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2023年02月09日

「リバーサルオーケストラ」第5話:垣間見えた朝陽の過去。みんな誰かの音に活かされている

「リバーサルオーケストラ」第5話:垣間見えた朝陽の過去。みんな誰かの音に活かされている

門脇麦主演、田中圭が共演する日本テレビの新水曜ドラマ「リバーサルオーケストラ」が2023年1月11日スタート。

本作は“元”天才ヴァイオリニストと変人マエストロが地元のポンコツオーケストラを「大改造」する一発逆転音楽エンターテイメント。民放GP帯ドラマ初主演をつとめる門脇麦や門脇と『あなたの番です 劇場版』以来の共演となる田中圭他、ポンコツ楽団の団員を演じる個性的なキャストが集結した。

本記事では、第5話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「リバーサルオーケストラ」第5話レビュー

一難去ってまた一難、ではなく、一難去らずにまた一難、である。


突然、玉響の練習場に現れたかおり(相武紗季)。朝陽(田中圭)と仲が良さそうにしている様子に玲緒(瀧内公美)は気が気じゃない。

が、「難」はそこではない。
シンフォニーホールとのフランチャイズ契約を巡って、玉響と高階フィルがコンペを行うことが決定。審査員票と観客票で争い、負けた場合、玉響はまさかの解散だ。

観客票を手に入れるためにもファンを増やさなければならない。
そのために定期演奏会を成功させなければ、と盛り上がっている矢先、いつも使っている練習場が本宮(津田健次郎)の画策で奪われてしまう。
徹底的に悪役ポジションの本宮だが、なんというか……嫌がらせがかわいらしくて微笑ましい。でも、地味にダメージが大きい。

ここで朝陽が用意した練習場というのが、自宅の常葉酒造。
湿度や気温が保たれているため、楽器にも影響が出にくいのだという。あと、タダ。

団員たちを目の前に朝陽は高らかに宣言する。

「僕は高階フィルに負けるとは思っていません!」

真面目な朝陽だけれど、だからこそ、士気をあげてくれる言葉だ。
そして、10日後に行われるバレンタイン・ガラコンサートに参加することを伝える。世界一有名な音楽評論家が出席すると言う。
高階フィルでさえ、星3.5という評価。朝陽はそれを越えて見せるというのだ。
演奏する曲は「カルメン組曲」。
定期演奏会に向けて練習していたチャイコンではない。

間近に控えたバレンタイン・ガラコンサートに向けて、玉響は常葉酒造で合宿を行うことに。
団員たちも気合い十分が、初音(門脇麦)は責任を感じていた。
自分がスランプにはまっているため、チャイコンをやらないのではないか。
そう考えた初音は、全体練習以外にもひとりでチャイコンを練習するが、焦るばかり。腕に痛みが出始めていた。

悪循環に陥っているように見えるが、何より初音が楽しそうに弾いていない。
明らかに無理をしている様子の初音に蒼(坂東龍汰)も心配そうだ。
回を追うごとに、初音への想いが膨らんでいる蒼。徐々に「好き」が大きくなっている様子は、見ていてもキュンとしてしまう。
恋人になりたいとかそういうこと以前に、ただ支えたい。だから少し、男として朝陽に嫉妬が覗くのだけれど。

でも、練習に没頭し過ぎる初音を止められるのは朝陽だけだった。
チャイコンの練習をやめるように言い、今の初音にチャイコンは無理だと言う。
そんな朝陽に初音は思いを爆発させる。
「正論だけじゃ整理つかないことだってあるんです!」「少しはこっちの身にもなってみろ!冷血漢!鉄仮面!バーカ!」と言ってその場から飛び出してしまう。
明らかに悪口を言い慣れていない初音がかわいい。

そのまま放っておくのかと思いきや、朝陽はコートを持って初音を追いかける。
(私も朝陽に追いかけられたいし、肩に朝陽のコートをかけられたい)
寒い中、少し落ち着いた初音に向かって朝陽は語り掛ける。

もともとバレンタイン・ガラコンサートではカルメンをやるつもりだったこと。
ソロが多くあるカルメンで、他の団員たちに自信をつけさせたいこと。
そして、それが結果的に初音の負担を軽減すること。

それを告げて、朝陽は倒れる。疲れがたまっていて、朝陽自身も限界だったのだ。

かおりに手伝ってもらい、朝陽を連れて帰って初音。そこで、初音は朝陽の過去について聞く。

高階フィルを嫌っている朝陽だが、実は21歳で高階フィルと競演したときに団員たちに嫌がらせをされていた。朝陽の指揮を無視したのだ。朝陽が生意気だったのもあるが、陰湿である。そんなことする人たちの演奏が、聴く人を感動させられるの!? と思ってしまうのだが。そりゃあ朝陽だって高階フィルを嫌うはずである。
その出来事がきっかけで音楽を続けるかどうか悩んでいたときに、かおりに連れていかれたコンサートで朝陽は12歳の初音がヴァイオリンを弾いている姿を見た。
楽しそうに演奏する姿が、朝陽に音楽を続ける勇気を与えた。

朝陽にとって、初音は特別な存在だった。
好きだとか憧れだとかではなく、今の朝陽の根幹部分にも関わるような存在。

そんなふうに思われることを、人によってはプレッシャーだと感じるかもしれない。
でも、初音にとっては、これほどまでに自信につながるものはないのではないか。

そんな中、玲緒が次の公演には出ないと言って合宿から抜けてしまう。
また一難、増えてしまった。

(文:ふくだりょうこ)

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