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『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が東映特撮のSDGsと言えるワケ

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

むちゃくちゃ驚いた『機界戦隊ゼンカイジャー』の発表記者会見から早1年。

えらいもんで1年たった今では、どんな突拍子もない展開を見せられても「ゼンカイジャーだから」で片付けられるほど。

何が起こっても違和感なく作品を丸ごと受け入れて毎週楽しんでいる自分ですが、1年前の会見はそれはそれは度肝を抜かれました。

会見の少し前から公開されていたビジュアルを見て、ゼンカイザーの色はもちろんのこと5人がお決まりのスーツではないことも衝撃だったんですが、会見を見てさらにびっくり。

ゼンカイザー以外の4人も実は変身した姿で、変身前のキカイノイドたちを初めて会見で目の当たりにし、「ゼンカイジャーどうなるの?」と得体の知れないものを見た感覚に陥りました。

思えば、あの時からゼンカイ色満開でした。

介人の横に飛沫防止のパーテーションがあるのはわかるんですが、ジュラン達の間にもパーテーションがしっかりと挟み込まれており、まだゼンカイ脳に染まってなかった僕は「要らんがな」などと突っ込んでしまってました。

先日、スーパー戦隊46作目『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の会見があったんですが、昨年よりもさらに遊び心満載のぶっ飛んだ構成で、冒頭、「ドンブラザーズ」ではなく「ドンブラザーズ」をもじった「ドンブリーズ」の偽プロモーション映像が。

わざわざこの遊びのために作った映像がまた、よくできていること。

出てきたキャスト陣も頭にどんぶりを乗せ、しっかりコントを成立させる。

その後には敵役のキャスト陣による「ドンフレグランス」が。

「ゼンカイジャー」で再確認したスーパー戦隊の魅力を、さらに昇華させてくれることを期待せずにはいられません。

しかし、これは後半に食らう衝撃の序章でした。

後半に食らった衝撃、それは皆さんも同じでしょう。

介人の登場です。

白倉プロデューサー、どんだけファンを喜ばせてくれるんですか。

実は僕、当たらずとも遠からずのことを言っていて、去年の11月に配信された「TAMASHII NATIONS presents SUPER TOKUSATSU TIME」の「ゼンカイジャー」パートの時に介人役の駒木根葵汰さんが「ゼンカイジャーが終わるのが想像できない」とおっしゃったときに、「規定概念を崩してきたゼンカイジャー、ひょっとしたら終わらないかもしれないですよ」みたいなことを言ったんですが、まさか介人が続投になるとは。

前作の主役が次作にレギュラー出演というのは、スーパー戦隊では例を見ません。

が、この形、特撮ファンにとってはうれしいパターンのヤツです。

僕世代で言うと『特救指令ソルブレイン』に前作の『特警ウインスペクター』のファイヤーが登場したり、後半にはファイヤーがパワーアップしてナイトファイヤーとして作品にレギュラー参戦したことを思い出します。

また『ビーファイターカブト』に、前作のビーファイターが出てきたこともありました。

さらに遡ると、古くは昭和仮面ライダーでも作品を超えたゲスト出演が度々されてますし、『宇宙刑事ギャバン』にシャリバンが、シャリバンのときにギャバンが登場した過去があります。

スーパー戦隊では『電子戦隊デンジマン』のヘドリアン女王が次作の『太陽戦隊サンバルカン』に登場していたりします。

要するに、介人続投というのは実は0から1を生み出すような新しい手法ではなく、東映の過去作に見られる宝、遺産からその要素を抽出し、過去のものとして埋もれさせることなく、ましてや廃棄することなく令和のスーパー戦隊作品にアレンジして1を100にしようとされているわけです。

その施す所業はまさに、東映特撮のSDGsと言えるでしょう。

いいものはいい、使えるものは使う。

「ゼンカイジャー」でも見られたこの精神は、引き続き「ドンブラザーズ」でも見ることができそうです。

そして昔の特撮からだけでなく「ゼンカイジャー」からすらも、それを抽出しようとしていることは“ギア”というアイテムを見れば明らかです。

介人がどうやって黒くなるのか、「ゼンカイジャー」の最終回はどうなるのか、「ドンブラザーズ」との世界観は続いてるのか、ワクワクがえげつないことになってます。



(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】

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