映画コラム
『劇場版・打姫オバカミーコ』レビュー:須田亜香里の好演が楽しい麻雀映画
『劇場版・打姫オバカミーコ』レビュー:須田亜香里の好演が楽しい麻雀映画
■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT
片山まさゆきの麻雀漫画『打姫(うたひめ)オバカミーコ』を原作に、ABEMAプレミアムで2020年9月から配信されたシリーズ全5話を、配信版ではカットされたシーンを加えて劇場用映画として再編集した作品。
あまりにも腕前に問題のあるにもかかわらずなぜかプロ女流雀士をやれている丘葉未唯子(オカバ・ミイコ/須田亜香里)が、かつて最強雀士と謳われながら麻雀と決別した波溜晴(ナミダメ・ハル/萩原聖人)に弟子入りし、最強ライバルたちに挑んでいく様を真面目コミカルに描いていきます。
原作同様、麻雀初心者に向けた作りで、劇中はこれでもかといわんばかりの麻雀解説がなされますが、実は私、麻雀のマの字も知らないもので、説明が全く意味を成さない!?
にもかかわらず、ゲームの流れやらどちらに分があるみたいな勝敗の流れなどは、雰囲気でわかるようになっているのが妙味。
思えば『麻雀放浪記』を筆頭とする麻雀ものに限らず、その競技を知らなくても面白く見せてくれる作品こそが上手く出来ている証拠。
またここでは、現役Mリーガーでもある萩原聖人のさりげなくもプロフェッショナルな誇りが作品に風格を与えており、ライバル(浪岡一喜)との対比も上手く描かれています。
更には、今や浜辺美波のお宝麻雀映画『咲』同様、麻雀映画もアイドル性を強調する時代のようで、当然柄にこれが映画初主演というSKE48須田亜香里の魅力も可愛らしく描出。
彼女が対戦する女流棋士たち個々のおっかなさも、いやはやなんとも……の愉しさで、とどのつまり麻雀を知らない人でもちゃんと楽しめる作品に仕上がっているのでした!
(文:増當竜也)
『劇場版・打姫オバカミーコ』作品情報
ストーリー
片山まさゆきの麻雀コミックを原作にした配信用ドラマに、未公開シーンを加えて劇場用に再編集。実力に難ありの女流リーグの雀士・丘葉未唯子は、元・風王位の波溜晴に弟子入りを決意。波溜から様々な極意を伝授された未唯子は、女流リーグ戦に臨むが……。予告編
基本情報
出演:須田亜香里/萩原聖人/百合沙/小田あさ美/日比美思/片山まさゆき/逢澤みちる/天木じゅん/じゃい/内山信二/波岡一喜監督・脚本:松田圭太
製作国:日本
製作年:2021
公開年月日:2021年2月5日
上映時間:94分
製作会社:アイエス・フィールド
配給:ABEMA(制作:アイエス・フィールド/企画協力:竹書房 近代麻雀編集部 麻雀MAPグループ)
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