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2021-03-27

たくさんの人が共感できるような普通さを持った女優で在りたい。ドラマ『FM999 999WOMEN‘S SONGS』主演・湯川ひな インタビュー

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3/26(金)WOWOWオンデマンドにてよる9:30より配信、3/29(月)WOWOWプライムにてよる9:30より放送がスタートするWOWOWオリジナルドラマ「FM999 999WOMEN‘S SONGS」

サンダンス映画祭で日本人初のグランプリを受賞した長久允監督が手掛ける「女性」をテーマにした作品だ。16歳を迎えて「女って何?」と疑問を覚えた女子高生・清美(演:湯川ひな)の脳内で、突如ラジオ局「FM999」(DJ:TARAKO)が始まるところから物語は始まる。

毎回、清美の悩みに3人の女性が“女のうた”で答えていく新感覚ミュージカルドラマである。第1話に登場する宮沢りえ、メイリン、菅原小春らをはじめとする総勢28名の豪華な歌のキャストも話題を集めている。

今回は、本作の主役・清美を演じた湯川ひなさんにインタビュー。初のドラマ主演作での演じる苦労や、20歳を迎えたばかりの心境などを語ってくれました。
 

主人公・清美の「一人で頑張っているところ」に共感


 ——まずは、本作への出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

湯川ひなさん(以下湯川さん):これまでオーディションに受かった経験がほぼなかったので、合格したこと自体をうれしく感じました。あとは、『そうして私たちはプールに金魚を、』や『ウィーアーリトルゾンビーズ』でもご一緒させてもらった、長久監督の作品であることも大きくて。また面白いものと関われるんだな、というワクワク感がありました。 

——実際に脚本を読んだときは、どんな感想を?

湯川さん長久監督は、いわゆる感動ものとは違う作品を作る印象があったんですが、今回の作品は主人公の清美に感情移入できる物語になっていて。観てくださる方にも素直に感動してもらえるんじゃないかなと思いました。

——では、湯川さん自身も清美に共感するところがあった?

湯川さん:はい。清美は、とにかく一人で頑張っているところがあって、そこに共感しました。彼女が一人なのはいろいろと理由もあるんですけれど、人はいつも一人なんだなっていうか。あとは、私も日々の中で怒りを感じたり疑問を覚えたりする瞬間があるので、清美のそうした部分は入りやすかったです。


(ヘアメイク:山下亜由美、スタイリスト:岡本さなみ)
(ワンピース=ritsuko karita、リング=3点すべてcarat a)
 
――湯川さんは、長久監督の短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』と本作で、いずれも等身大の女の子を演じておられます。自然な演技が求められる部分での苦労もあったのでは?


湯川さん:そうですね。短編映画のときは、演技を始めたばかりだったこともあり、言われたことをそのままやるという感じだったんです。当時はそれでも問題なかったんですが、今は「ちょっとこうしてみようか」とか自分なりの考えや欲も出てきて。監督から言われたことと、自分の目指すものをすり合わせながら自然さを加えていくのが、難しかったところです。

——演じる中で、「ここはどうしたらいいんだろう」と迷うときなどはありましたか?

湯川さん:ありました。悲しみの表現一つとっても、「激しいものを外に出すのか、それとも内に秘めた悲しみなのか……どっちなんだろう?」といったことで、よく迷いました。

——そうした疑問は自分で解決していったんですか?それとも、現場で長久監督に相談などをされたんでしょうか?

湯川さん:まずやってみて「どうなるかな」と考えるときもあれば、最初から監督に聞くこともありました。監督からのアドバイスは、具体的というよりは「あ、でもこうかな」みたいに一言二言だったんですけれど。

——撮影中、特に印象に残っていることはありますか?

