「おむすび」リリー・フランキーのナレーション大活躍【111回】

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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第111回を紐解いていく。

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コロナ禍でいろいろなことが中止に

コロナウイルスが蔓延しはじめて心配な第23週「離れとってもつながっとうけん」(演出:原田氷詩)です。みんなマスクをしています。朝ドラでコロナが描かれたのは、「おかえりモネ」と「カムカムエヴリバディ」です。この2作はかすかに思わせる程度にとどめてあり「おむすび」はかなり細かく描写するようです。これまで活躍の場のなかった福田康彦(岡嶋秀昭)がこども食堂を企画して、がぜんはりきっていますが、コロナ禍、どうなることやら。ほかにも、聖人(北村有起哉)は兵庫の理容師大会に参加しようと決意し、愛子(麻生久美子)はいちご栽培に興味をもって勉強(?)をはじめていました。初老(?)の人たちも夢をもってがんばろうとしていた矢先にコロナとは……。案の定、こども食堂はいったん中止に。歩(仲里依紗)の参加するイベントも中止に……。2020年のことを思い出します。

結(橋本環奈)の病院もコロナ患者を受け入れることになって緊張感が高まります。結は菜摘(田畑志真)の会社にヘッドハンティングされて悩んでいましたが、これでは辞めるわけにもいかないでしょう。とりあえず保留でしょうね。

病院のコロナ対策をリリー・フランキーさんが淡々とした語りで説明します。本日はほぼ、リリーさんの説明で終始した印象です。こんな朝ドラ、かつてないのでは。斬新です。

初回からずっとリリーさんの語りが淡々としていて、分量も少なかったので、リリーさんは福岡出身枠での出演ということだけで役割を果たしているのだろうと思いつつ、物足りなさが拭えなかったのですが、ここでようやく語りが増えた! とはいえ、増えればいいというものでもないかなという感想です。それ以外、とくにレビューすることもないので(序盤、さりげなくいろんなところに出てきたオリジナルキャラコメッピが病院の場面で再登場したのは注目ですし、愛子が佳代が心配で糸島に行く間、結たち家族が実家に戻るという流れを作ることは気になりますが。あと、推し医者とか)、本日は森下直久役の馬場徹さんのコメントを紹介します。

森下は消化器内科医で、医師としての責任感の強さから、患者のことを全て把握しておかないと気が済まないという設定です。結やほかの人たちに当たりがきついですが、悪い人ではないようです。馬場さんはどう考えて演じていらっしゃるのでしょうか。さっそくコメントを読んでみましょう。

当時、「お医者さんってこんなに大変なことをしてくれていたんだ」と分かってもらえると思います。

Q1 出演が決まったときの気持ちは?

ドラマを見るのが好きで、一視聴者として「おむすび」を楽しく拝見していたら出演のお話をいただきました。まだ3、4週あたりの放送で結ちゃんがギャルに心をつかまれていくような部分だったので、僕はどんな役で出るんだろう?というのが最初に思ったことでした(笑)。

Q2 演じる役・森下直久について

一見、人当たりが強くて頑固な感じですが、本当は患者さんファーストで親身に思っている優しくて真面目な人物だと思います。でも、森下先生自身が、がんばりすぎて疲労もたまっていて、うまくコミュニケーションが取れなかったり気難しくなっていたりするんですよね。根っこで患者さんをとても大切に思っているからこそ、自分の患者さんを NST に預けられないという気持ちもあったと思います。

ちょっと意固地(いこじ)な部分もありますが、結や NST のメンバーが自分の患者さんと触れ合っていくのを見て、自分が患者さんに気を遣わせてしまっていたことに気づくなど、医者として少しづつ考え方が変わっていっているのではないでしょうか。「森下先生が怖いから話せなかった」と患者さんのご家族に言われるシーンは印象的でしたね。これで彼の心が動いて変わっていくんだなと、演じながら実感しました。後半は「こうしたいんですけど」という結ちゃんからの提案も素直に受け入れていて、森下くんはだいぶ大人になったんじゃないかな(笑)。

Q3 第23週で描かれる、コロナ禍の医療現場の様子について

当時、「お医者さんってこんなに大変なことをしてくれていたんだ」と分かってもらえると思います。僕らは撮影だから防護服を脱いだり着たりできますが、実際には 1 日中あの格好で医療をされていたなんて、本当に大変だっただろうなと頭が下がる思いです。密閉性の高いマスクをして、さらにその上に不織布のマスクをして患者さんごとに不織布マスクをつけかえたり、手袋を 2 重につけて患者さんごとに捨てたりと細かく神経を使ってくださっていたんだと、役を通して実感しました。お芝居していてもマスクで密閉されてるので息がしづらいし、口が思うように動かなくて。目元もメガネをつけているから、くもってしっかり見ないと共演者さんがどなたか分からないくらいでした。

Q4 視聴者へのメッセージと見どころ

朝ドラの後半ということで重めのシーンもありますが、最後までご覧いただけたらうれしいです。また僕自身の年齢が 30 半ばになったこともあり、「おむすび」を見て栄養や体に入れるものの大切さを実感するようになりました。最近は食物繊維が豊富なものを食べたりお酢を積極的に摂取したりと腸活を心がけていますし、これを習慣化させたいなと思っています。ドラマを通して、視聴者の皆さんに少しでも食事や健康への関心を持ってもらえたらうれしいです。

