【夏の終わりに観たい映画】『座頭市』と2003年夏、映画業界で過ごした思い出
夏が終わったと思ったら……。
そして“嬉しい悲鳴”であふれた2003年の夏は終わりました…と思っていたところで9月6日『座頭市』が公開されました。
平日はさすがに落ち着きましたが、土日となると混雑状況は変わらず、しかも『踊る大捜査線THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ!』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』は堅調、まだまだいっぱいいっぱいの中で『座頭市』です。
これがまた、大入りでした。
川崎という土地柄、ファミリー層と中高年層の作品は特に強さを発揮するのですが、『座頭市』はこれが見事にはまりました。
ちょうど、かつて映画館で”勝新の座頭市”を見ていた層が「おお!ビートたけしで座頭市か!?」という思いになって久しぶりに映画館に足を運ぶという形が増え、それまでの『マトリックス・リローデッド』、『ターミネーター3』、『踊る大捜査線THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ!』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』とは全く違った客層がまさかの晩夏にどっと増えました。
結果として2003年の夏は『座頭市』の登場で9月に入っても終わることはなく、“混みすぎて混みすぎて大変”という嬉しい悲鳴は続くことになりました。
気が付けば秋になっていましたが、気分は夏休み興行の感覚が続いたまま…。
結局この年は『座頭市』の後も『トゥームレイダー2』や『キル・ビルVol1』、『バッドボーイズ2バッド』、そして『マトリックス・レボリューションズ』に『ラスト・サムライ』、『ファインディング・ニモ』と続き最後まで混み続け、息つく間もないまま終わり、2004年に突入していきました。
これが、私が映画業界に入っての最初の夏の出来事でした。
そんなこともあって、私の”夏の終わりに観たい映画”=夏の終わりを感じる映画は北野武監督の『座頭市』となるわけです。
(文:村松健太郎)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)2003「座頭市」製作委員会