GWは大林宣彦監督作品を書籍と配信と衛星劇場などでチェック!
■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT
“映像の魔術師”の異名をとる映画作家・大林宣彦監督が2020年4月10日に惜しくもこの世を去ってから、早くも1年の月日が経ちました。
その1周忌に前後した形で、キネマ旬報社から「大林宣彦メモリーズ」(定価:本体価格5600円+税)が発刊されました。
堂々584ページにわたる大著です。
その内容は商業映画デビュー作『HOUSE』(77)から遺作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』(20)に至る全映画作品のレビューをはじめ、映画雑誌「キネマ旬報」に新作が紹介されるごとに大林監督が登場してのインタビューなどの記事採録はもちろんのこと、大林映画に出演してきた俳優陣アンケート(その数107名!)、また大林作品を支えてきたスタッフのロング・インタビューを敢行。
実は私も数名ほどインタビュアーとして参加させていただいているのですが、みなさんそれぞれの大林作品及び監督に対する想いをどこまで文字に移し替えることが出来たか、腐心させていただきました(またみなさん喋り出したら止まらないほど、本当に熱い!)。
少々値は張りますが、数ある大林監督の論考本などの中でこれぞ決定版と胸を張ってお勧めできる逸品です。
今後の大林作品研究はもちろんのこと大林映画を愛するファンの方々にはぜひ携えていただきたい1冊です。
その大林宣彦監督作品ですが、現在サブスクで『HOUSE』『ふりむけば愛』(78)『金田一耕助の冒険』(79)など初期作品から、晩年の『海辺の映画館』までさまざまな作品が配信されています。
U-NEXTではWOWOWで制作・放送されたドキュメンタリー『ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語(完全版)』も観ることが出来ます。
さらに毎月「大林宣彦のいつか見た映画館~大林宣彦監督のセカイ」を放送している衛星劇場では、5月に『転校生』(82)『さびしんぼう』(85)『彼のオートバイ、彼女の島』(86)『野ゆき山ゆき海べゆき(モノクロ版)』(86)『はるか、ノスタルジィ』(93)に加えて、何と『絵の中の少女』(58)『尾道』(63)『EMOTION=伝説の午後・いつか見たドラキュラ』(66)など貴重な自主映画時代の作品を9本一気に放送!
この機会に大林監督の“映像の魔術師”たる所以をとくとお確かめいただくとともに、その魅力にどっぷり浸ってみてください!
(文:増當竜也)
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