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『タイタニック』「7つ」のポイント解説〜当時の格差社会から読み解く〜

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言わずと知れた映画『タイタニック』、その前編が2021年5月7日、後編が5月14日に、2週連続で金曜ロードショーで放送されます。

本作の製作費は2.86億ドルであり、それは実際のタイタニック号の建造費である750万ドル(映画公開当時のドルに換算すると約1.2億〜1.5億ドル)を遥かに超えています。その結果、興行収入は全世界で21.9億ドルと当時の世界最高興行収入を記録。第70回アカデミー賞で14部門でノミネートされ、作品賞を含む歴代最多の11部門で受賞しました。

まさに規格外、映画史に燦然と輝くプロジェクトを達成し、名作中の名作とされる『タイタニック』は、その舞台のことを知るともっと面白くなります。ここでは、後編に当たるストーリーの大きなネタバレにならない範囲で、タイタニック号が文字通りに「世界の縮図」であり、そのことが物語上でも大きな意味を持っていたことから、作品を奥深く読み解いていきましょう。

1:最下層から最上位の世界が重なっていた



『タイタニック』の物語を端的に言い表すのであれば、「身分違いの悲恋」です。ジャックは画家を夢見る貧しい若者で、ローズは制約でがんじがらめになっている上流階級の娘。そんな2人が沈みゆく船で忘れられない恋に落ちる。そのメインプロットがドラマチックなのは言うまでもありませんが、実際のタイタニック号そのものに極端なまでの「格差(階級)社会」があり、映画でもそのことが明確に描かれています。

たとえば、ローズのいる1等室は豪華絢爛で(当時はまだ無名の)ピカソやモネの絵も持ち込まれている一方、ジャックの3等室は狭い上に相部屋で段重ねのベッドで寝起きしなければいけません。事実、7日間の旅における両者の部屋の値段を日本円に換算すると、1等室が1人につき575万円だったのに対して、3等室は2万円〜4万円ほどと、天と地ほどの差があったのだとか。

さらに、船底には過酷な肉体労働をする火夫がいて、わかりやすすぎるほどに最下層から最上位の世界が重なっています。当時の世界、特にイギリスの社会には(今でも残る)激しい階級差の意識があり、それが豪華客船のタイタニック号の中ではさらに凝縮してあらわれているのです。

2:「夢の船」と呼ばれた理由



そのようなザ・格差社会なタイタニック号ですが、劇中で年老いたローズが「夢の船」と呼んでいたように、1910年代当時の人にとってはアメリカン・ドリームそのもののような存在でもありました。

アメリカ大陸に人々が移住し始めた当初は、イギリス人はそれまでの慣習を持ち込み、特に上流階級に属していた人々は生活の中にも階級差があることを意識していたといいます。しかし、やがて移民の数が増えて来ると、財産を持たない夢追い人も当然増えてきて、自由や平等を訴える風潮も強くなり、アメリカの社会そのものが変わりつつあったそうです。

イギリスでは階級差が激しくても、アメリカという土地に来れば、出生は関係なく努力で成功を掴むことができる。タイタニック号の1等室にいる人たちはすでに様々な事業で莫大な富を築いていたため、乗客の大多数を占める3等室の移民たちは「いつか自分も」とイギリスからアメリカへの旅の最中で熱い夢を抱いていたに違いありません。世界中を旅していたアメリカ出身のジャックも、その1人でしょう。

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