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2021年11月23日

「サムライカアサン」第7話レビュー:オカンは“女神”? おっちゃんの人生を変えるよい子の優しきパワー(※ストーリーネタバレあり)

「サムライカアサン」第7話レビュー:オカンは“女神”? おっちゃんの人生を変えるよい子の優しきパワー(※ストーリーネタバレあり)



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城島茂主演の「サムライカアサン」が、2021年10月11日(月)放送スタートした。

板羽皆原作の同名コミックをドラマ化。
反抗期の高校生息子にウザがられながらも、その大きすぎる愛でみんなを巻き込み大暴走する大阪のオカン・よい子を城島茂が演じる。共演は大西風雅(Lil かんさい/関西ジャニーズJr.)、井頭愛海、有野晋哉ら。回を追うごとにパワーアップしていくオカンと愛らしい登場人物たちが送る、全力愛情コメディ。

本記事では、その第7話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

「サムライカアサン」第7話レビュー

「オカン曜日」

バイトが休みだというたけし(大西風雅)に「今日はオカン曜日やな」と宣言するよい子。息子がオカンのために過ごす日のことらしい。

「ノーオカン・ノーライフ」と書いたタスキを付け(たぶん付けさせられて)、家事を手伝わされるたけし。文句を言いつつも「あんたもそのうち一人で生活するんやから……」と言うよい子についほだされてしまう(ただし、三度目の「あんたもそのうち…」でさすがに突っ込んだ)。結局、布団干しに食器洗い、洗濯物たたみをこなす。立派な孝行息子ぶりだ。

そんなたけしのそばで、「あんたももうすぐここを出ていくんやなあ…」と口にするよい子。先程までとちょっと違い、背中から寂しさが伝わってくる。そもそもたけしが家を出ていってよい子がつらくないわけがない。「オカン曜日」を言い出したのも、きっと息子と過ごす時間を大切にしたかったからだろう。

そんな母親にたけしは「写真撮るぞ」と声をかけ、二人並んでスマホで撮影。反抗もするけれどなんだかんだで母思いのたけし。仲のよい家族っぷりにほっこりさせられる。

その後、漫才師になる夢を応援するよい子に、「ふ~ん」と繰り返すばかりのたけし。たまりかねて「あんたの“ふ~ん”は肯定やとみなすよ」というよい子。たけしはそれを否定しない。そして、お昼によい子特製のカレーを食べたたけしの感想も「ふ~ん」。つまりはそういうこと。この日のカレーは、ごはん製の足が突き出たなんともシュールな盛り付けだったけど(当初はごはんで作った子どもがカレーに浸かる「カレー風呂」を作る気だった)、365日心のこもったごはんを作るオカンの愛を息子はちゃんと肯定しているのだ。


「松永のおっちゃんの話」


町内の厄介者の松永(山西惇)。酔っぱらってゴミ捨て場に寝ている彼を近所の主婦たちは迷惑そうに煙たがる。

しかし、よい子だけは違う。松永を「松ちゃん」と呼んで助け起こし、その後ももらったみかんを彼にお裾分けする。いくら人一倍お人好しでお節介とはいえここまで親身になるか?とちょっと不思議だ。

松永はご近所内で痴漢の犯人ではないかと疑われており、たけしも母の態度に疑問を覚えていく。しかし、そんな息子に「松ちゃんは神様や」とよい子は明かす。昔、父親からひどい言葉を浴びせられて泣きながらマスクを付けて歩くよい子に「風邪か?冬先取りやな」と笑って声をかけた松永。彼の言葉でよい子は救われたのだった。


あのとき「泣いたんか?」と言われたら、たぶんもっと泣いていた。松永の言葉でごまかすチャンスをもらえて、それを選ばせてくれたのが嬉しかった……と語るよい子。だからこそ、松永の味方になろうと心に決めてきたのだった。

翌日、よい子とたけしは松永のアパートに招待される。松永を「神」だと言ったよい子だが、松永にとっても優しくしてくれるよい子は「女神」らしい。たくさんのお餅を焼いてよい子たちと食卓を囲んでとてもうれしそうだ。

しかし、「ワシの人生ゴミみたいなもんや」という彼に、「アホか!」とよい子は激怒。自分で自分のことを悪く言ったら終わり、愚痴は不幸は呼んでも幸せは呼ばない……と力強く語りかける。優しいけれどだめなことはだめだとちゃんと叱れるよい子。すごくかっこいい。

そして、怒りながら閃いたよい子は、松永に「学校行き」と提案。学校へ行って勉強をして友人を作って人生をやりなおせばいい……というのだ。「こんな年やし」と躊躇する松永だったが、「覚悟があったらやりなおせるよ」と励ますよい子に心打たれていくだった。

その後、夜間の学校へ通い始めた松永。服装も見違えてとてもいい顔をしている。なお、例の痴漢は別の犯人が逮捕されて疑いも無事晴れた。

松永を疑った主婦は罰が悪そうで、それを見たたけしは腹を立てる。しかし、よい子は「間違うたんよ」と穏やかな笑顔。この懐の深さがまたなんともいい。

最後、お腹をすかせた松永によい子はたけしの弁当を持たせる。「ウインナーと卵焼きとハンバーグ入ってるから」という優しい言葉に筆者は思わず泣けてしまった。美味しいおかずがいっぱいのお弁当は、まさにオカンの惜しみない愛の象徴だ。

いつだってパワフルで優しいよい子。「女神」も決して褒めすぎではない気がする。優しきパワーで家族も周りも幸せにする彼女はまさしく伊佐木家とこのご町内の女神様なのだから。

「サムライカアサン」第7話ストーリー

 
『オカン曜日』
たけし(大西風雅)にバイトもデートもないと聞いたある休日、よい子(城島茂)は「なら今日はオカン曜日やな!」と一方的に宣言、息子にあらゆる家事を手伝わせる。不満ながらもつき合うたけしだったが、洗濯物を畳みながら、よい子が涙ぐんでいることに気がついて…。
 
『松永のおっちゃんの話』
ご近所の厄介者・松永(山西惇)が酔っぱらってゴミ置き場で寝ているのを、よい子は起こして家まで送っていく。チカン騒ぎがあってもよい子だけは松永を疑わず、ミカンのおすそ分けまでして、たけしは、なぜオカンは皆と違って彼を悪く言わないのか不思議に思う。
 
(文:田下愛)


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