『スーパー戦闘 純烈ジャー』は、特撮映画?歌謡映画?特撮ファン目線で見どころを熱弁!
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『スーパー戦闘 純烈ジャー』は、特撮映画?歌謡映画?特撮ファン目線で見どころを熱弁!
■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
ついに一昨日、9月10日から全国公開された「純烈」さんの主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』。
3年連続で紅白歌合戦の出場を果たし、今や国民的歌謡グループであることを誰も疑う余地はありません。
もう周知の事実ではありますが、「純烈」の酒井一圭さん、小田井涼平さん、白川裕二郎さんの3人は東映ヒーロー出身。
そのお三方がまた東映特撮に帰ってこられたことは、ファンにとっては相当うれしいことなのです。
映画の内容はというと、はっきり言ってジャンルがよくわかりません。
特撮映画? 歌謡映画?
しかしそんなことはどうでもいいんです。
「純烈」ファンも特撮ファンも、そして、そのどちらでもない人も楽しめる映画が『純烈ジャー』。
ジャンルはもはや、「純烈」なのです。
さて、今回は、特撮ファン目線で『純烈ジャー』の魅力を書かせていただきます。
まずは白川さんのアクションがむちゃくちゃヤバい。
『忍風戦隊ハリケンジャー』に霞一甲役として出演されていたときも、めちゃくちゃ動ける人だなと思っておりましたが、今作の中盤でのアクションが40歳過ぎてるとは到底思えないキレ味。
回し蹴りなんか、うっとりしてしまうほど。
あと見得の切り方とか細かい所作は当時のものが染み付いておられるのか、流石のかっこよさ。
これは、『百獣戦隊ガオレンジャー』に出演されていた酒井さんも同じ。
スーパー戦隊作品ならではの肩の入れ方とかポーズの取り方は、一朝一夕ではできないなめらかさ。
アクション監督は竹田道弘さんが担当されてるんですが、竹田さんは「ガオレンジャー」も「ハリケンジャー」も担当されていたので、そのあたりもうれしい座組。
戦いの立ち振る舞いがかっこいいのに加えて、当たり前ですが演技もうまい。
ひたすら安心して見れます。
戦闘シーンの豪華さをもう少し書かせてください。
敵の幹部を演じてる4人が、東映特撮にゆかり満載の方ばかり。
ザウナ役の岩永洋昭さんは『仮面ライダーオーズ』の伊達さんとして、ガラン役の松本享恭さんは『仮面ライダーエグゼイド』で大我として、ゾーブ役の白又敦さんは『仮面ライダー鎧武/ガイム』で初瀬ちゃんとして、ファンの脳裏に深く刻まれております。
そしてジャワー役の龍真さんは、なんと今、いろんな作品で活躍中で、『純烈ジャー』には刑事役で出演、『仮面ライダービルド』では赤羽を熱演された栄信さんの実弟なのです。
空手は黒帯の実力者。
アクションできて、男前。
これからの活躍が期待される俳優さんなので、これを機に青田買いされるのがよいかと。
『純烈ジャー』は、スーツアクターさんも超豪華。
純レッドには若手ナンバーワンの呼び声も高く、先日始まったばかりの『仮面ライダーリバイス』でも、主役のリバイとしてアクションされてる縄田雄哉さん。
純グリーン、純バイオレット、純ブルー、には、蜂須賀祐一さんと今井靖彦さんと坂本隆さんというレジェンドが。
そして、ルーキーの鍛治洸太郎さんまで。
アクションが面白くないはずがありません。
ここに悪の親玉の小林幸子さんも加わるんですが、さすが小林幸子さん。こんな豪華な面々とかお構いなしに、後半スクリーンを独り占め。
溢れ出るラスボス感は、かつて『電子戦隊デンジマン』や『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で悪の女王を演じられた曽我町子さんを見ているようで惹きつけられました。
こんな、どこを食べてもおいしい、誤解を恐れずに言えばごった煮感満載の作品をまとめあげたのは、今、この人無くして東映特撮は成立しないと言われている佛田洋監督。
冒頭のミニチュアのビルセットの中で「純烈」さんが歌うシーンは、この映画が「なんでもあり」ということを感じさせてくれるシーンで期待感が思いっきり膨らみました。
そして一番の見どころは、多分ここに一番お金かかってるんじゃないでしょうか。純烈ジャーのメカ・スーパー銭湯機の発進シーン。
あの造形、発進シークエンスに佛田監督の本気を見ることができます。
しっかりと腰を据えたミニチュア特撮。
アングルも最高。
あと純烈ジャーの必殺技。
酒井さんがガオブラックを演じていた「ガオレンジャー」ファンならニヤリとしてしまう必殺技。このシーンも佛田監督でなければ、あの迫力は出ないでしょう。
「純烈」さんが特撮に馴染み過ぎてて本業を忘れてしまうんですが、そこはやはり歌でしっかり思い出させてくれます。
劇中、純烈色満開の歌謡曲もたっぷり堪能できるんですが、やはり特筆すべきところは普段歌ってらっしゃる歌謡曲とは一転、激しいロック調の主題歌「NEW(入浴)YORK 」。
こちらも、ただの主題歌ではありません。
もはや説明不要のシンガーで、数々の特撮ソングも手がけられてる影山ヒロノブさんが作曲。
特撮を音楽面からも激烈バックアップ。
影山さんも豪華なんですが、作品の中で振り付けしながらばっちりキメる「勇気のペンライト」という王道特撮ソングど真ん中のかっちょええ曲も豪華でして。
というのも、本家スーパー戦隊の主題歌も数曲作曲しており、『魔法戦隊マジレンジャー』に関しては歌も担当されてる岩崎貴文さんが作曲。
特ソンと「純烈」の融合。
抜け目がないとは、まさにこのこと。
そして、さらっと作詞されてる酒井さん。
マルチな才能出し惜しみせず。
これが令和の仕事の仕方なのか。
ちなみに、「東映特撮ファンクラブ」で『純烈ジャー』のスピンオフドラマが配信されてるんですが、映画をまだ見ていないという方は、そちらを見てからだとより映画を楽しめるかもしれません。
一見、湯沢東映ホテルを宣伝し、「純烈」さんの素が見られる旅行番組と思いきやドラマも進んでいく、映画とはまた違った幕の内弁当感。
そして本編とは違う役で、こちらにも出演されてるのは山本康平さん。
東映特撮ファンクラブ内で康平さんが企画した、ギャラスもまさかの登場。
さらに僕と同じ松竹芸能所属で、酒井さんをプロレスの道に導いたレスラーのスーパー・ササダンゴ・マシンさんもガッツリ出演。最終話にはうらましいほどの活躍をしていらっしゃいます。
特定のファンだけでなく、全方位に向けて作られたエンタメ映画『純烈ジャー』。
書いてあること以外にも見どころがたくさんありますので、ぜひ劇場でご覧ください。
(文:篠宮暁)
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