「ただ離婚してないだけ」第9話レビュー:綻びがさらに危機を呼ぶ…!生々しさを増幅させる深水元基の役者魂も必見(※ストーリーネタバレあり)
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Kis-My-Ft2の北山宏光が主演をつとめるドラマ「ただ離婚してないだけ」が、2021年7月7日に放映スタートした。
本田優貴による人気コミックを原作としたこのドラマは、夫の不倫をきっかけに巻き起こる、いつ自分の身に起こっても不思議ではない戦慄の展開で話題沸騰の、未だかつてない不倫サスペンス作品。
本記事ではその第9話をcinemas PLUSドラマライターが紐解いていく。
「ただ離婚してないだけ」第9話レビュー
雪映(中村ゆり)が扇風機で佐野(深水元基)を殴った、その決して小さくはなかっただろう物音を、本を落としたことにしてごまかした雪映。菜穂(西川可奈子)が姉の言葉をすんなり受け入れたことに安堵し、同時に何でもない風を装える雪映への恐怖が募る。今、人を殴ったんだよ…? この人、本気でヤバイ。
この家に誰かがいるかもという可能性は捨ててくれた菜穂だったが、今度は異臭を指摘する。それはそうだろう。なんといっても、萌(萩原みのり)の遺体を庭に埋めてからもう約90日が経っている。しかも、季節は夏だ。「萌に侵食されておかしくなった」という正隆(北山宏光)のナレーションが入ったが、あなた(たち)に人生を大きく狂わされたのはむしろ萌のほうだ。その発言は撤回してほしい。
扇風機で殴られた佐野を手当てしている正隆。救急箱の中身をぶちまけてしまい、気付かないうちに佐野にピンセットを奪われてしまう。これまでもそうだったが、隙がありすぎて綻びだらけだ。そして何より佐野にまだそんな気力が残っていたことに驚いた。
創甫(北川拓実)から話を聞き、萌の行方を追うことになった刑事・池崎(甲本雅裕)は、萌の働いていたガールズバーを訪れ、仁科(杉本哲太)と顔を合わせる。脇に控える薮(山口祥行)も含めて、なんとも怖い絵面だった(褒めてる)。
正隆に関わった人間が2人も消えていることが発覚し、ともに正隆を調べようとする。罪を隠すためにさらに罪を重ねた結果、警察とヤクザの両方から目を付けられることになるとは。
それにしても、藪の怒声にもビビらず、正隆について教えろと言った仁科に「高いよ?」と言えるほのか(大原優乃)がやっぱり1番強いかも(ちなみに筆者は藪が投げ飛ばした灰皿の音に本気でビビりました…このドラマ、音量が難しい)。
近所の人が異臭のクレームを入れたことで、正隆の家を市役所の職員が訪ねてくる。異臭の原因を突き止めるためとはいえ、家の中に踏み込んでクンクン嗅ぐ…市役所の人ってこんなことまでするのか。後ろめたいことがなかったら、怒る人も多そうだ。
ちなみに、庭には大量のゴミを仕込んでおいたらしく、役所の調査はなんとか難を逃れたが、もう時間はない。遺体を遠くへ埋めに行く計画を立てる。でも、今は佐野から目を離さないほうがいいよ…。
案の定、正隆と雪映が庭を掘り返している間に、ピンセットで拘束を解くことに成功した佐野。よれよれのタンクトップにオムツ姿のまま立ち上がると、改めてその細さが際立つ。深水元基の役者魂というか、この役に挑む心意気みたいなものが胸に迫るし、生々しくも非現実的な作品に、現実感を与える役目を果たしていた。
佐野は2人の行動を窓から覗き見し、2人が萌を殺していたことを知る。普通だったら、こんな奴らの家にはもう1秒だっていたくないだろう。だが、佐野は棚に置かれた正隆のカメラを使って萌の遺体を運ぶ過程を写真に収めていた。まだ目にそんなに強い光を宿らせることができたなんて。この状況に置かれて、むしろ生気を取り戻す佐野もまた十分にヤバイ奴だった。
大雨の中、何とか萌の遺体を遺棄した正隆と雪映。最後の確認をする正隆は、そこで萌の幻覚を見る。白いワンピースに身を包んだ萌は、悲しげな表情ではあったが一緒にいた頃の天真爛漫さを彷彿させる。そうだ、萌はたしかにずっといい子だったのだ。そんな場面を見た後で、「行くよ」と正隆の手を掴む雪映のほうが、地獄へ手招きをしているように見えてしまった。
いよいよ正隆の家が仁科たちにバレ、さらには池崎が創甫を伴って家に訪問してきた。佐野も決定的な証拠を持って逃げ出すタイミングを見計らっているだろう。絶体絶命の中、正隆と雪映が次にとる行動に注目したい。
「ただ離婚してないだけ」第9話ストーリー
正隆(北山宏光)と雪映(中村ゆり)の元にやって来た雪映の妹・菜穂(西川可奈子)。不審な物音に気付き、佐野(深水元基)を監禁している部屋に入ろうとするが、その時見た光景とは…!?
また「近所で異臭騒ぎになっている」と、市役所の男が訪ねて来る。庭に埋めてある萌(萩原みのり)の死体が原因だった。
焦った2人は萌の死体を別の場所に移すことにするが…!?
一方、萌の弟・創甫(北川拓実)は刑事の池崎(甲本雅裕)と共に萌の行方を追っていた。
(文:あまのさき)
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