<ミステリと言う勿れ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
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菅田将暉が主演、伊藤沙莉や門脇麦など豪華俳優陣が脇を固める月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」が2022年1月10日(成人の日)より放送スタート。
物事を深く考える癖があり、特徴的なヘアスタイルが印象に残る、土日のカレー作りが趣味な大学生・久能整(菅田将暉)。カレー日和な休日に鍋を煮込んでいた矢先、近くで殺人事件があったことを知らせにくる二人の刑事が。やがて、整は身に覚えのない容疑を着せられてしまい……?
cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
・第1話ストーリー&レビュー・第2話ストーリー&レビュー
・第3話ストーリー&レビュー
・第4話ストーリー&レビュー
・第5話ストーリー&レビュー
・第6話ストーリー&レビュー
・第7話ストーリー&レビュー
・第8話ストーリー&レビュー
・第9話ストーリー&レビュー
・第10話ストーリー&レビュー
・第11話ストーリー&レビュー
・第12話ストーリー&レビュー
・「ミステリと言う勿れ」作品情報
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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大学生の久能整(菅田将暉)は、朝から自宅アパートでカレーを作っていた。そこに、アパートの大家が大隣警察署の刑事、薮鑑造(遠藤憲一)と池本優人(尾上松也)を連れて現れる。昨夜10時の行動を薮に問われた整は1人でカレーを作っていたと答えた。すると、薮は付近の公園で寒河江健(藤枝喜輝)の遺体が発見されたことを整に伝え、警察署へ任意同行を求めた。
整は薮、そして青砥成昭(筒井道隆)の聴取を受ける。公園で殺害された寒河江は整と同じ高校の出身で同じ大学に通っていた。さらに、寒河江が殺害された時刻に整と争っているのを見た目撃者もいる。そのため、整は容疑者となっていたのだ。だが、薮たちの追求に整は淡々と無実を訴える。目撃情報もはっきりと自分だと言えるのかと理屈を並べて返して行く。
夜になると、整は明日も取調べに応じるという条件で解放された。刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)に預けていた携帯電話を返してもらいに行った整は、彼女がペットロスであることを知る。また、池本が間もなく父親になるという話も整の耳に入った。
翌日、整が警察署に行くと、薮から指紋を採るよう命じられた風呂光と池本が取調室にいる。整は風呂光のペットロスを言葉で癒し、池本にも間もなく出産を迎える妻への労りをアドバイスした。薮はそんな整が犯人に違いないと青砥に告げる。
取調べ三日目、整は署内での立ち位置に悩む風呂光に希望を与えた。そこに藪が来て、寒河江を殺害した果物ナイフが見つかり、整の指紋が検出されたと伝える。
第1話レビュー
特徴的なヘアスタイルがトレードマークの、土日にカレーを作るのが趣味な大学生・久能整(菅田将暉)が、近所の公園で起こった殺人事件の容疑者として警察に連行された。
刑事の薮(遠藤憲一)、青砥(筒井道隆)、池本(尾上松也)、風呂光(伊藤沙莉)が事情聴取をするも、久能は「やってない」の一点張り。
やがて、整の部屋にあった果物ナイフが凶器として出てきたり、被害者に金を借りていたことを示す借用書のデータが発見されたりと、ご都合主義な証拠ばかりが出てくる。
お察しの通り、真犯人は整ではなかった。
だいぶ早い段階から「あいつがやった」と”刑事のカン”を働かせていた薮。青砥や池本など他の刑事と比べると、明らかに温度差があった。何がなんでも整を真犯人に仕立て上げ、逮捕に踏み切りたいかのように……。
彼は約3年前に、妻と息子を”ひき逃げ”されたことにより亡くしていた。実は、そのひき逃げ犯は、今回の殺人事件の被害者である。そう、真犯人は整ではなく、家族の復讐に燃えた薮だったのだ。
家族の復讐のために人を殺してしまい、あまつさえ、その罪を他人(整)に着せようとした薮。それだけならまだしも、復讐のために殺害した相手が、実は「家族を殺したひき逃げ犯ではなかった可能性」まで浮上。
自身の”取り返せない過ち”に気づき、絶望し、憔悴しきる薮。このシーンで魅せた”遠藤憲一の男泣き”に、涙を誘われた方も多かったのではないだろうか。
近年はドラマ「ドクターX」や「ラジエーションハウス」などで見るコミカルな役でも存在感を発揮してきたが、今回のような渋い演技でも、しっかりと魅せてくれる役者だ。
原作に対する愛とリスペクトを感じさせるドラマの構成、キャラクターのリアルさ、音楽のマッチ具合、絶妙な間……。どこを取り上げても、申し分ない仕上がりだと感じた。
原作ファンの方もそうでない方も、この1話を見た時点で、その再現の忠実性とクオリティの高さに惹き込まれてしまっただろう。
筆者がとくに注目したのは、「音楽」と「エピソードの取捨選択」だ。
整の淡々とした、あの畳みかけるような話し口を邪魔しない、クラシカルな音楽。この物語の世界観を引き立たせる音楽が選ばれ、適切に配置されている。
ドラマにおける要素は、役者の演技や脚本構成など様々あれど、音楽の重要性をあらためて認識させられる体験だった。
それに加えて、原作をドラマに再構成するにあたっての、エピソードの取捨選択も秀逸である。
1話は「整、殺人事件の容疑者として疑われる!?」から「図らずも巻き込まれたバスジャック事件」の冒頭までが描かれているのだが、過剰でもなく不足でもない、これ以外にないほどのドラマ構成になっていると感じた。
強いて言うなら、原作にある「海外では”いじめをする側の人間”ほどメンタルケアが必要」といったエピソードが省略されていたのが残念だったくらいだ。整の価値観を表す良いエピソードなので、原作未読の方でご興味があれば、ぜひ読んでいただきたい。
さて。次回は「図らずも巻き込まれたバスジャック事件」の続きからである。
永山瑛太やヒコロヒーなど、サプライズなキャスティングも目立つ本ドラマ。次回はどんな”原作愛”と”リスペクト”を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。
※この記事は「ミステリと言う勿れ」の各話を1つにまとめたものです。
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(C)田村由美/小学館 (C)フジテレビジョン