「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第1話レビュー:「どの命か重要かなんて俺たちに決める権利はないですよね」ヒーロー鈴木亮平とツンデレ賀来賢人が熱い(※ストーリーネタバレあり)
→「TOKYO MER〜走る救急救命室〜」画像ギャラリーへ
2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結している。
「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第1話レビュー
冒頭、92年のアメリカ。何かしらの事故か事件があったと思われる場所で、日本語で助けを求めている少年。だが誰も来てくれず、少年が握っていた手(おそらく彼の親?)は力なく落ちてしまう。
時が変わり、職場と思しき場所で懸垂している喜多見(鈴木亮平)。ややあきれた顔で急かすのは弦巻(中条あやみ)。どうやらこれから彼らが所属する救命救急チーム”TOKYO MER”のお披露目らしい。
メンバーは7人。チーフドクターの喜多見幸太(鈴木亮平)、研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、看護師・蔵前夏梅(菜々緒)とベトナム人看護師・ホアン・ラン・ミン(フォンチー)、麻酔科医・冬木治朗(小手伸也)、臨床工学技士・徳丸元一(佐野勇斗)。そして、厚生労働省の官僚であり医師の音羽尚(賀来賢人)。
このチームを発案したのは、都知事の赤塚梓(石田ゆり子)。このチームの目標は死者を一人も出さないことだという。災害現場で死者を一人も出さないというのは、さすがに難しい気もするが……。
このお披露目を見て面白くなさそうに「都知事のパフォーマンスだ」と言う久我山厚生労働省医政局長(鶴見辰吾)。彼とその上にいる厚生労働省大臣白金(渡辺真起子)は赤塚のことをよく思っておらず、MERを潰して彼女を失脚させたいらしい。
またその傍らにいるのは、彼らの部下で、MERのメンバーでもある音羽(賀来賢人)だ。官僚でありながら医師でもある音羽は彼らのスパイとしてMERに送り込まれたらしい。今後のカギを握る人物になりそうだ。
どうやらこのドラマ、単なる医療ものではなく、政治が色濃く絡んでくるものになりそうだ。現時点ではこのチームの存在を面白く思わない者が大多数で、発足したばかりにもかかわらず、常に存続の危機にさらされている状況。患者を助けられるかやメンバーの安全とは違うところでもハラハラさせられそうだ。
ところで白金のモデルは田中真紀子なのだろうか? 雰囲気が似ている。
お披露目の最中に出動要請が入る。トラックとバスが衝突したらしい。喜多見は現場に向かう車の中でメンバーにテキパキと指示を出す。バスに乗り込み、一人一人に声をかけ、状態を見てトリアージしていく。心停止してしまった女の子を救い、次に腹腔内で出血している女性に処置をする。心停止していたり意識がない相手にも、名前を絶えず呼び掛けているのが印象的だった。
レスキュー隊の隊長・千寿(要潤)は勝手なことをするなと抗議する。だが喜多見は待っていたら命が助からないと軽くかわしながら進めていく。真っ向から対立するのではなく、笑顔でやんわり返すのが彼のスタイルのようだ。
喜多見が次に向かったのは、トラックの車両に挟まれた運転手のところ。頭にダメージを負っており、レスキュー隊が助け出すのを待っていては助からなさそうだ。
壮絶な現場に気後れし、危険な場所でやや強引に治療を進める喜多見に若干引いていた弦巻。この場で手術を始めるという喜多見に猛抗議する。本来はこんな場所で手術をするべきではない。さらにこの事故の原因はトラック運転手の居眠り運転だという情報が入ってきており、バスに残っている人たちより居眠りした人を優先するのはおかしいというのが弦巻の主張だ。
だが喜多見はこう答える。
「どの命か重要かなんて俺たちに決める権利はないですよね」
彼は医師として、命の危険が迫っている順に処置をしているだけなのだ。
困難を極める治療の中、助っ人に入ったのは音羽だった。手際よく処置を進め、運転手は一命を取り留める。ほっとしたような嬉しそうな顔をする音羽。ずっと冷たい態度だし、実際MERを潰すために送り込まれたスパイなのだが、医師として患者を助けたいという気持ちはある人なのかもしれない。
喜多見は音羽に握手を求めるが「不必要な接触は避けましょう」とつれない反応をされる。笑顔やゆるい感じ一切なしの賀来賢人、ちょっと新鮮……。
赤塚のもとを訪れる喜多見。厚労省との仲を聞かれ、すごい顔で「無茶苦茶仲良いわよ」と答える赤塚、かわいい。どう見ても仲が悪い。この地位ながらキュートさを出せるのは石田ゆり子ならではかもしれない。
赤塚の「気をつけてね、あのことバレたら終わりよ」という言葉が気にかかる。過去に何があったというのだろう。
MERの初回出動・そこでの喜多見の行動は、厚労省で問題視され、審議にかけられることになる。
そもそも医師が危険な現場に入るのはどうなのか、レスキュー隊は邪魔をされたと主張している、強引な喜多見のやり方には問題がある、バスの乗客より加害者のトラック運転手の救助を優先したことに批判が集まっている……などなど、否定的な意見ばかりだ。
問題点はあれど死者は0人、MERが出動しなければおそらく助からなかった人もいたのに、ここまで叩かれるものなのか。
喜多見はMERメンバーを自宅に呼び、妹・涼香(佐藤栞里)とともにもてなす。呼ばれたが行っていない弦巻・音羽以外のメンバーは、MERへの参加に肯定的で、喜多見のこともそれなりに信頼しているようだ。職場でお互い「行ったらどうですか?」と言い合う弦巻・音羽。
