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「恋はDeepに」は、なぜこうなったのか考察(妄想)してみた



「何、勝手に帰ってきてんだよ」

海から帰ってきた海音(石原さとみ)を見たときの倫太郎(綾野剛)のセリフで少し笑ってしまった「恋はもっとDeepに~運命の再会スペシャル~」。そんなに簡単に帰ってこられるなら、今までの話は何だったんだよ! という気にもなるし、そもそも2人は異種生物なわけで、別にハッピーエンドじゃないよな……という気にもなったエンディングだった。

個人的には、このエンディングは美音と再会したくてしょうがない倫太郎の夢のような気がする(最終回のときも似たようなことを書いたな)。

カラーフィルターのかかった現実離れした画作りが夢の中っぽいし、美音との再会を喜ぶ人たちの輪の中にスーツ姿の光太郎(大谷亮平)をはじめとする蓮田トラストの人たちが仕事着のまま混じっていたし(呼ばれていない藤森慎吾が少々可哀想でもある)、直前まで倫太郎は眠っていたし……という理由なのだが、はたして真実はどうなんだろう?



全9話+総集編(?)という変則的な形で終わった「恋はDeepに」だが、なぜこういうドラマになったのだろうかとラストシーンを見ながら考えてしまった。

ひょっとしたら、出発点は「ネガティブな要素がないラブストーリー」だったんじゃないだろうか。

まず、メインの登場人物に悪人がいない。光太郎もビジネスに忠実なだけで、悪人ではない。ドラマの中のネガティブな要素はマスコミや外資などが担っていたが、本筋とはあまり絡まなかった。



主人公の男女二人がすぐにくっついてしまっては10話のラブストーリーが保たない。

でも、難病とか家の事情みたいな重めの要素は出したくない。恋のライバルもこのキャスティングでは出しにくい(そんなに魅力的なキャストをもう一人入れられない)。結ばれてしまってからついたり離れたりするようなストーリーも生々しいから避けたい。

優しい二人の思いは通じ合っているのに、なぜか一緒になれない。

二人のキスシーンは見せたい。何か都合の良い設定はないだろうか……そうだ、「人魚姫」だ! 

という企画会議があったんじゃないだろうか(※すべて筆者の妄想です)。



その結果、人魚っぽいヒロイン(結局、正体については説明されなかった)と人間の男性が思いを通じ合わせ、なぜかあまり悩まないまま別れてしまうという、ふんわりしすぎたストーリーになってしまった。

脚本を担当した徳尾浩司の過去作「私の家政婦ナギサさん」のように、最近は視聴者がイライラするような悪者や暗い気持ちになるようなネガティブな要素をドラマの中に入れないのがトレンドだ。

だからといってそれにこだわりすぎると、こうなるんだなぁ……と思ってしまった次第である。

→「恋はdeepに」最終回までのレビューはこちら

(文:大山くまお)
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