「大豆田とわ子と三人の元夫」1話から最後まで、名言&名場面総ざらい!
第6話
連れ去られたとわ子を心配しつつ、元夫3人と彼らと最近何かあった女性たち3人の地獄の合コンのような餃子パーティーinとわ子宅。女性たちのするどい刃のような愚痴大会に心が満身創痍になる元夫たち。その一方で取り返しのつかないことが起こっていた……。「一番ひどい、人に透明人間にされるほど悲しいことはない」「その人はきっと自分だけがが好きなんだろうね」(女性たち)
慎森が女性たちに言われた言葉。
「普段モテない人って妄想がふくらむけど相手が実態化した途端逃げる」「したいのは恋愛じゃなくて恋愛ごっこなんですよ」「ロマンチスト最悪。ロマンはごはんだと思ってるんですよ。ロマンはスパイスなんですよ、主食じゃないんだな~」(女性たち)
鹿太郎が女性たちに言われた言葉。
「その人が優しいのは、その人にとって人間関係はサービスでしかないから」「謝っとけば話打ち切れると思ってる」(女性たち)
八作が女性たちに言われた言葉。
それぞれショックを受けた3人は、動揺のあまりギョウザから具がはみ出たり具なしのギョウザを包んでしまったりした。
「自分と付き合いたいと思う?」(女性たち)
3人がそれぞれの相手に言われとどめを刺されたセリフ。
「もう遅いよ。どこが好きだったか教えるときは、もうその恋を片付けるって決めたときだよ。せっかく自分だけが見つけた秘密だったんだから」(早良)
他の二人がそれぞれ相手と向き合うみたいですと言う八作に早良が言い放つ言葉。時すでに遅し……。「一人で死んじゃったよ。一人で死なせちゃったよ……」 (とわ子)
病院にかけつけた八作に、パーカーの紐の話をしてから言った言葉。つらい。第7話
かごめの死から1年後。娘・唄の自立、慎森の成長などがありつつも、かごめの死を引きずるとわ子。元夫たちは心配するがどうにもできない。そんな中、ラジオ体操で知り合った男・小鳥遊と接近するとわ子。「ママといると楽すぎる、このままだとママに甘える駄目な子になっちゃう」「ママがちゃんと育ててくれたから自立したいと思ったんだよ」(唄)
進学した高校が遠方なため、とわ子の父の家に引っ越すことにした娘・唄が、どうにか引き止めたいとわ子に伝えた言葉。大変しっかりした高1(もしくは中3)だ……。「僕の助けが必要かと思ってね。これ、死んだ魚のお寿司」(慎森)
一応助けに来てくれたんだけど、独特な言い回しをする慎森。
「雑談はいらない、お土産もいらない。でも、好きな人との雑談は楽しいし、好きな人にお土産をもらうのも嬉しい。好きな人となら、紙コップで飲むワインも美味しい。」
「僕はやっぱり君のことが好きなんだよね。焼肉が好き。焼肉は僕のこと好きじゃないけど、僕は焼肉が好き。そういう意味で。自分らしくして好きな人に好きって言えないなら、自分らしくなくても好きな人に好きって言いたい。そうやって続けていけば、それも僕らしくなっていくと思うし」(慎森)
慎森の成長が垣間見える会話。かたくなで融通がきかなくて無駄なものを認めなかった慎森が、翼との一件で変わらなきゃと言ってから有言実行したのだなとわかるシーン。素晴らしい。
「何で人間て何歳になってもさみしくなっちゃうんだろうね」(鹿太郎)
慎森とサシで焼き肉に行った帰り道、別れ際に叫んだ言葉。しみる。「この人のために頑張ろう、みたいな。見ててくれるかな~。見ててくれるから頑張ろうかな~みたいな」(小鳥遊)「かごめ」(とわ子)
好きなものについての話から派生した会話。好きなものと言われても出てこなかったけど、このやり取りは即答で泣きそうだった。
「全然変な話じゃないですよ、好きな人の話をしてくれてるんですよね」(小鳥遊)
かごめが亡くなったことを話しはじめ、「ごめんなさい、初めて会った方にこんなこと」と言うとわ子にかけた優しい言葉。涙出ちゃう。「あいつのこと忘れちゃってた、また一人にさせちゃった、って思います。誰にも言えないし、すごい孤独です。こんなんだったらそっちに行ってあげたいよって思います」
「みんな言うんです、まだ若かったしやり残したことがあったでしょうね、悔やまれますよね、残念ですよね」「だったら私たち、大人になんてならなくてよかったなって」(とわ子)
今まで誰にも言えなかったかごめに死について思ってきたことを小鳥遊に話すシーン。とわ子が抱えてきた後悔が明らかになってつらい。「あなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら、今も彼女は笑っているし5歳のあなたと5歳の彼女は、今も手を繋いでいて今からだっていつだって気持ちを伝えることができる」
「幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。あるのはその人がどういう人だったかっていうことだけ」
