俳優・映画人コラム

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2021年11月23日

田中みな実、「声と瞳」で魅せる怪演の変遷

田中みな実、「声と瞳」で魅せる怪演の変遷

俳優歴の長さ=高い演技力、とは限らない。
演技の良し悪しは年数ではなく、その人の経験やセンス、また、出演作の話題性や配役との相性など、様々な要因が絡み合って決まってくるものでもある。


『ずっと独身でいるつもり?』(C)2021日活

これをまさに体現しているのが、女優としての頭角をぐんぐんと現している田中みな実
2021年11月19日(金)公開『ずっと独身でいるつもり?』では、映画初主演を務める。

アナウンサーという壁を突破した、女優・田中みな実の姿

2014年にTBSからフリーに転身した田中みな実”アナウンサー”。
今となってはもはや”アナウンサー”という印象は皆無で、すっかり”演技派女優”への仲間入りを果たしている。

田中みな実のこれまでを思い返してみると、彼女は”ぶりっ子キャラ”と”闇落ちキャラ”を上手く使い分け、女優への変貌を遂げたように思う。

TBS在籍時代、「サンデージャポン」で「情報ライブみな実屋」という看板コーナーを持ち、当初のイメージである”ぶりっ子キャラ”が確立。

アナウンサーとして非の打ち所がないその姿に異性からは熱い視線が送られていたが、同性からはどうしても批判的な意見が多かったこの頃。「嫌いな女子アナランキング」上位の常連だったことは言うまでもない。

フリー転身後、なかなか思うようにいかず苦悩の日々が続き「局アナに戻りたい」とまで思っていた時期もあったそうだが、例の破局の一件から”ぶりっ子キャラ”だけでなく”闇落ちキャラ”も垣間見えてきた頃、世間の田中みな実へのイメージは変わっていった。


アナウンサーとして、タレントとして、女優として。
求められていることをすぐさま察知する適応力や、『BEAUTY THE BIBLE』で美のカリスマとしてMCを務めるほどの美容ヲタクっぷりを魅せるなど、様々な方面で垣間見えるプロ意識に、”あざとかわいい”キャラは定着したままに同性からの人気も上々に。

2019年頃から田中みな実フィーバーが巻き起こり、『グータンヌーボ2』や『あざとくて何が悪いの?』など、バラエティ番組のMCの代表格となった。

その飛躍ぶりはタレント業のみに留まらず、2020年4月より放送された『M 愛すべき人がいて』でマサに異常なまでに執着する姫野礼香として、その怪演っぷりが話題となったことは記憶に新しい。


(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

そして、同年8月に事務所をテイクオフからフラームに移籍。フラームといえば広末涼子や戸田恵梨香、有村架純など”正統派女優”を擁する代表的な事務所。タレントとしてのイメージが強い且つ”正統派”とは異なる魅力を持つ田中みな実をフラームが受け入れたのは、正直なところ意外だった。

が、『M 愛すべき人がいて』出演以降、突飛な役柄だけでなく『生きるとか死ぬとか父親とか』、『ボクの殺意が恋をした』で演技派女優のしての可能性を魅せつけてきた田中みな実。フラーム、これは先見の明があったとしか言いようがない。

そんな田中みな実の女優としての成長を辿るべく、彼女の3つの代表作に注目していきたい。

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