工藤遥の奇跡:作品ごとに見せるNew Faceを探求する
子どもの頃からの夢を叶えた「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」
© tv asahi彼女が演じた早見初美花は同じように元気な女の子だが、かわいらしいところもあったため、役作りとしてモーニング娘。のメンバーをイメージしたという。ヒーローなんだけど怪盗側で完全な正義の味方ではないところも、大切な人を取り戻すために戦っているところも、アクションが微妙にテクニカルでひとくせあるところも、とてもよかった。共演したルパンレンジャー・パトレンジャーの面々ととても仲良くなって、共学校みたいに楽しそうにしているところもよかった。
2年連続で主演した「魔法使いの嫁」舞台
© 2020 ヤマザキコレ/マッグガーデン・舞台「魔法使いの嫁」製作委員会
2年連続で舞台「魔法使いの嫁」で主役・羽鳥チセを演じた。やはり工藤遥さん×二次元の相性、いい……! はじめに役柄の写真が出たとき、このすべてを諦めたかのような表情、たまらん……! と思ったものだ。赤毛と緑カラコンも似合っていた。リリウムでいうところのファルス的なキャラクターに対抗するようなエピソードもあって、静かな強さを持っているチセに胸が熱くなった。
主演映画『のぼる小寺さん』で見せたひたむきさ
©2020「のぼる小寺さん」製作委員会 (C)珈琲/講談社2020年に公開された漫画原作の『のぼる小寺さん』では初の主演に抜擢。伊藤健太郎、吉川愛、小野花梨など、それぞれ主演を張れるような豪華な俳優たちが共演した。はじめ出演者を聞いた際、こんな演技の上手い方々の中で主役を張るのか、プレッシャーすごそう……! と思った。
だが実際作品を観ると、これは彼女だからできた役だなと思った。超マイペースな小寺さんは、どちらかというとてきぱきした工藤遥さんとは違うタイプかなと思ったが、目標にひたすら向かっていくひたむきさを観て、どんなに立ち位置が端っこでも手を抜かずに全力でパフォーマンスしていた彼女の姿を思い出した。コロナ真っ只中じゃなければ10回くらい劇場で観たかった。
さまざまな役を演じた2020~2021年
© TV TOKYO © BS TV TOKYO主演以外の役柄もバラエティーに富んでいた。映画「461個のおべんとう」ではロン毛のギャルっぽい女子高生、映画「大コメ騒動」では私塾の先生役、映画「樹海村」では怪現象に巻き込まれる妊婦、ドラマ「来世ではちゃんとします」ではぶりっ子バツイチシングルマザー、配信ドラマ「ようこそ東映殺映所へ」ではウルフカットにタバコ(!)の売れないアイドル、ドラマ「東京放置食堂」ではわけあり女子高生、伊藤健太郎の復帰舞台「SOULFUL SOUL」では主人公の彼女でそろそろ結婚したい看護師の女性を演じており、さまざまな役柄で楽しませてくれた。
演技以外の活動も。新しい顔を見せ続けてくれる人
卒業後、2018年はまるまる「ルパパト」で埋まっていたものの、女優の活動と並行して演技以外の活動も行った。2019年の二十歳の誕生日にはバスツアーを行い、カウントダウンも初めてのカウントダウンもファンと行った(ご家族とかと迎えなくて良かったのか? 天使なのか?)。2020年には初めてのソロライブツアー「New Face!”」を開催した。じょ、女優になったのにソロツアーまでやってくれるとは。卒業後、歌わない期間が長いと歌唱力が落ちてしまうOGもいる中、工藤遥さんは何なら前以上に表現力が上がって歌がうまくなっている気がする。ファンへの感謝の気持ちを歌詞にしたというオリジナル曲も披露され、手書きの歌詞カードが印刷されたものが配られた。本当に素晴らしかったので、コロナの影響でいちばん参加人数が多い予定だった、東京公演が中止になってしまったのが残念だ。
最初の衣装がモーニング娘。時代のメンバーカラーだったオレンジ色を基調に七色のふわふわしたスカートで、ステージの上で歌って踊る姿が本当にかわいくて、「ああこの人は、全部叶えてくれるんだ」と思った。女優になったら歌って踊る姿は見られなくなると思っていたのに、女優としていろんな役を演じてくれるだけでなく、またこんな姿も見せてくれた。新しい姿を見せ続けてくれる奇跡なんだ。
今年2月にはハロプロOGが回替わりで参加するツアー「M-line Special 2021~Make a Wish!」に出演し、何と新曲「バイトガール」を披露。女優なのに! 新曲を出してくれるなんて! 最高か……。月1で行う配信「きょうやす(今日休みなんで、ちょっと喋ってみます。)」ではアコギにも挑戦し、弾き語りでさまざまな曲を歌っている。
先日行われた22歳を祝うバースデーイベントで、「ファンに聞きたいことはある?」という質問に「昔の(アイドルの)私と今の(女優の)私、どっちが好きですか?」と聞きたいと言った彼女。怖くて聞けないけど、と言っていたが、愚問すぎる。肩書きなんてどうでもよくて、いろんな顔を見せ続けてくれる最新の工藤遥さんが大好きに決まっている。
これからも、新しい顔を見せ続けてほしいし、見続けたい。
(文:ぐみ)
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