湯川さん:長久監督とは何度も一緒にやらせていただいているので、たくさん話し合わなくても大丈夫かなと思っていたんですが、最後の大事なシーンを撮るときに、私の表現は「ちょっと違うんじゃないか……」と感じたときがありました。それを監督と話して「清美自身がそんなに強くなくていいよね」とお互いに確認しあえたのが印象に残っていますね。

歌のキャスト、男性キャスト、DJキャストの魅力は…?


 ――本作ならではの見どころは、どんなところですか?

湯川さん:音楽がすごく関わってくるところでしょうか。これだけたくさんの曲を聴く機会はなかなかないというほどに、ずっと音楽が流れている作品なんです。音楽を聴く根本的な楽しさを感じられるんじゃないかと思います。 

——劇中の“女のうた”を担当する歌のキャストの方々とは、実際に会われたんですか?

湯川さん:はい、現場で一緒にお芝居はするので、キャスト全員と実際にお会いしました。

——歌のキャストの方々の印象、共演した感想などをぜひお聞きしたいです。

湯川さん:八代亜紀さんは、テレビで見る通りのチャーミングな方でしたね。歌で人を元気にすることをずっとされている方なので、私もすごくパワーをいただきました。モトーラ世理奈さんはかわいらしくて静かな方で、私もたくさんしゃべるタイプではないので雰囲気が心地よかったです。

――第1話で菅原小春さんが演じる「そこだけ雨が降る女」の歌は、湯川さんが歌っているPVが公開されていますが、別の方が歌うのを聞いていかがでしたか?

湯川さん:菅原さんだけ、撮影している現場で歌ってその場で歌を録るやり方をしたんです。すごく歌が上手で、私とは全然タイプが違うキャラクターになっていました。


※湯川ひなさんが歌う「そこだけ雨が降る女」PV 

——女性の歌のキャストが多数登場する一方、重要な役割を果たす男性キャスト2人、清美の父親役の岡部たかしさんと先輩役の倉悠貴さん、それぞれ共演した感想はいかがでしたか?

湯川さん:岡部さんは、まさにムードメーカーな方ですね。控室でも岡部さんがいるといい空気が流れて、おかげでスタッフさんたちともたくさんコミュニケーションをとることができました。倉くんは年齢は私より上なんですけれど、本当に自然な高校生に見える演技をしていて、そのナチュラルさがいいなあと思いました。

——劇中で、倉さんが演じる先輩に清美は恋しますが、湯川さんから見て、清美はなぜ彼に惹かれたのだと思いますか?

湯川さん:弓道をやっている姿がかっこよくて、”神的瞬間”に出逢ったんじゃないかと。美化するというか、清美が、自分の中でよりいっそう先輩をかっこよく見ようとしていた部分もあるとは思います。

——もう1人、清美とある意味一番絡むキャストでもある、“FM999”のDJ役のTARAKOさんとの共演はいかがでしたか?

湯川さん:その場にいるみんなが大好きになるような、本当に優しくて素敵な方です。現場では、TARAKOさんの仮収録した声を聞きながら芝居をしていたんですけれど、声を聞いただけで自分の気持ちが動いて、こんな表現が声だけでできるなんて素晴らしいなあと感動しました。


 

16歳のころの自分に伝えたいことは……?


――清美は16歳の女子高生ですが、湯川さん自身、16歳のころはどんな女の子だったんですか?

湯川さん:16歳のころは、自分が大人なのか子供なのか……ということも、わからなかったですね。いろいろと感じていることを内側に秘めている一方で、外ではちゃんとしてなきゃと思っていて。自分の外側と内側がかみ合っていない感覚がありました。

――当時、何か頑張っていたことなどは?

湯川さん:高校のバスケ部に入っていたので、どうやって頑張って試合に勝つかに夢中になっていました。そこは、バリバリ高校生で。

――16歳のころの自分を振りかえって、今回の役に活かせたところなどはありましたか?

