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30代後半以上のスーパー戦隊ファンなら分かる?『機界戦隊ゼンカイジャー』のエモいポイント
30代後半以上のスーパー戦隊ファンなら分かる?『機界戦隊ゼンカイジャー』のエモいポイント
『機界戦隊ゼンカイジャー』、面白すぎる。
放送が始まる前は、どうやって『海賊戦隊ゴーカイジャー』と差別化して過去のスーパー戦隊を絡ませていくんだろうと思ってたんですが、どっこい始まってみればモチーフが「スーパー戦隊そのもの」という新しい試みの作品になっていて、レジェンドヒーローの登場を期待してた自分が浅はかだったことに気づきました。
「ゴーカイジャー」とはまた別の手法で、お祭りを演出する白倉伸一郎プロデューサー、流石です。
以前、インタビューで白倉さんが「知能指数が低い人たちが作ってる番組にしたい」とおっしゃられてましたが、その意味は本編を見てみるとすぐ飲み込むことができました。
なんといっても、トジルギアの攻め方が、本当にいい意味で知能指数が低い。
きのこ生やしてみたり、ボクシングで戦わせたり、寿司のネタにされたり、かしわもち中毒にさせたり。
このブレることのない統一性のなさだったり、介人が色々とすんなりと受け入れてしまったりするところに、“小難しい話はやめにして、ぶっちぎりで面白かったらいいでしょ”という作り手の覚悟を感じられますし、それが古き良きスーパー戦隊イズムと重なる部分もあり、令和3年にして新たに『秘密戦隊ゴレンジャー』を見ているような、45作目にして1作目を見ているような感覚に陥ったりします。
先程も書きましたが、「ゼンカイジャー」は「スーパー戦隊」そのものをモチーフにしているのが本当にエモい。
センタイギアを使って過去スーパー戦隊の技を繰り出してくれるのが、ぶっちぎりで楽しいです。
そしてどこまで計算されてるのか、これからの制作スタッフさんの話などで明らかになっていくとは思うんですが、僕が思う一番エモい部分というのが、ところどころのシーンが過去スーパー戦隊のどこかのオマージュになっているところ。
確証のあるところから、僕だけが勝手にオマージュだと思ってしまっているところまであるんですが、「ゼンカイジャー」を見ていると、自分の頭のスーパー戦隊データに引っかかり、既視感を瞬間的に感じることが多々あるのです。
時間ができればそれらを全部検証してみるのも絶対に楽しいと思うんですが、わかりやすいところでいうと、追加戦士のゴールドツイカーの戦艦・クロコダイオーの登場シーンです。
30代後半より上の世代のスーパー戦隊ファンはもうお分かりでしょう。
あの暗雲から登場する感じは、スーパー戦隊初期によく見られたおなじみの演出なんです。
現在、スーパー戦隊のお決まりゴトと言えば、巨大合体ロボ登場、追加戦士登場などですが、昭和後半までは巨大母艦もスーパー戦隊には付き物でした。
怪人が巨大化した後、マシンを呼んで合体!の前にそのマシンを現場まで運ぶ巨大母艦もスーパー戦隊の見所の一つだったのです。
戦隊の母艦をざっとおさらいしておくと、
『バトルフィーバーJ』バトルシャーク
『電子戦隊デンジマン』デンジタイガー
『太陽戦隊サンバルカン』ジャガーバルカン
『大戦隊ゴーグルファイブ』ゴーグルシーザー
『化学戦隊ダイナマン』ダイジュピター
『超電子バイオマン』バイオドラゴン
『電撃戦隊チェンジマン』シャトルベース
『超新星フラッシュマン』スターコンドル
『光戦隊マスクマン』ターボランジャー
『超獣戦隊ライブマン』マシンバッファロー
があるんですが、ジャガーバルカン、ゴーグルシーザー、ダイジュピターがまさに、先程申し上げた暗雲の中から勇ましく登場するパターンのパイオニア達なんです。
クロコダイオーの登場シーンは、上記のオマージュでまず間違いありません。 (余談ですがメタルヒーローシリーズの『宇宙刑事シャリバン』の母艦、グランドバースも暗雲から登場します)
他にも、往年のバズーカのオマージュもあるなど、毎回毎回脳みその奥の方を震わせてくれる「ゼンカイジャー」。
脳みそがうれしさで痺れ次第また、ここで報告させていただきます。
(文:篠宮暁)
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
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