2021年03月17日

『奥様は、取り扱い注意』レビュー:綾瀬はるかが銀幕で魅せる可愛い奥様&壮絶アクション!

『奥様は、取り扱い注意』レビュー:綾瀬はるかが銀幕で魅せる可愛い奥様&壮絶アクション!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

2017年に日本テレビ系列で放送されたTVドラマの「衝撃のラスト!」、その後を描いた劇場版。

TV版に比べて当然ながらアクション色が強まり、また社会問題ネタなども巧みに盛り込んであって、かなり映画に振り切った作りが成されています。



日本映画におけるスパイものということでは『太陽は動かない』も現在公開中ですが、こちらはさらに荒唐無稽な設定であるにも拘らず、冒頭からいきなり主演・綾瀬はるかの激しいアクションを大いに魅せこむことで、前者以上に映画ならではの魅惑と躍動の世界へ観る側を一気に引き込んでくれました。

(それにしても、彼女がアクションを演じる際の身体能力の冴えから発せられる肉体的躍動美には、毎回感服させられますね)

この後、ストーリーは記憶を失くしたヒロインが、陰謀劇の中でいつ己を取り戻していくかがキーポイントになっていきますが、そこに至るまでの“夫”西島秀俊らの立ち回りの上手さなども功を奏して、最後の最後まで飽きさせるところは微塵もありません。



そしていよいよクライマックスでの一大アクション!

と、実にオーソドックスなくらい映画的な構成がスリリングに成されており、その意味ではTV版を見ていなくてもかなりのところで無問題。

一方でTV版のファンには、ヒロインのキャラクターが銀幕の大画面でより際立つといった点やら、ワケアリ「夫婦」の関係性などを再認識できる点など、プラスの印象をもたらしてくれること必至。



主婦としての可愛らしい日常、スパイとしてのクール&ハードな非日常を巧みに演じ分ける綾瀬はるかと、それをフォロー(監視?)する西島秀俊のコンビネーションも堂に入ったもので、両者がもたらす虚構とも絆ともいえる夫婦の交流こそをメインに捉えつつ、その魅力を最大限に引き出した佐藤東弥監督の“映画”的力量に唸らされました。

『カイジ』シリーズ(09~20)で知られる佐藤監督によるTVドラマの劇場用映画化作品は『ごくせんTHE MOVIE』(09)『映画 ST 赤と白の捜査ファイル』(15)そして本作と、今のところ外れなしの高確率が頼もしい限りです。

(文:増當竜也)

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(C)2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会

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