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『ジェントルメン』レビュー:麻薬王引退を巡るゲスの極み攻防戦! ガイ・リッチー監督の原点回帰!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

※『ジェントルメン』は休業中の映画館(東京都・大阪府・京都府・兵庫県の該当劇場)を除き、予定通り5月7日(金)に公開する予定です。

このところ『シャーロック・ホームズ』2部作(09・11)や『キング・アーサー』(17)、ついには実写版『アラジン』(19)などなど、まともに面白い映画ばかり作るようになっていたガイ・リッチー監督。

しかし今回の作品は、彼のデビュー作にして出世作でもある『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)や『スナッチ』(02)のような原点に回帰したかのような、久々に危険でヤバいモラル皆無の悪徳犯罪映画なのでした!

極悪非道のマリファナ王ミッキー(マシュー・マコノヒー)が暗黒街からの引退を図り、4億ドル(およそ500億円!)で利権を売却しようとしたことから始まるゲスの極みワル(=ジェントルマン!?)たちの壮絶な騙し合い&殺し合い!



ユダヤ人大富豪(ジェレミー・ストロング)、ゴシップ紙編集長(エディ・マーサン)、チャイニーズ・マフィア(ヘンリー・ゴールディング)、悪ガキどもの頼もしき後見人(コリン・ファレル)らがハチャメチャに入り乱れながら、ロンドンの街をかき回していきます。

これまたゲスの極み私立探偵フレッチャー(ヒュー・グラント)が、麻薬王の腹心の部下レイモンド(チャーリー・バナム/今回一番のかっこよさ!)を通して大金をゆするべく、延々と事態の全貌を語り明かしていくことでドラマは進行。

とにもかくにも全編にわたる台詞の膨大さによって、もはや説明の域など優に超えて映画独自のリズムや空気感などが巧みに形成されていくという、これまた映画の定石をぶち破る奇跡が大胆不敵に成し遂げられていく優れものといっても過言ではありません。

さらには時間軸を錯綜させた縦横無尽の編集や、何よりも画面そのもののぶっとんだ見せ方の数々によって、「これぞガイ・リッチー映画!」と喝采を贈りたくなるほど、見る側はイカレた愉悦感に支配されていくのでした。

何よりも『ロック、ストック~』など初期の荒々しさから長年のキャリアを経ての、さらに熟練のしたたかさまで身に着けたと思しきリッチー演出の上手さに魅了されまくること必至です。



善人は誰ひとりとして登場することなく、徹底してワルばかりがしのぎあい続けることで、異様なまでの邪悪なカタルシスをとことん堪能しまくることが出来るという、これぞ悪徳の極み映画!

それこそコロナ禍のストレスまでも見事に払拭させてくれる快作として、こんなご時世の今こそ強くプッシュしたい作品です。

(文:増當竜也)

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