俳優・映画人コラム

REGULAR

2021年12月31日

私は「水曜どうでしょう」の大泉洋が好きだ!

私は「水曜どうでしょう」の大泉洋が好きだ!


1999年放送ヨーロッパリベンジ プレミア版 

ヨーロッパリベンジ プレミア版とは


1997年8月放送のヨーロッパ21カ国完全制覇。10日で回れたのは13カ国。途中で21カ国回れなかったら水曜どうでしょうをやめますと宣言したミスターは悔しくてたまらない。そこでリベンジとして、残りの8カ国を同じ10日でまわろうというもの(ミスターは今も元気に水曜どうでしょうに出演しています)。

ちなみに予定先はパリ凱旋門から出発して、デンマーク(コペンハーゲン)、スウェーデン(マルメ)、ノルウェイ、スウェーデンからボスニア湾沿いを北上して北極圏に突入。フィンランド(ヘルシンキ)から帰国するルートをたどる予定です。

やっぱりテーマは”メルヘン”
ミスター白タイツ王子さまが大泉洋を襲う!


出発当日に行き先を教えられた大泉洋。あわれ、D陣やミスターが重装備なのに短パン・サンダル・リュックの軽装備で北極圏に旅立つことに。笑って受け入れる(慣れてる?)大泉洋、半端じゃないメンタル。今回もパリ凱旋門からスタート。デンマークに行くなら、もっと近いところから出発すればよいのに……いやいやミスターの強い希望なのです。そして今回のテーマもメルヘンです!

メルヘンの登場人物たちは大泉洋を次々と襲います(?)。ドイツのアルスフェルトはグリム童話「赤ずきん」のふるさと。うっそうとした森の中からミスター赤ずきんが現れます。2人の会話がシュール。

ミスター赤ずきん「おばあさんの髪の毛がそんなにモジャモジャなのはどうして?」
大泉洋おばあさん「お前の知ったことじゃないんだよ」

ミスター赤ずきんは仕事を終えるとスッパーと一服。やさぐれ赤ずきんちゃんの誕生です。メルヘンのイメージが!メルヘンのイメージが!

続くメルヘン街道のザバブルグ城は「いばら姫」となった場所。道路脇に駐めた車の中で大泉いばら姫がうつらうつらしてると、白タイツのミスター王子が登場!王子様のキスにのたうちまわり、咳き込み、逃げ出した大泉いばら姫でした。あれ、二人とも男じゃなかった?他にもマッチ売りの少女も登場しますよ!

初日の車中泊は恐怖の始まりでしかなかった。


初日にレストランを優先したため泊まる場所を確保できなかった一行。エクス・アン・プロバンスでも同じことしていた気が……。大泉vs藤村Dvs嬉野カメラマンでもめあいがはじまり、ミスターにも飛び火。

結局、ドイツの道端、しかも草がボーボーに生えた場所でテントを張ることに(実は「北欧」で使おうと持参していた)。そして藤村Dからは名言「ここをキャンプ地とする」が飛び出します。

ディレクター陣はテントへ。車中泊で2日目の朝を迎えた出演陣二人ですが、はやくも心身疲労。「メシより宿」が最重要課題になっていくのです。しかし、これは後の美しき国々で体験するメンタル破壊の始まりでしかなかったのです……。

散々な扱いのムンクさんと連続テレビ小説フィヨルドの恋人


ノルウェーのオスロ・ムンク美術館で手に入れたムンクの「叫び」空気人形(身長(?)120センチ)「ムンクさん」。水辺に立っていると突然ミスターによって湖に投げ込まれるムンクさん。ひたすら車中移動が続く一行のストレス発散ともとれる悪口を受け、また褒めそやされるという散々な扱いをうけるのでした。

そして突然始まった、連続テレビ小説「フィヨルドの恋人」に出演したムンクさん(声:大泉洋/主演:鈴井貴之)。一人の主婦が「新しい恋」をみつけようと思って無理やりミスターの車に乗せてもらう出会いから、フィンランドでの別れまでが全四話で描かれます。ムンクさんの設定が完璧に昭和の専業主婦のよう。なぜその設定にした。

フィヨルドのどうでしょう軍団、美しき国々でメンタル破壊


とにかく走らなければ飛行機の出発時間に間に合わない。”帰りたい”。その一念だけがメンバーを突き動かしていました。ひたすら車に乗って長時間動くこともできないのです。そして美しい時間の中で淡々とすぎる退屈な時間。メンバーの中で切れていった緊張の糸。なんといいましょうか、一部載せてみます。

ミスター:水辺に立つムンクさんを突然遠くに投げ捨てててしまう。またフィヨルドの恋人の撮影として自ら湖に入り、ムンクさんを救出。北極圏の冷たい水で全身ずぶ濡れになってしまう。まさに一人どSとどMを見せるが、水が返って彼を落ち着かせたのかもしれない。

大泉洋:突然大声で歌い出し、膝を叩く。「今ここでぐるんぐるん回りたいんだなあ。あれ、なんでこんなに膝が赤いんだろう。」ヒゲが落ち着かせようとするも、車の窓を開け、「母さーん、僕は今北極圏にいます。北極圏は今日もあめですぅーーーーー‼︎」それでもだんだん回復。

藤村ディレクター:大泉洋の「シカ」(「し」りとりする「か」の省略系らしい)発言を受け止めるなど、ディレクターとしてフォローに回る。大泉洋は回復するも、ロヴァニエミまで72キロの地点で壊れ始める。「くそぉー鉄道員(ぽっぽや)見てぇー。この席に1日いたらダメになるって。うわぁ涙出てきちゃった」など、大泉と入れ替わるように涙まで流すほどのメンタル破壊。登山でもいちばん辛いのは登頂の直前だという。ゴールを直前にして緊張の糸がほぐれたのかもしれない。彼が早くVを切って荷物運ぼうと切実に言っているのを見ると本当に大変だったのだと思う。

嬉野:ユバスキュラに到着し宿泊先のホテルで鼻水を駐めながら撮影する。(どんな状態で撮っていたかは確かめてみてほしい)
普段からの発言が少ないため、発言からはメンタル破壊具合はわからないけれども、最終日直前のホテルでの撮影が物語っていた。チーム全員のメンタルを蝕んだ「退屈」という名の恐怖。怖すぎる。

最後まで走りきりました!なんだかわからないけどつらかったと言うリベンジ。本当におつかれさま、どうでしょう軍団。

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