弦巻は、研修医の身でMERに配属されたことが不服だった。MERを潰すために動く音羽は、そんな彼女の心情を読み取り、相談に乗る体で自分の側に引き入れようとする。うわ、やなやつ~! 話を聞いてくれる人がいて安心した弦巻は、「喜多見先生の行動に問題があると証言してください」と頼まれ引き受けてしまう。
これからMERの今後について審議するという直前、先日の事故で救ったトラック運転手の娘、と名乗る人物がお礼を言いに来る。事故の原因は居眠り運転ではなく飛び出してきた地元の子供を避けたからだったと知るメンバー。当時の喜多見の言葉が蘇り、弦巻は心が揺れる。
審議の直前、喜多見はとあるニュースを見て事故現場に行ってしまった。残ったメンバーと赤塚は次々に非難を浴び、MERは窮地に追い込まれる。
先ほど事実を知った弦巻は、喜多見の行動に問題があるか? と聞かれて「わかりません」と答える。赤塚は、喜多見の過去について語りだす。アメリカでの銃乱射事件で両親を亡くし「待っているのではなく現場に行ける医師になりたい」という喜多見自体がMERの理念そのものであり、他の人ではだめなのだと訴える。
もう万事休すかと思ったタイミングで喜多見が向かった現場から出動要請が入り、MERとレスキュー隊は現場に。
3人残され白金・久我山に「楽しい政治の綱引きは延期にしましょうか」と微笑む赤塚。実は強かなかんじ、とてもいい~。「どうせすぐに気がつくわよ、自分たちは無力だって」と吐き捨てるように言う白金。
現場で崩落に巻き込まれていた喜多見は、周りの人を助けつつも負傷者の多さと自分が一人ということから子供の頃の事件を思い出し、一瞬固まってしまう。そこへ「何ボーっとしてるんですか!」とMERのメンバーが駆け付けた。
全員救助して一安心というところ、別の棟が爆発する。現場には、他に被害者がいないか確認に行ったレスキュー隊員がおり、連絡が取れないという。
レスキュー隊も動けない中一人行こうとする喜多見に「綺麗事ばかり言わないでください」「理想だけ追ってられたらいいですよね」と珍しく感情的になる音羽。彼は過去に喜多見のように理想を追おうとしたが、それは難しいと思い知った経験があるのかもしれない。音羽がどのような経験を経て今に至るのか気になる。
それでも喜多見は「俺は諦めたくない」と言い、一人現場に走っていく。
現場ではボルトが足を貫通した隊員が倒れていた。爆発の原因になったガスは漏れ続けていて危険だ。まず処置をしてからボルトを抜いて救出するという喜多見に「自分たちは常に覚悟ができています」「自分はもういいですから!早く!」という隊員。
だが喜多見は諦めない。笑顔で「家族は?」「指輪、ご結婚されてるんですよね」「娘さん、会いたいでしょう」「会えますよ」と娘の話になり涙する隊員を励まし、処置を続ける。だがどんどん充満していくガスによって目がかすみ、意識を失いそうになる。
倒れそうになったその時、後ろから彼を支える人物が。
なんと、助けにきたのは音羽だった。間一髪で喜多見を助けた音羽は処置の続きをし、二人でボルトを引き抜いた。二人で隊員の両脇を支え、逃げている最中に背後で爆発。ボロボロになりながらも、ギリギリ助かる二人。
隊員を救急隊に預け、酸素を吸う喜多見と音羽。二人とも、結構ガス吸ってるのにそれだけで大丈夫なのだろうか? 超人か?
っていうか音羽、いいやつじゃん……クールぶってるのにいざとなったら助けてくれちゃうとかサスケみたいじゃん(伝わるだろうか)。
その後も喜多見に危ない行動はどうかと思うとか言いながら自分もボロボロだし、やっぱり握手は拒否するし。やなやつかと思ったけどツンデレでかわいい。でも依然としてMERを潰せと言われているし、官僚としての自分と医師としての自分の間で葛藤しそうだな……。
初回から熱い展開に心躍った! 今後の展開や活躍が楽しみな一方、数々の謎が今後どう明かされていくのかも気になる。喜多見と赤塚が話していた「あのこと」とは何なのか、音羽の過去、弦巻の指導医である高輪(仲里依紗)と喜多見の過去などなど……。次回を心して待ちたい。
「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第1話ストーリー
事故・災害・事件の現場へと駆けつけて、患者を救命するために発足した“TOKYO MER”。
救命救急チーム”TOKYO MER”のメンバーは、7人。チーフドクターの喜多見幸太(鈴木亮平)、研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、看護師・蔵前夏梅(菜々緒)とベトナム人看護師・ホアン・ラン・ミン(フォンチー)、麻酔科医・冬木治朗(小手伸也)、臨床工学技士・徳丸元一(佐野勇斗)。そして、厚生労働省の官僚であり医師の音羽尚(賀来賢人)。その誰もが救命医療のスペシャリストたちだ。
発足記念式典の最中、バス事故で重篤患者が出ているとの通報を受けて、チームは現場へと急行する。そこには、何人もの命の危機に瀕した患者が待ち受けていた! 複数の患者を危険極まりない事故現場でオペをするという前代未聞のミッションに挑む。
そして、医師の常識を超越した喜多見の救命行為は、厚生労働省で問題視されてしまう。
発足早々に解散の危機を迎るTOKYO MERに、工場爆発というさらなる試練が待ち受けていた…!喜多見とメンバーに難しい決断が迫られる!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
© TBS