「人生にはふたつのルールがあって、亡くなった人を不幸だと思ってはならない。生きてる人は幸せを目ざさなければならない。人はときどきさびしくなるけど人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる」(小鳥遊)
かごめの死にずっと後悔と罪悪感を抱えてきたとわ子に小鳥遊が伝えた言葉。とわ子はこの言葉である意味かごめの死から立ち直れたし、死別の苦しみや悲しみを味わったことある人で救われた人は多いのではないだろうか。個人的には一番泣いた。第8話
オンオフのギャップに戸惑いつつも小鳥遊に惹かれていくとわ子。二人の仲が深まっていき、小鳥遊の魅力も大爆発の回。「僕は青い空じゃないですか?」(小鳥遊)「むしろ夜ですね、ちょっと雨が降ってる」(とわ子)
社長の娘の男性の好みが青空のような人、という話を受けてやり取りする二人。後の「一緒にいて安心できる人だった」にもつながっていて、表現がすてき。
「ご存知なかったですか、私は意地悪です」(とわ子)
松たか子さん本人もお気に入りと言うこのセリフ。社長の娘との結婚を諦めることを勧め、社長の命令だから駄目ですという小鳥遊に皮肉を言った後に意地悪ですねと言われて出てきた。とわ子のかわいげが詰まっている。本当に意地悪な人は私は意地悪ですなんて言わないと思う。「いいんですよ。あの方が思い出になるでしょ」(小鳥遊)
喫茶店で3つのショートケーキを4人でどう分けるか悩む学生たち。「本人たちが考えるでしょう」とそのままにする小鳥遊。結局ケーキはグチャグチャになり、「ダメだったじゃないですか」と笑いながら言うとわ子に言った言葉。
失敗しても思い出になればそれでいい、そんな小鳥遊の優しい視点に救われた人はいたはず。
「そんな恩着せがましい社長のカレーよりずっと美味しいと思います。だって、人生は楽しんでいいに決まってる。あなたがそう教えてくれたから作れたカレーだから」(とわ子)
苦しいときに助けてくれた社長に恩義を感じて言いなりになり、自分の人生を諦めているように見える小鳥遊を家に誘い、カレーをふるまったとわ子が伝えた言葉。小鳥遊はこの言葉を聞いて社長の娘との結婚、社長の言いなりになる人生をやめた。
「どこまで人から預かった荷物を背負い続けるつもりですか?」(小鳥遊)
かごめに「社長はあなたがやるべき仕事だから」と言われたから社長をやめられないというとわ子に(オフの)小鳥遊が言った言葉。「さびしいときはさびしいって言ったほうがいいですよ。人間便利なもので、さびしがり屋にはさびしがり屋が近づいてくるものです。実際、僕もあなたに惹かれて近づきました」 「それ、分けませんか?」(小鳥遊)
何とグッとくる口説き文句か……。いろんなもの背負ったり抱えたりして頑張っている人に「それ、分けませんか?」って言えるの、いいな……。素敵なシーンでした。「トラック乗っちゃいましたね」(小鳥遊)
恋愛経験の少ない小鳥遊が、社長の娘とデートするにあたってとわ子に女性との接し方を教わる中で「小鳥遊さんはいま三輪車に乗り始めたところ。手をつなぐのはトラックに乗るようなものだから、まだ早いです」ろ言われるシーンが前半にあってからの、「それ、分けませんか?」からの、いきなり網戸が外れて思わず手を握ってしまった後に言った言葉。1000万点。第1話からとわ子を悩ませてきた網戸だが、珍しくグッジョブであった。第9話
小鳥遊からプロポーズされ、迷うとわ子。考えた末にとわ子が選んだ彼女なりの幸せは、予想外のものでした。「あなたを選んで 一人で生きることにした」
「今だってここにいる気がするんだもん。3人いたら恋愛にならないよ」
「いいじゃない、こうやって一緒に思い出してあげようよ」
「3人で生きていこうよ」(とわ子)
小鳥遊のプロポーズを断った後、八作の元に来るとわ子。とわ子が決めた幸せは、一人で幸せになることだった。それは八作が好きな自分を認めて、かごめが好きだった八作と、自分にとっても大切なかごめと、3人で生きていくことでもあった。
「そうなんだよね。でもしょうがない。ほしいものは自分で手に入れたい。そういう困った性格なのかな」(とわ子)
「それはそうだよ。手に入ったものに自分を合わせるより、手に入らないものを眺めているほうが楽しいんじゃない?」(八作)
「そうなんだよね。そっちのほうがいいんだよね」「うん」
「一人で生きていけるけど、まあ、さびしいじゃん。さびしいのは嫌だけど、でもそれで誰かと二人でいたって……自分を好きになれなかったら結局一人だしさ」
「そうだね」
「好きになれる自分と一緒にいたいし、一人でも幸せになれると思うんだよね。無理かな?」
「全然余裕でなれるでしょ、なれるなれる」