湯川さん:当時の自分は、何かを人に伝えるときに落ち着いて言えばいいことも、バッと力任せにしていたところがあって……。そういう部分は、清美にも通じるところがあるなと思いました。
 
――今は20歳になられたばかりだそうですが、16歳のころと比べて変わってきたと思うのは、どんなところですか?

湯川さん:いろいろなことに焦らなくなりました。人と比べなくなって、自分が好きと思えることを大切にして、その分、自分らしく生きることができるようになったと思います。

――20歳になって「大人になったな」と感じた瞬間などは、ありましたか?

湯川さん:この間1人でカラオケに行ったんですけれど、未成年のときは親と一緒に入らないといけない時間があったのが、今はどの時間でも1人で大丈夫だったり。そういう自由を得られた感じがありますね。

――今の湯川さんから16歳の自分に何か言えるとしたら、どんなことを伝えたいですか?

湯川さん:なんだろう……「もっと長い目で見て計画しなさい」ですかね(笑)。高校生のころは目の前の「とにかく英単語を覚えなきゃ!」みたいなことにひっぱられていた気がするので、「その時間は何年後かに本当に役に立つかどうか考えなさい」みたいに言ってあげたい気がします。 

共感してもらえる“普通さ”を持った女優でいたい 


——本作は、主人公の脳内でラジオが始まる、ある意味妄想全開という感じもあるドラマです。この脳内ラジオの妄想の主体は清美にあったと思いますか?

湯川さん:ラジオが始まるのは清美の脳内という設定ではあるんですが、決して彼女の主体だけではない気がします。清美自身がラジオから影響を受けていく流れにもなっているので。彼女の中で完結してはいるけれど、そこで人からパワーをもらっているので、私としてはむしろ清美本人にこのドラマを見てほしいと思いました。

――ドラマのキーになっている「女って何?」という疑問、日常生活で感じたことがありますか?

湯川さん:あります。「なんで、私が率先して掃除をやんなきゃいけないんだろう?」みたいな。もちろん、掃除をやらないといけないことに気が付くからやるんですけれど、学校とかで女子が率先してやるものみたいな雰囲気になると、「なんでそうなっちゃうんだろう?」っていう気持ちになりましたね。

――今、いろいろ忙しくされていると思うんですが、息抜きとして楽しんでいることは、何かありますか?

湯川さん:映画やドラマを観ることです。日本映画や洋画、韓国映画も好きだし、ジャンルもリアリティがあるものからSFまで幅広く見ています。最近面白かったのは、邦画だと『花束みたいな恋をした』とか、洋画ではマチュー・カソヴィッツ監督の『憎しみ』とか。自分の勉強にもなるので、お芝居を「すごいなあ」と思いながら観るのが楽しいです。

――初のドラマ主演を経て、自身がこの先目指していく女優像みたいなものはできてきましたか?

湯川さん:たくさんの人が共感できるような普通さを持っていたいと思います。今回の清美も、人から見れば普通とは違う部分もたくさんあるかもしれません。だけど決して特殊なキャラクターではなくて、「普通って何?」って考えるときもあるけれど、やはり社会の中に存在するものだと思うので、そうした現実感を失わない女優でいたいです。

――これから先、どんな役を演じていきたいですか? あと、プライベートで挑戦してみたいことなども教えてください。

湯川さん:自分に全くない性質、今の自分から想像もできないような役をやってみたいです。プライベートでは、筆で字を書くのが上手くなりたいですね。小さいころに学校で教わった習字がすごく好きだったので、筆で文章や手紙を書けるようになれたらいいなと。

―――最後に、ドラマを楽しみにしている方たちにメッセージをお願いします。

湯川さん:いろいろなメッセージが込められた作品で、考えることもたくさんあると思うんですが、感情移入、共感してもらえるように私自身演じたので、清美の物語をぜひ楽しんでください。そして、個性的なゲストの方々も大きな見所。音楽もいい曲がたくさんあるので、そこにも注目していただけたらうれしいです。

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