「じゃない方の彼女」第3話レビュー:山下美月演じる怜子は、本当にあざといのか?(※ストーリーネタバレあり)

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濱田岳が主演するドラマ「じゃない方の彼女」が、2021年10月11日(月)放送スタートした。

企画、原作を秋元康が手掛ける本作は、どこにでもいる普通の人生を送ってきた"じゃない方"の男性が天然魔性な女性に翻弄されていく新感覚の不倫コメディ。道ならぬ恋にハマっていく大学教授・小谷雅也を濱田岳が、図らずとも男性を虜にする魅力を持つ女子大生・野々山怜子を山下美月(乃木坂46)が演じる。

本記事では、その第3話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

「じゃない方の彼女」第3話レビュー

第3話を見終わった筆者は、混乱している。大前提が崩れてしまったと感じたからだ。

羽目を外しすぎた雅也(濱田岳)が目を覚ますと、隣に怜子(山下美月)が寝ていた。これにより、やったのか? やってないのか? 問題が勃発。しかし、物語が進むにつれて徐々に浮かび上がってきたのは、怜子、本当にあざといのか? あざとくないのか? もっと言うと、雅也を自身のあざとさでからかっているだけなのか? 違うのか? という問題だった。

真相は分からぬまま、雅也は「きっと俺はしてない…」と独り言をつぶやき家路を急ぐ。怜子に言われた通り、学校でテストの採点をしていたら寝てしまった、と嘘をつく雅也。「大変だったね」と笑顔でねぎらってくれる妻・麗(小西真奈美)は優しいようでいて、怖い。腹の中に何か抱えているのでは…?

余談だが、雅也たちの住む家が「ただ離婚してないだけ」の柿野邸と同じだった。なにか不吉なことが起こらないといいんだけど(笑)。

自分のしでかしたことを人の話として、先輩の片桐(山崎樹範)や母・弘子(YOU)に相談する雅也。
せっかくやったのに覚えていないなんて最悪だ、という片桐は置いておいて、弘子の発言が印象的だった。曰く、「女は常に10%冷静」だから、そんな状況でも洋服を畳んだり掛けたりするという。
でも、怜子の部屋には衣類が散らばっていたような…。雅也の体験談だと気付いているだろう弘子、去り際に「結構手ごわいわよ」という言葉を残していった。この時点では、“あざとい”から手ごわいのだと思っていたのだが。

大学で怜子と顔を合わせた雅也は、怜子に謝罪する。「誕生日を過ごせてうれしかった」と健気に言う怜子に対し、「大人なんだから一線を引きましょう」と譲らない。

不倫は、もちろんダメだ。相手が既婚者だと分かっていて必要以上に距離を縮めようとすることも。それなのに、教室に1人にされる切なげな怜子に心が痛んだ。切なげ…? ここで、あれ、この人、もしかして本気なのか…?? という疑問が色濃くなっていき、筆者は混乱しはじめる。

突き放されたのに、雅也の講義に出席する怜子。雅也を笑顔で見つめるも、反応なし。
講義が終わる頃には、すでに怜子の姿はなくなっていた。教員室の前でも「やっと諦めたか」なんて言いながら、筆者には怜子の姿を探しているように見えた。ふとデスクを見ると、雅也愛飲の缶コーヒーに、講義の感想を記したメモが添えられていた。送り主は怜子。

雅也は思い詰めた様子で、怜子のもとへやって来る。ラブストーリーなら、ここでハグでもするんだろう。
でも、そんな甘い展開にはならない。
最初のうちこそ、「節度ある関係に戻ろうって言ったよね」「深い意味はなくても困るんだよ」とわりと冷静な対応をしていた雅也だったが、怜子に「先生のことが好きだから」と言われて状況が変わる。

「君は別に僕のことなんか好きじゃない」
「からかって遊んでるだけ」
「そんな風に僕のことを思ってくれる人なんていないんだよ。それはずっと前から知ってるの」

雅也は大学教諭で、怜子は学生。雅也は既婚者で、そして2人には10の年の差がある。
だけどこの言葉は、今まで雅也が“じゃない方”で生きてきたから出てきたんじゃないか。自分は選ばれる側“じゃない方”の人間だとどこかで思ってしまっていたからこそ、怜子からの好意を否定することしかできなかった。

「じゃあ、もう言いません」と怜子。これが合図のように、怜子は言葉ではなく、キスという行動で自分の気持ちを伝える。ここまでくると、からかっているようにはとても思えない。
そして、これまで持ち前のあざとさで、人を掌で転がしているように見えていた怜子の輪郭がぼやける。もしかして、ただ純粋に好意を示そうとしていただけ…?

不倫コメディと言いつつ、ちょっとしっとりした展開に。果たして、怜子はあざといのか? あざとくないのか?
これは最後まで見守るしかなさそうだ。

「じゃない方の彼女」第3話ストーリー

雅也(濱田岳)は怜子(山下美月)の20歳の誕生日を一緒にお祝いしたが…気が付くと見知らぬベッドの上だった。横には怜子の姿が…。昨夜の出来事が思い出せない雅也は、二人に関係があったのか?なかったのか?思い悩む。そんな状況に怜子とはきっぱり一線を引こうと決めた雅也。そんな中、妻・麗(小西真奈美)からは「なにかやましい事あるんじゃないの?」と言われてしまい…。さらに、怜子からも思わぬ言葉が!運命の恋が新たなピンチを迎える!?

(文:あまのさき)

–{「じゃない方の彼女」作品情報}–

「じゃない方の彼女」作品情報

イントロダクション

特別目立つことのない人生を送ってきた、いわゆる「じゃない方」男性の大学准教授の小谷雅也(濱田岳)。美人妻と子供に囲まれた何不自由ない日々を過ごすが…ある日を境に雅也が務める大学に通う女性・野々山怜子との偶然の出会いが連続し、互いに気になる存在に。「偶然が3回、続くと、奇跡が起きるらしいですよ。」そう言い距離を縮めてくる怜子に雅也は距離を置こうとするが、天然魔性な怜子の言動につい心惹かれてしまい、道ならぬ恋の沼にどんどん落ちていく…。

番組概要

放送日時
10月11日(月)スタート 毎週月曜よる11:06~放送

放送局
テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送

出演
濱田岳/山下美月(乃木坂46)/山崎樹範/東野絢香/豊田裕大/宝辺花帆美/YOU/小西真奈美

企画・原作
秋元康

監督
三木康一郎 根本和政 岸川正史

脚本
服部隆 モラル 青塚美穂

音楽
小山絵里奈

主題歌(OPテーマ)
Thinking Dogs「エキストラ」(Sony Music Labels Inc.)

チーフプロデューサー
阿部真士

プロデューサー
中川順平 木下真梨子 森田昇 清家優輝(ファイン)  岸川正史(ファイン)

制作
テレビ東京 ファインエンターテイメント

製作・著作
「じゃない方の彼女」製作委員会

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