与えられようとしていた幸せに一度は手を伸ばそうとしたとわ子。しかしすんでのところで、自分にとっての幸せは何かに気が付いた。そんなとわ子の話を聞いて肯定する八作。
とわ子は人にどうしてほしいと求めるタイプじゃないけど、それは人から与えられるものより自分で手に入れるものに幸せを感じるタイプだったからだし、八作の言葉もまさに、手に入らないかごめを眺めていた彼自身の話である。
結ばれるばかりが幸せなのではなくて、彼らはそれぞれ自分なりの幸せを選んだり選ぼうとしているのだとわかるやり取り。
「人の孤独を埋めるのは、愛されることじゃないよ、愛することだよ」
「そしてそれは、僕のことじゃない」
「残念ながら、君はあの人を愛してる」
「その人も君を」
とわ子の再婚を阻止しようと家に突撃、スマホを奪って立てこもるというトンデモな行動に出た慎森。結局反撃に遭い、持ち前の運動神経の悪さのために頭を打ち、手当てしてもらう羽目に。さらにパスタと小麦粉をかぶった情けない状態で、「もう一人は嫌なんだよ、限界なんだよ。誰かに頼りたいんだよ、守ってもらいたいんだよ」と言うとわ子に涙を流しながら伝えた言葉。していることは圧倒的に迷惑なんだけど、とわ子を愛しているからこそ、とわ子すら自覚していなかった気持ちに気づいたのかもしれない。
「田中さんだよ」と言う慎森に「何それ、全然面白くない」と言うとわ子だったが、何かしら響くものがあったようだ。
「これぐらいの大きさの犬は毎日でも洗いたいので」
「森の中で暮らす一匹の熊になりたい」(慎森)
とわ子のために情報を得るため先輩の家の犬を洗う慎森、とわ子が別の人と結婚するかもしれないという現実に耐え切れずよくわからないことを言う慎森。数々の迷言がアイデンティティになりつつある、愛おしい。
「とわ子はどっちかな。一人でも大丈夫になりたい? 誰かに大事にされたい?」(とわ子の母)
小鳥遊に返事をするという日、母の遺影を見て浮かんだ母の言葉。とわ子の決断にもつながっている。幸せを決めつけず、複数提示するお母さん、素敵な人だったんだな。
第10話(最終回)
「あなたのお母さんは娘を 家族をちゃんと愛してる人だった」(マーさん)
とわ子と唄が会いに行った、とわ子の母・つき子が愛していた女性・マーさんの言葉。マーさんのことを愛していた=家庭を持って幸せじゃなかったのでは、と思ったとわ子を制し、つき子は家族を愛していたんだよと伝えた。
「誰だって心に穴を持って生まれてきてさ、それを埋めるためにじたばたして生きてるんだもん。愛を守りたい。恋に溺れたい。一人の中にいくつもあって、どれも嘘じゃない。どれも、つき子」(マーさん)
家族を愛していたのも、自由になりたかったのも、矛盾しているようだけど人は相反する気持ちを持っていて、どれも本当なんだという言葉。「良かったんだよ? 私を選ばなくて」(マーさん)
選んだほうで正解だったんだよ、とつき子の選択を笑顔で肯定した。「あなたはすごいな。1人でそんなに立派になって。お父さんとお母さんがあなたを転んでも1人で起きれる子にしてしまった。お母さんは悪くない、俺のせいだ」(とわ子の父・旺介)「私、ちゃんといろんな人に起こしてもらってきたよ。今は一人だけどさ、田中さんも、佐藤さんも、中村さんも。みんな私が転んだ時に起こしてくれた人たちだよ。お父さんだってそうだよ。言いたくないけど、支えになってるよ」(とわ子)
デリカシーがなく、人の気持ちなどお構いなしに見えた父・旺介だったが、母の浮気に気づいていて、母が好きなものを理解できない自分と一緒になって悪いことしちゃった、とわ子も自分のせいで自転車に乗れなかったと悔やんでいたことがわかったシーン。いろんな人に支えてもらってきたし父にだって支えられてるし、今からでも自転車教えてよ、というとわ子。「私の好きは、その人が笑っててくれること。笑っててくれたら、あとはもう何でもいい。そういう感じ」(とわ子)
押しかけてきた元夫たちと元夫ボーリングをしたりパーティーをして、僕たちは君のことが好きなんだよ、と言われて伝えたとわ子にとっての「好き」の解釈。相手に自分に対して何かしてほしい、じゃないところがとわ子だなと思った。
「上空からの夜景より、自分ちから見える風景が好き」(とわ子)
ラスト、ナレーションで語られたとわ子の心情。とわ子にとっての幸せはこれだという一つの例だけど、好きなものはそれぞれ違っていい、というメッセージのひとつに感じた。数多くの名言で、視聴者を励ましてきた「大豆田とわ子と三人の元夫」。作品は最終回を迎えたが、これからの人生も励まし続けてくれそうな言葉をたくさんもらった。まめ夫の言葉とともに生きていきたいと思う。
(文:ぐみ)
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