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2021年11月06日

「スナック キズツキ」第5話:徳永えりが体現するオトナ女子のリアル(※ストーリーネタバレあり)

「スナック キズツキ」第5話:徳永えりが体現するオトナ女子のリアル(※ストーリーネタバレあり)



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「僕の姉ちゃん」のドラマ化でも話題になった漫画家・益田ミリの人気漫画「スナック キズツキ」が連続ドラマ化!2021年10月7日より放送スタート。

原田知世が、傷ついた人がたどり着くちょっと変わったお店“スナックキズツキ”の店主トウコを演じる。「深夜にくすっと笑って、心が少しだけ軽くなるような、胸の奥がじんわり温かくなるような、これまでありそうでなかったユニークなドラマ」と原田が言うように、観た人の心をほっとさせてくれる物語だ。

本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「スナック キズツキ」第5話レビュー

大人になると、友達に「最近どう?」って聞くのが少し緊張する。学生時代までみんな横並びで走っていたのに、社会人になった瞬間、それぞれのペースで道を進むようになるからだ。

一生独身でいいと言っていたあの子が結婚した。いつの間にか同級生のあの子は2人目の子どもを産んだらしい。会社の同期はどんどん昇進していく。

「なのに私は」

そうやって周りと比べては落ち込む。スタートは一緒だったはずが、どうしてこうも差が開いてしまうんだろう。

「スナック キズツキ」第5話では、女優・徳永えりがそんな焦燥感を抱えるリアルなオトナ女子を体現した。



富田さんは2回転職したのち、コンビニでアルバイトをしながら就職活動に励んでいる35歳。実家暮らしで、両親からのプレッシャーもひしひしと感じながら日々暮らしている。

そんな富田さんにとって、唯一の楽しみになっているのがコンビニによく訪れる瀧井くん(小関裕太)を接客すること。ご存知の通り、彼には中田さん(成海璃子)という彼女がいる。でも、別に富田さんは瀧井くんと付き合いたいわけじゃない。何か心の拠り所になるものが欲しいだけだ。



だけど就活が上手くいかなくて落ち込んでいたある日、道端でばったり会った瀧井くんに気づいてもらえなかった富田さん。

誰にも見つけてもらえない。誰かの、何かの役に立つわけでもない。そんな寂しさを抱えた富田さんは、自分と同じようにひっそりと佇むスナックキズツキを訪れる。

ホットココアができるまでの間、唐突に始まったトウコ(原田知世)とのしりとり。しかも「りんご・ごりら・らっこ」なんて、ありきたりなものじゃない。

「ホットココア。飲みたくなるってまあまあ疲れた日」というトウコから始まったしりとりで、富田さんは自分の気持ちを零していく。



「ありふれたものでいいから、確実な明日が欲しい」

そこにあるのは漠然とした不安。お金持ちになりたいとか、歴史に名を刻みたいとか、そんな贅沢が言いたいわけじゃない。ただ自分は生きててもいいんだって思えるような瞬間がほしいだけ。

そんな富田さんに返したトウコの言葉は、ホットココアのようにじんわりと心を温める。

「だけど私たちは出場している、この歴史に。歴史の上に否応なしに積もっていく塵みたいなものかもしれんがな」

確実な明日なんて、本当は誰も手にすることなんてできない。富田さんの妹が離婚を決めたように、みんなが明日どうなるかわからない不安を抱えている。歩いて、走って、立ち止まって、時々引き返して。一人ひとりがそうやってゴールに向かい、この世界のレースは続いている。


「スナック キズツキ」第5話のストーリー



今回“スナック キズツキ”を訪れる客はコンビニ店員の富田希美(徳永えり)。アルバイトの傍ら続ける転職活動は全く思うようにいかず、ひそかに思いを寄せていたお客さん(小関裕太)には、気づいてさえもらえず…。今回の店主トウコ(原田知世)のおもてなしは、なんと“しりとり”!「ありふれたものでいいから 確実な明日が欲しい」という気持ちを、世界一おいしいココアとともに、解きほぐす。
 
(文:苫とり子)

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