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『さんかく窓の外側は夜』“平手の再始動”はホラーにサスペンスにBL(?)が重なる異色作



欅坂46(現・櫻坂46)の絶対的センターとして君臨していた平手友梨奈。

2020年1月のグループ脱退後、その動向に注目を集まっていた彼女が女優として約2年ぶりに出演した映画が『さんかく窓の外側は夜』です。

劇中では、霊が祓える男・冷川=岡田将生と霊が見える男・三角=志尊淳という除霊・穢れの祓いをしていく二人の男と、深く関わっていく謎多き女子高生・非浦英莉可を演じています。

非浦英莉可は物語のヒロインでありキーパーソンという重要な役どころです。これまで平手友梨奈は映画・ドラマでは主役を演じてきましたが、今回初めて脇に回る立ち位置に就いているのも注目です。

ちなみに彼女は2月5日公開予定『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』にも出演していて2カ月連続で出演映画が公開されることになります。

原作はBL要素もはらんだベストセラーコミック

原作は「このマンガがすごい!2011オンナ編」で1位2位を独占し累計発行部数100万部を突破しているヤマシタトモコの同題ベストセラーコミック。

霊を祓える男・冷川理人と霊が見える男・三角康介がバディとなり謎を解き霊を祓っていくホラーサスペンスであると同時に、BL&ブロマンスの要素もはらんだ異色作です。

映画版でも原作特有の“匂わせ”描写を捨てずに取り込まれ、さらにホラーテイスト、サスペンス&ミステリーテイストも盛り込んだ欲張りな映画に仕上がっています。



メインの二人には岡田将生と志尊淳、カギを握る女子高生に平手友梨奈がキャスティングされたほか、滝藤賢一がいつになくワイルドテイストなリアリストの刑事のその名も半澤(!?)役で登場、さらに『半沢直樹』セカンドシーズンで“ヒール演技開眼”した筒井道隆が見るからに怪しげな宗教団体の教祖に扮しています。この新旧“半沢直樹俳優”二人とも、普段は見せない顔ですがこれはこれでなかなか映えています。

監督はこれまで多くのCMを手掛けてきた森ガキ侑大。今までにない斬新な描き方で呪いと穢れ、心霊と除霊を映像化、甘さや耽美さを感じさせながらエグイところはかなり本格的にエグイ、遠慮のなさも魅力になっています。これでPG-12に納まっているのでうまくやりました。

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 あらすじ



書店で働く三角康介は、一見普通の青年ですが、幼い頃から幽霊が見える特異体質に悩まされ、孤独を抱えた生活を送っていました。

ある日、仕事中の三角の前に突然、幽霊が現れます。逃げようとした三角の目の前に黒ずくめの男が急に現れます。

男=冷川は三角を突然抱きしめると「こんなにハッキリ視えるのは初めてだ」と喜びと驚きを隠しません。一瞬にして霊を祓った冷川は、三角の特異体質を買って助手としてスカウトします。

少しいびつなバディとして除霊業を始めた二人のもとに刑事の半澤が訪ねてきます。

心霊現象などは全く信じない半澤ですが、ことが前に進むので非公式に冷川に仕事を依頼していました。
今回、半澤が持ち込んだのは犯人がすでに自殺してしまった猟奇的なバラバラ殺人事件。
未だに見つからない被害者の身体の部分があり、これを合わせると一体の身体が出来上がるといいます。

調査を進め、犯人の霊に触れた冷川と三角の目の前にフラッシュバックのように犯行時の情景が浮かび上がります。

犯人の秘密の場所にたどり着いた二人は強力な呪いをかけられたツギハギの遺体を発見、そこに恨みがましい犯人の声が響きます。

犯人の霊が残した言葉『ヒウラエリカにだまされた』とはいったいどういう意味なのか?真相を追う二人の前に呪いを操る女子高生・非浦英莉可が現れます。呪いを増幅し操ることができる英莉可でしたが、呪いを解くことはできず、彼女もまた、呪いという大きな仕掛けの中に取り込まれていました…。

鮮烈だった平手友梨奈の映画デビュー



平手友梨奈が映画デビューを飾ったのが2018年の主演作『響-HIBIKI-』。
この映画では現役女子高生であると同時に天才的な作家でもあるヒロイン・鮎喰響を演じました。

『響-HIBIKI-』の平手友梨奈がとんでもない「5つ」の理由 | cinemas PLUS

芥川賞・直木賞史上初の最年少ダブルノミネート、そして同時受賞を果たすという怪物的な才能の持ち主という役柄で、そのキャラクターの持つ孤高の雰囲気が、当時の平手友梨奈の立ち位置とシンクロし、見事にはまったキャスティングとなりました。結果として平手友梨奈は日本アカデミー賞の新人俳優賞を筆頭に多くの新人賞を受賞しました。その後、本人の健康上の理由などから活動自体に大きな制限がかかってしまっていましたが、2020年のグループ脱退を機に心機一転新たな一歩を踏み出し始めたことになります。

不安の追体験?Jホラー連続スマッシュヒット中!!

映画館が新型コロナウィルスの感染拡大の影響をもろに受けている中で、『呪怨』シリーズの清水崇監督の『犬鳴村』、『リング』シリーズの中田秀夫監督の『事故物件 恐い間取り』。

オーラ0の亀梨和也『事故物件 恐い間取り』の魅力を探る | cinemas PLUS 



さらにはネットで広まった怪談をコロナ禍ならではリモートホラーに仕上げた『真・鮫島事件』などなど実は2020年はホラー映画の“当たり年”でした。

『真・鮫島事件』レビュー:リモートで呪われるコロナ禍型のホラーが誕生 | cinemas PLUS 



NETFLIXオリジナルドラマとして制作された『呪怨:呪いの家』も話題になりました。

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これの作品には従来のホラー映画的なモチーフにインターネットが深く絡んでいるという共通点がありますね。この辺り、おうち時間が増え、インターネットの利用頻度が上がったこととも関係していそうな気がします。

もっと言えば意外と忘れられがちですがあの『鬼滅の刃 無限列車編』もPG-12指定を受けた伝奇・伝承、ホラーの要素を含んでいる作品でもありますね。

『犬鳴村』をヒットさせた清水監督はコロナ禍にもかかわらず早々に“東映呪いの村”シリーズ第二弾の『樹海村』を制作、2021年2月5日に公開予定です。こちらも実にパワフルなホラー映画に仕上がっていますので、いずれご紹介できればと思っています。

 まとめ 

今、多くの人がコロナ禍の先行きの見えない中で不安な心持ちになっています。

その心持ちとホラー映画(=正体不明の不安)を欲する気持ちとがシンクロしているでホラー映画のヒットがあるのかもしれません。目に見えない不安(=コロナ禍)を目に見える不安(=ホラー映画)に切り替えることで、心理的なバランスを取っているのかなとも考えます。

こんな心持ちになった時ミステリーエンターテイメント作品『さんかく窓の外側は夜』はピタリとはまる映画になるでしょう。

(文:村松健太郎)
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