モーニング娘。の魅力を考える|女性ファンが多いワケは?
女心をわかっている、つんく♂の楽曲
モーニング娘。の大きな魅力のひとつは、楽曲の良さ。特にモーニング娘。やハロプロの生みの親である、つんく♂による作詞作曲の曲が多いことだ。
先日2021年12月13日にモーニング娘。を卒業した佐藤優樹が「笑顔の君は太陽さ」を歌いながら、間奏でメンバー・スタッフ・ファンに感謝を述べた後「つんく♂さん、私に素敵な楽曲と会わせてくれて本当にありがとうございました」と言って涙したのは記憶に新しい(思い出すと泣いてしまう)。
つんく♂は2014年に総合プロデューサーの座を退いたものの、今もモーニング娘。の楽曲はコンスタントに制作している。
ビートが効いたひと癖ある楽曲はもちろん、女性目線の歌詞は女性から見ても「なぜこんなに女心がわかるのだろうか」と驚くほど「男性が想像した女性像」感がない。「つんく♂さんの中には女子中学生が住んでいる」という言葉も生まれたくらいだ。
性別関係なしに沁みる歌詞が多い。発売当初は変わった歌詞だな~と思う程度だったのが、5年10年経って歌詞の深みがボディーブローのようにじわじわ効いてくることもある。つんく♂楽曲は人生を歌っているのだ。
女心に沁みる楽曲をいくつかご紹介したい。
1.誰よりも私が私を知ってるから……「I WISH」
2000年発売、昔のモーニング娘。しか知らないという方もこの曲なら知っているだろうか。「誰よりも私が 私を知っているから 誰よりも信じてあげなくちゃ!」という歌詞は人生で自信を失ったとき、勇気づけてくれる歌詞だ。
また「晴れの日があるから そのうち雨も降る 全ていつか納得できるさ!」は、いつか晴れるというのではなく、いいことがあるから悪いこともある、と歌っているのが印象的だ。「すべていつか納得できるのかな」と思ったりもする。
発売から20年以上経ってあらためてこの曲の深みに気づく。モーニング娘。には、そんな曲がたくさんある。
ちなみに「I WISH」は、2022年1月からテレビ東京で放送される、ハロー!プロジェクトを題材にし、メンバーが総出演するドラマ「真夜中にハロー!」のEDテーマとなった。モーニング娘。'21のメンバーによって新たに再録されるとのことで、聴けるのが楽しみだ。
2.不器用に生きるすべての女性に捧げたい「SONGS」
「生きるのが下手 笑うのが下手 上手に甘えたりも出来ない」「恋愛も下手 付き合いも下手 すごく大切にしたいのに」
かっこいい楽曲に載った、人生に恋に不器用な女性の歌詞に、歌い出しで心をつかまれてしまう人も多い。サビでは「この新しい星の下翼広げて 自由に羽ばたかなきゃ生きてく意味ない 夢見ることの出来る未来だから こんな歌を歌うよ さぁ 輝こう」と呼びかける。
3.失恋の心境を激しく歌った「シャボン玉」
「愛する人はあなただけ 誰も邪魔させない」から始まるこの曲。好きで好きでたまらなかった人に去られた女の心境を綴っており、狂気すら感じる。「泣いて済むなら 泣きやがれ 全ての恋は シャボン玉 恋をするなら この次はあんた名義の恋をしな」と、次への希望を残す歌詞がよい。途中「この世の中に 暮らす女の子で 私のランキング 何位だろうか?」と、自己肯定感ちっくな言葉が入っているのもよい。
4.自分で切り開いていくこの先の人生「浪漫~MY DEAR BOY~」
おそらく一般のかたにはあまり知られていない2004年のシングル曲。大サビの「MY DEAR BOY 全てはあなたが放つ イメージで決まるよ HEY! MY BOY 」は、この先の人生を決めるのはあなた自身だと呼びかけていて、歌詞ではBOYとなっているけどボーイもガールも勇気づけられる。
5.ヘンテコだけどかっこよくてたまらない「Are you Happy?」
「なんだこの曲」「なんだこの歌詞」「なんだこのダンス」みたいな驚きをくれるのもつんく♂曲。「Are you Happy?」は個人的にそう感じた曲のひとつだ。不思議なんだけど、中毒性があってMVを繰り返し観てしまう。さらに、ステージで披露されたときめちゃくちゃかっこいいのだ。誤解を恐れずにいうと「こんな変でかっこいい曲つんく♂さんしか作れない、たまらん!」となる。
不思議な曲に「自信もないけど私 幸せになりたい」「すっごい好きだから すっごい寂しい 一緒にいた後は 不安しかない」という、普遍的な女心を歌った歌詞が入っているのもよい。
ちなみに今回はご紹介していないが、つんく♂作詞作曲以外の曲ももちろんいい。
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