俳優・映画人コラム

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2021年06月28日

細田佳央太の恐ろしい演技力:「ドラゴン桜」いよいよ最終回

細田佳央太の恐ろしい演技力:「ドラゴン桜」いよいよ最終回


「ドラゴン桜」より ©TBS

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2021年春ドラマ「ドラゴン桜」で、東大専科の生徒のひとり(メインキャスト)である原健太役を熱演している細田佳央太。

映画『町田くんの世界』において、1000人以上が臨んだオーディションから見事選ばれ主役を務め、出演するドラマ・映画ともに話題作ばかり。

ドラマ「先に生まれただけの僕」「家政夫のミタゾノ」などを経て、映画では先述の『町田くんの世界』主演をはじめ、話題を呼んだ『花束みたいな恋をした』にも出演。わずかなシーンながらも存在感を発揮した。

2021年は映画『青葉家のテーブル』『子供はわかってあげない』など待機作あり。期待値が高まっている細田佳央太の魅力について語りたい。

細田佳央太の魅力は「全身全霊のフィジカルな表現」

映画『町田くんの世界』とドラマ「ドラゴン桜」の2作に注目し、細田佳央太の魅力のひとつである”フィジカルな表現”について解説する。フィジカルとは肉体的、身体的を意味する言葉。そう、身体を使って役を表す演技が絶妙に上手いのだ。


映画「町田くんの世界」より © 安藤ゆき/集英社 © 2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

細田佳央太が注目されるきっかけとなった映画『町田くんの世界』は、安藤ゆきによる漫画を原作とした実写映画。人間が好きで、むしろ動物であれば誰彼かまわず持ち前の優しさを発揮してしまう主人公・町田くんを演じている。特徴的なのは、その”走り方”だ。

たとえば、ヒロインである猪原奈々に会いに行こうと急ぐシーン。バタバタと手足を大きく動かし、なんとか全速力で目的地へ辿り着こうとするのだが、あまり速度は出ない。町田くんのひたむきな一生懸命さ、あまり運動神経は良くないパーソナリティが感じられる場面だ。原作を忠実に再現したそのシーンを、細田佳央太はまさに全身で表現している。

運動も勉強も苦手、取り柄はずば抜けた優しさと思いやり。町田くんという人物像を捉えるにあたり、細田佳央太は「だいぶ苦労した」とインタビューで語っていた。確かにどんな相手でも分け隔てなく愛を与えるコミュニケーションは、現実感がない。石井監督の助言「町田くんは人類みんな家族だと思ってる、それは神様と一緒だ」をとっかかりに、少しずつ町田くんという人物を捉えていった。フィジカルな表現も、その過程で出てきたものだろう。

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