「鬼滅の刃」 炭治郎と彼を取り巻く人たちとの関係性:「長男力」がポイント?
この世の理不尽を叩きつける【炭治郎×冨岡義勇】
家族が鬼に惨殺され、生き残った妹を背負って山を下りていたら突然の鬼化、パニックの中、鬼化した妹をどうにか正気に戻そうと奮闘していたのに突然斬りかかられ、助けてくれと土下座をしたら「生殺与奪の権を人に握らせるな!」と怒られる。炭治郎にとって冨岡義勇とはなんだったのか。
正しい、冨岡さんは正しいのだ。炭治郎が「助けてくれ」と頭を下げたところで鬼に通用しない。弱かったら喰われて終わる。妹を助けたければ強くなれ――と鬼殺隊への道しるべを立ててくれた。
冨岡は人の話に聞く耳も持っていたし、潜在能力を見抜く力を持っていた。運もあるが、炭治郎はギリギリの状況ながら、冨岡に認めさせるための行動を取ることができた。冨岡は冷徹に見えても、話し合いの余地もあった。他の柱なら、耳を貸さなかった可能性は大いにある。その「余地」があったのは冨岡自身が鬼殺隊に入った理由にも紐づきそうだ。
冨岡は姉を鬼に殺されている。その後、鬼殺隊に入るための道を歩み始めることになった。無意識のうちに、炭治郎と自分の境遇を重ねた部分があったのか。
炭治郎を鬼殺の道に進ませたことによって、炭治郎にとっては強い縁ができた人物だ。現段階では、炭治郎にとって冨岡は「危険な場面で助けてくれる人物」だが、その関係が少しずつ変わっていくことになる。ただ、それはもう少し先の話だ。
それにしても、冨岡の過去の話については「大正コソコソ話」で済ませていいものでもない気がするが……。
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(C)吾峠呼世晴/集英社©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable