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2021-12-28

橋本淳のNo. 1ムービー『パリ、テキサス』:ひとつの作品から自分自身を知れる面白さ

■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。

95回目の更新、今回もよろしくお願いいたします。

95回目ですか。100回までもう少し。と、いうところですが、皆様にお伝えすることがあります。

約4年間、このシネマズPLUSさんで連載してきました「おこがまシネマ」ですが、今回で最終回となります。長いような短いような期間でしたが、これまで駄文、拙文なワタクシの文章にお付き合いくださり、ありがとうございました。

そして編集部のOさん、ありがとうございました。

最初は出演していたドラマの宣伝取材でお会いしまして、ひょんなことから、同ページ(当時はシネマズ by松竹)で連載をさせていただくことになりました。一俳優のワタクシに、そんなお話を振ってくださったこと本当に感謝しております。

元々、映画が好きではありましたが、人様に紹介するための文章を書くなぞ大変なことだぁと汗を書いていましたが、自由度が高いこのページで、ウロウロさせてもらったことは今後にも活きる、大切な経験となりました。

Oさん!本当にありがとうございました。

書かせてもらうことで、様々な配給や宣伝会社の方々ともお知り合いになれたりと、俳優という立ち位置では見れない視点で、色んなことに首を突っ込めたりと、幸せなことが多かった。

もうね、プラスしかないんですよ。PLUSしか。

もう終わってしまうのかという淋しい気持ちと、次に進まねばというポジティブな気持ちとを併せ持ち、最後に、ワタクシのフェイバリットムービーを書こうかなと、ラストはこちらの作品をご紹介しようかなと思います。

『パリ、テキサス』


『パリ、テキサス』より © Wim Wenders Stiftung 2014

1984年製作の、ヴィム・ヴェンダース監督作品。第37回カンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルム・ドールを獲得している作品でもあります。

なぜか、ずっとこの映画が、僕の中で人生No. 1ムービーとして個人的ランキングのトップに君臨し続けているのです。(ナスターシャ・キンスキーが綺麗すぎる。永遠のマドンナ)

まだワタクシが20歳くらいの時に先輩にオススメされて、初めて観たときは全然ハマらずに、「なんだ、この静かなアートオシャレ系映画は!?わけわからん!」と知識も感受性も乏しいワタクシには、なにも引っかからなかった。

しかし何年か後に、なにか頭の片隅に残っており、もう一度見てみるかと、レンタルDVD屋に赴き、(5本レンタルすると1000円になるので)5本の内の1本に入り込んだ「パリ、テキサス」を見返し、今度は号泣しながら、見ていたのです。

その頃から、No. 1ムービーに。

なぜ、1度目には感じなかったものが感じられたのか、2度目とは何が違ったのか、では、3度目ではまた変わるのか、と色んな思いが湧き上がり、そして少し時間が経ち3度目の鑑賞。

今度は8ミリカメラのホームビデオを見て、トラヴィスとハンターの親子の距離が少し縮まるシーン(まだ序盤)、暖かな気持ちと同時に静かに涙が流れた。

また2度目とは違った感覚。。。


それ以来、毎年鑑賞するようになる。

その度に違う視点で見たり、感情の動きが変わったり、音楽の聞き方、気になるところが変わっていく。

この作品に触れたことで、ひとつの作品から、自分自身を知れるという面白さに気づかせてもらえました。

単に「つまらない」と思う作品もあるかもしれませんが、その「つまらない」や「分からない」と感じたものが"その作品が"ということではないのです。

見た側の知識や経験値、思想、人生観、死生観、さまざまなモノが作用しているのだということ。

ワタクシの場合、自分の至らない部分から、最初に鑑賞した時に何も感じることが出来なかった。そのことに気づき、発見出来たときには、僅かにですが人生が豊かになったことを感じました(大袈裟な)。


これは映画に対してだけではなく、対人関係や様々なことにも通ずることだと思います。

個人的な、モノサシだけで図るのではなく、きちんとした"自立した"知識を持ち、"想像力"をもって敬って接することがどれほど大切か。

ひとつの言葉や思いで、人を傷つけしまうし、癒すこともできる。言葉が軽くなり、自分というものを棚に上げて、軽い関係性の希薄な社会が続くことを受け入れないためにも、そういったものを大事に思い続けていきたいなと、またこの作品を見返しながら思っておりました。

ちょうど今月、渋谷のBunkamuraのル・シネマでヴィム・ヴェンダース特集として、『パリ、テキサス』も上映しておりました。(僕は今回は行けず、、、)リバイバル上映でたまに名画座などの映画館でもやるので、その時は是非皆さま、ご覧ください。

色味がめちゃくちゃ鮮やかで、赤がとても映えています。(U-NEXTご加入の方は見れますよ。でもやはり映画館でね)。何年か前に松竹早稲田でやっていることを知り、その時には滑り込んで鑑賞しました。


映画を通して、様々なことを学べる。

芸術に触れている人は、それだけ人生も豊かになる。
と思っています。


モノではなく、経験にお金を使いたい私の人生には、切っては切れないものなのです。

どうか、皆様が素敵な人生を送れますように。

約4年間、ありがとうございました。

今後ともシネマPLUSさんや橋本淳をよろしくお願いいたします。


それでは、今までおこがましくも、素敵な映画を紹介させていただきました。

ありがとうございました。

素敵な映画ライフを!

(文:橋本淳)

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