馬場さんのコメントでした。重めのシーンもあるそうです。どうなるのでしょうか。それにしてもコロナ。いまでも、いまになってコロナに感染することもあります。もうずーっとマスクはしなくても良いとは思いますが、適度にマスクして予防したいですね。

(文:木俣冬)

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–{「おむすび」第22週あらすじ}–

「おむすび」第23週あらすじ

第23週「離れとってもつながっとうけん」3/10-3/14


結がコンビニ会社からスカウトされた頃、横浜でコロナの感染が確認されるが、結の病院ではまだNST が精力的に巡回をしていた。

歩もファッションイベントの準備を着々と進め、気力を取り戻した聖人(北村有起哉)は理容の競技大会に参加する意思を固める。

ところが、日に日に全国で感染者が増え、大規模イベントの中止が要請されて歩や聖人はがっかり。

さらに愛子(麻生久美子)は佳代(宮崎美子)を心配して糸島に滞在することに。一方、結の病院でも感染者を受け入れることになり、結は患者との接触の減少で仕事のやりづらさを感じていく。

–{「おむすび」作品情報}–

「おむすび」作品情報

放送予定
2024年9月30日(月)より放送開始

出演
米田結(よねだ・ゆい)/ 橋本環奈
『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。 自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。 あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。

【結の家族・米田家の人々】

米田歩(よねだ・あゆみ)/ 仲里依紗
主人公・結の8つ年上の姉。
福岡で“伝説のギャル”として知られる。 奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
主人公・結の父。 娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田聖人(よねだ・まさと)/ 北村有起哉
主人公・結の父。
娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。

米田愛子(よねだ・あいこ)/ 麻生久美子
主人公・結の母。
結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。 絵を描くのが得意。

米田永吉(よねだ・えいきち)/ 松平健
主人公・結の祖父。
野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。 困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。

米田佳代(よねだ・かよ)/ 宮崎美子
主人公・結の祖母。
古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。

【福岡・糸島の人々】

四ツ木翔也(よつぎ・しょうや)/ 佐野勇斗
福岡西高校に野球留学中の高校球児。
四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。 糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。

古賀陽太(こが・ようた)/ 菅生新樹
結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。
父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。 ある約束により、結のことを何かと気にかけている。

風見亮介(かざみ・りょうすけ)/ 松本怜生
書道部の先輩。
結にとって憧れの存在。 書道のイメージを一新するような書家を志している。

宮崎恵美(みやざき・えみ)/ 中村守里
結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。
結を熱心に書道部へと誘う。 派手なギャルが苦手。

真島瑠梨(ましま・るり)<ルーリー>/ みりちゃむ
結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。
ハギャレンの復興を目指している。

佐藤珠子(さとう・たまこ)<タマッチ>/ 谷藤海咲
ハギャレンのメンバー。
子どものころからダンス好きで、ハギャレンではパラパラの振付を担当。 筋が通らないことを良しとしない、一本気タイプ。

田中鈴音(たなか・すずね)<スズリン>/ 岡本夏美
ハギャレンのメンバー。
結と同い年で、いつもスナック菓子を食べている。 手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味。

柚木理沙(ゆずき・りさ)<リサポン>/ 田村芽実
結のクラスメイト。
学校では校則を守るおとなしい女子高生だが、実は隠れギャル&ハギャレンメンバーでもある。ギャルの歴史を本にすることが夢。

ひみこ / 池畑慎之介
糸島の「スナックひみこ」の店主。
年齢、性別、経歴、すべてが不詳の謎の人物。 糸島の住人一人一人の事情をなぜか把握している。

草野誠也(くさの・せいや)/ 原口あきまさ
糸島の商店街で陶器店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

古賀武志(こが・たけし)/ ゴリけん
結の幼なじみ・陽太(ようた)の父親。
糸島で漁師をしている。

大村伸介(おおむら・しんすけ)/ 斉藤優(パラシュート部隊)
糸島の商店街で薬店を営んでいる。
ホークスの大ファン。

井出康平(いで・こうへい)/ 須田邦裕
結の父・聖人(まさと)の幼なじみ。
糸島の農業を何とかしたいと日々奮闘している。

佐々木佑馬(ささき・ゆうま)/ 一ノ瀬ワタル
結の姉・歩と行動を共にする“自称・米田歩のマネージャー”。

大河内明日香(おおこうち・あすか)/ 寺本莉緒
結の姉・歩と対立していた、元天神乙女会のギャル。

飯塚恭介(いいづか・きょうすけ)/ BUTCH
福岡県博多のカフェバー「HeavenGod」の店長。


根本ノンジ

音楽
堤博明

主題歌
B’z「イルミネーション」

ロゴデザイン
大島慶一郎

語り
リリー・フランキー

制作統括

宇佐川隆史、真鍋 斎

プロデューサー
管原 浩

公式サイト

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