らの豪華キャストに加え、ビビアンスー、白濱亜嵐、関水渚らが新たに参加しています。

 10兆円とも言われる大富豪の遺産をめぐり、シリーズ最大の豪華キャストによる”騙し合い”が開幕します。

 本作のテーマ曲は『コンフィデンスマンJP』のために描き下ろしたOfficial髭男dismの「Laughter」という曲です。映画の世界観やストーリーとパズルのピースがハマるようにぴったり合い、曲が流れたときはそれが点と点で繋がり、涙が止まらなくなりました。”自分らしく生きていくこと”がどんなに素晴らしいことか教えてくれる曲であり、映画です。曲を聞いた後で、さらに何度も映画を見たくなります。

作品の魅力とメッセージ


今回も豪華な顔ぶれのキャストが並びますが、中でも初参加となったフウ家の執事、トニー・ティン役を演じたのが、『さらば あぶない刑事』以来4年振りの映画出演となった柴田恭兵。義理堅く、厳しくも情に熱い男で、シビれるほどのカッコよさで魅了します。また、劇中ではダー子が普段着、変装、ドレス等合わせて全部で29変化します。特にドレス姿は息を呑むほど美しく、個人的に見どころのひとつです。

「本物も、偽物もない。信じればそれが真実」映画ポスターに書かれたこの言葉が、観賞後には心にストンと落ちてくるでしょう。


大好きな「コンフィデンスマンJP」シリーズ。ドラマ、映画共に、魅了されてきました。

毎回しっかりお宝や莫大な額のお金をしっかりゲットし、目的を達成していくダー子たちですが、そこには必ず愛の物語があり世界一憎めない詐欺師軍団です。物語の展開や、誰がフウ家の当主の座を射止めるのかが気になると思いますが、華麗なテンポ感、美しい色彩、音楽、それぞれの抱える過去や葛藤にも感情輸入しながら楽しめる作品です。

見た後には、全ての登場人物が愛おしくなっています。自分らしく生きることの大切さや、大切な人と共に生きることの幸せを自分と重ね合わせながら観て欲しいです。2020年、一番好きな邦画です。

終わりに

今回紹介した3つの作品は全くジャンルの異なるものであり、設定や世界観はあくまでも私たちの日常からはかけ離れているようにも感じますが、実は身近な大切なものを気付かせてくれる愛に溢れた作品です。

変化を恐れず、自分らしく生きること、大切なひとと共に歩むこと、周囲への感謝の気持ち、こんな時代だからこそ改めて自分を見つめ直すのも良いかもしれません。

わたし自身、何度これらの映画に救われ、背中を押してもらったものか。寄り添い、包み込んでくれるような映画は、新年もきっと明るく、一歩進む勇気をくれるでしょう。

(文:nanagohan)

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