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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」解説:ヴァイオレットの成長7つのターニングポイント
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」解説:ヴァイオレットの成長7つのターニングポイント
自分の想いを言葉にする
たくさんの「本当に伝えたい心」を手紙を通して届けてきたヴァイオレット。しかし戦争のすべての火種が消えて本当に平和が訪れた世の中になっても、彼女はギルベルトへの手紙だけは綴れずにいました。
手紙を代筆するなかで知った「勇気がいる」「不安をかきたてる」「寂しさを深くする」「生きる意味を見失う」といった「愛してる」に伴う痛みが、自分の想いを言葉にする障壁となっていたのだと思います。
しかし同時に彼女は手紙の代筆を通して、「届かなくていい手紙(想い)はない」ことも知りました。たとえそこに届けたい相手がいなくても、愛してると言葉にすることがどれだけ人の心を救うのかを見てきています。
必ずしも美しい言葉でなくてもいい。長くなくたっていい。自分のありのままの言葉で手紙を書くことこそが、その人が生きた証になる――。
「心を持たない、ただの道具」と呼ばれたヴァイオレットの「愛してる」がつまった手紙は、まぎれもなく彼女の成長の集大成だと言えるでしょう。
ヴァイオレットの一番の成長は……
「愛してるも、少しはわかるのです」
ヴァイオレットは、ギルベルトへ宛てたはじめての手紙をこう締めくくります。
感情を知らないまっさらな状態だった彼女は、出会った人の数だけ存在する「愛してる」をまっすぐ受け止めてきました。そしてこれから先の人生で出会う人たちのなかにも、自分が知らない「愛してる」があることを知っています。
「少しはわかる」という言葉は、これからも自動手記人形としてたくさんの「愛」を知っていきたい彼女の意欲そのものだと言えるでしょう。
かつては武器として生きた少女が、人の想いを紡ぐ仕事とまだまだまっさらな部分がある自分を信じ、愛せるようになった。
彼女の「愛してる」が自分自身にも向けられるようになったことが、なによりもうれしいのです。
(文:クリス)
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©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会