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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」解説:ヴァイオレットの成長7つのターニングポイント
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」解説:ヴァイオレットの成長7つのターニングポイント
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「お客さまがお望みなら、どこへでも駆けつけます。
自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」
この挨拶とともにまるで人形のような美しい少女が手紙の代筆にきてくれたら、私はどんな愛の言葉を紡いでもらうだろう……。TVアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観るたびに私は、自分の過去を振り返り、誰宛ての手紙を書いてもらうか想像します。
と同時に、ヴァイオレットが知りたいと願う「愛してる」の答えとなるような生き方をしてきただろうかと、少し背筋が伸びるような気持ちにもなります。なぜなら彼女は、手紙の代筆を通してさまざまな「愛」に触れながら、自身を成長させていくからです。
※テレビアニメのネタバレを含んでいます。10月29日(金)放送の金曜ロードショーをはじめこれから視聴を予定している人は、視聴後にご覧ください。
自分の意志で選択する
ヴァイオレットがはじめて成長を見せたのは、「自動手記人形の仕事がしたい」と名乗り出た瞬間でしょう。
彼女が志した自動手記人形、通称ドールは、手紙の代筆をする仕事です。人に想いを届ける手段である手紙をかわりに書くという仕事の特性上、人の気持ちをくみ取る力が求められます。しかしその頃の彼女は、人の感情を理解できない、まるでロボットのような人間でした。
彼女がこうなったのには、少女兵だった過去が影響しています。彼女は感情を育むなんて価値観が通用しない戦場で、武器として使われていました。その感情のなさは「心を持たない、ただの道具」という揶揄が皮肉にならないほどのもの。
そんな彼女がどう考えても不向きなこの仕事を志したきっかけは、唯一心から慕っていたギルベルト少佐から、離ればなれになる直前に告げられた「愛してる」の一言にあります。
彼女にとってギルベルトの命令は、生きる意味そのもの。にもかかわらず、すぐにでも命令がほしい窮地で彼から告げられたのは、意味のわからないその言葉でした。
命令に依存していたといっても過言ではないヴァイオレット。そんな彼女が、「大切な人が伝えたかったことを知りたい」という一心で人々の「愛してる」を紡ぐ仕事を選んだことは、間違いなく成長への第一歩だったと言えるでしょう。
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©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会