『ラーヤと龍の王国』映画製作陣が語る、アニメ作品で声優が重要な要素となる理由
ディズニー・アニメーション最新作『ラーヤと龍の王国』の製作陣が、キャラクター像を作る過程において、声優が大きな一端を担っていると明らかにした。
本作の主人公は、“ひとりぼっち”で生きてきた少女・ラーヤ。彼女の暮らす<クマンドラ>は、かつて龍と人とが共存する平和な1つの国だったが、邪悪な魔物によって人々が“信じあう心”を失い、バラバラになってしまった<龍の王国>だ。この王国を救うため、過去のある出来事により人を信じることが出来なくなった彼女が立ち上がり、壮大な旅を通じて、人を信じすぎてしまう“伝説の龍”シスーをはじめ個性豊かな仲間たちと出会い、“信じる心”を学んでいく―――。
このストーリーのメインを飾るのは、主人公のラーヤとラーヤを変えていく“伝説の龍”シスー。この2トップのイメージを構築するのに、本国で声を吹き込んだ声優2人の活躍は欠かせないものとなった。
世界の命運を司る“最後の石”の守護者一族の娘であるラーヤを、強靭な戦士に導いたのが、ラーヤの声を演じたケリー・マリー・トラン(『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』、『The Croods: A New Age』)だ。彼女は、声の演技を通じて、ラーヤを強くて他者には頼らないキャラクターに仕上げてみせ、さらには、そんなラーヤに感情や脆さを肉付けしてみせた。
そんなケリーに感銘を受けたのは、「ケリーはものすごい感情を吹き込んでいますよ」と語ったカルロス・ロペス・エストラーダ監督。「私たちには見出せるかどうかも分からなかったようなエッジを彼女は注ぎ込んでくれたのです。それと、本当にもう、彼女が録音ブースに足を踏み入れて録音を始めたときのことは、忘れられない光景となりましたよ。なぜなら、私たちが夢にも思わなかったほど完全に彼女がラーヤを体現していると感じたからです」と語り、ラーヤのイメージを具現化してみせたケリーを称賛。
ドン・ホール監督もまた、「コメディとシリアスの間を行ったり来たりしてみせるケリーのやり方がラーヤを知る大きな手がかりになりました。ケリーはこのキャラクターに快活さや好ましさを吹き込んでいますよ」と話し、ストーリー作りの過程で多くの時間が費やされるキャラクター像の構築において、ケリーが大きく貢献したことを明かした。
そして、ラーヤを変える存在となるシスーに声を吹き込んだオークワフィナ(『クレイジー・リッチ!』、『フェアウェル』)もまた、そのイメージを作り上げるうえで欠かせない存在となった。シスーは、世界を救う鍵となる伝説の“最後の龍”として知られる神聖な存在。だが、彼女は面白く自虐的で、これまでの龍のイメージとは一線を画す存在だ。
ユーモア溢れる龍というこの個性的なキャラクターの声を演じたオークワフィナについて、カルロス・ロペス・エストラーダ監督は、「オークワフィナはこのキャラクターに独特なユーモアセンスと幾つかの深い感情を吹き込みました。」とコメント。また、製作を務めたオスナット・シューラーも「オークワフィナは龍のシスーそのものです」と話す。「私たちは、古代の知識を持ちながらも、ものすごいユーモアも持ち合わせているキャラクターを作り上げることを目指しました。オークワフィナはそんなシスーというキャラクターに愚直さやオープンさや純真さといったものを持ち込んでくれたのです」と語った。シューラーによると、ストーリー作りの過程においてシスーのキャラクター像を作り上げる作業はとても複雑なものだったというが、それを体現してみせたのがオークワフィナだったというのだ。
このように、アニメーションでは、声優たちによって吹き込まれた“声”が、魅力的なキャラクター像の一端を担ってきた。したがって、アニメーションは“声”が命!最新作『ラーヤと龍の王国』でも、ディズニー・アニメーションのキャラクターたちの命である“声”にも注目して楽しんでほしい。
作品情報
原題:Raya and the Last Dragon 全米公開:2021年3月5日配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ドン・ホール(『ベイマックス』他)、カルロス・ロペス・エストラーダ(『ブラインドスポッティング』)
製作:オスナット・シューラー(『モアナと伝説の海』)、ピーター・デル・ヴェッコ(『アナと雪の女王』シリーズ)
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