2021年10月31日

コールドスリープ的な装置に入った人を見ると、悲しい気持ちになってしまいます※ただし、鳳ツルギは除く

コールドスリープ的な装置に入った人を見ると、悲しい気持ちになってしまいます※ただし、鳳ツルギは除く

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

スーパー戦隊第45作目のアニバーサリー作品として始まった『機界戦隊ゼンカイジャー』。

“センタイギア”によって過去のスーパー戦隊の力を使えるということで、『海賊戦隊ゴーカイジャー』とはまた違ったお祭り作品になりそうだなぁなんて思っていました。

しかし、フタを開けてみれば、過去作品の関わりは「ゼンカイジャー」を際立たせるための一演出方法に抑え、愚直に、そしてド直球に面白いスーパー戦隊作品を毎週毎週放送していることに、驚きと喜びを隠せません。

無茶苦茶バカで、思わず頬が緩んでしまうことが多々ある「ゼンカイジャー」ですが、油断して笑って見てると、いきなりとんでもないハイクオリティの演出を見せられて、思わず息をのんで見てしまうことも少なくありません。

近いところでいうと、念願の五体合体を果たしたゼンリョクゼンカイオーの巨大戦。

実写では不可能な動きとアングルを、結構な長尺で見せてくれました。

挑戦の連続のスーパー戦隊で、スーパー戦隊らしい戦隊を徹底している「ゼンカイジャー」からすると当然の演出なのかもしれません。

これまでにもCGを使った巨大戦には驚いてきたんですが、2021年の最新の映像はそれらを凌駕しています。そしてそんな派手な映像を見ても、「ゼンカイジャー」が普段、バカに振り切っている影響からか、すごければすごいほど、それがふざけて見えてくるから不思議。

決して「すごいでしょ?」と見せつけてこない。

そのあたりが粋、お洒落にすら感じます。

驚いた映像をあげればキリがありませんが、第32カイ「怒るサカサマ!まさかサルかい?」に登場したサカサマワルドの巨大戦のときも、映画『インセプション』さながらの映像でしたし、マンガワルドの登場した第28カイ「週刊少年マンガワルド大図解!」の漫画の演出も秀逸。

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』での漫画版『仮面ライダークウガ』の演出を、さらに拡げて見せつけてくれました。


中学生の頃、『激走戦隊カーレンジャー』を見てた時の感覚と同じものを「ゼンカイジャー」でも感じるんですが、それが何かといいますと、作風がはっちゃければはっちゃけるほどギャップができて、シリアスなシーンがより際立つということです。

介人のお父さんとお母さんがトジテンドにさらわれていて、しかもコールドスリープにして囚われている悲劇を知ったときには、どれだけ振り幅ある作品やねんと思わずにはいられませんでした。

ちなみにの話なんですが、僕、コールドスリープ的な装置に入った人を見ると、たまらなく悲しい気持ちになってしまいます。

幼少期に見た『超新星フラッシュマン』の最終回で、フラッシュマン達が地球を離れるときに入っていたり、『時空戦士スピルバン』でワーラー帝国に襲われたスピルバンとダイアナの二人だけがグランナスカで逃げたときも入っていたり、『特命戦隊ゴーバスターズ』の陣マサトが亜空間で入っていたり、『仮面ライダーゴースト』では眼魔世界の人らが入ってたりと、大体悲しいんです。

悲しくなかったのは、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のホウオウソルジャー・鳳ツルギくらいです。

話が逸れました。

とにもかくにも、楽しすぎる「ゼンカイジャー」。

こんな「ゼンカイジャー」をさらに楽しく見る方法があって、それはファンの方は周知だとは思うんですが、意外と知らなかったという方がいましたので、あらためて「ゼンカイジャー」をいっそう楽しむ方法をご紹介させていただきます。

それは、東映のホームページを見るということです。

白倉伸一郎プロデューサーのウィットに富んだ文章から始まり、APの瀧島南美さんと松浦大悟さんが豊富な写真資料を添えて、そして裏話も交えて、放送回を振り返っています。

そこに書かれている情報はものすごい分量で、スーパー戦隊のみならず特撮ファンの心を確実にとらえる愛溢れまくりの文章は、お金を払った方がいい程の内容。

読んでいて驚いたことを少しだけあげさせていただくと、冒頭に書きましたゼンリョクゼンカイオーについて、当初の予定では五体合体は考えていなかったとのこと。

狙わずして、スーパーライブロボの過程を踏襲するすごみ。

裏話を知ると、思わず東映の撮影所に向かって手を合わせたくなります。

ぜひオンエア後にチェックして、さらなる『ゼンカイジャー』の沼にはまって参りましょう。

(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】

以前の記事はこちらから

【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典】も公開中!

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!