【※ネタバレあり】「麒麟がくる」最終回 解説&考察|明智光秀が主人公ゆえに辿り着いた賛否割れる神秘的なラストに
「挫折しても、転んでも、再起を伺って良い」という強いメッセージ
では、明智光秀が生き残るというこのクライマックスは、ドラマとしてどのようなメッセージになっているのだろうか。
勝手な解釈であるが、「麒麟がくる」最終回における明智光秀は、「本能寺の変」で勝ち、「山崎の戦い」で敗れ、その後は死なずに生き残り、駒の台詞を借りれば再起を目指しているという形となった。
人間というのは必ず失敗をする。今大きな成功を手にしている人であっても、悩み苦しみ、失敗した暁に手にした成功である人も多いはずだ。
明智光秀が山崎の戦いで敗れても、再起を伺う。そんなラストは「史実と違うぞ」という否定意見にも繋がるだろう。
しかし、ドラマのメッセージとしてはこれ以上のものはないのではないだろうか。今の社会において、挫折しようが、転ぼうが、再起を伺うことは悪いことではないというメッセージではないだろうか。
そんな説教臭いことは言葉では一切触れられていないが、ラストシーンで馬で走り去っていく明智光秀の背中を見て、私はそんなことを感じた。
「麒麟がくる」ロスは起きそうだが、背中を押されふわっとした爽快な感覚すらある。
ありがとう「麒麟がくる」
ありがとう「明智光秀」
ありがとう「出演者・関係者のみなさま」
「このドラマは良かった」だけではなく、こういった感謝すら述べたくなる大河ドラマであった。この気持を大切にしていきたい。
動画も上げてますので、良かったら合わせてお楽しみください。
来週からは早速新大河ドラマ「青天を衝け!」が始まる。渋沢栄一を描く全く違う物語だが、引き続きNHK大河ドラマを楽しんでいきたいと思う。
(文:ヤギシタシュウヘイ)
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