「菅田将暉、ヤバい」と思った映画3選


『ディストラクション・ベイビーズ』:無邪気に加速する狂気に絶望


(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

『宮本から君へ』(19)で知られる真利子哲也監督の長編商業映画デビュー作『ディストラクション・ベイビーズ』(16)。
暴力を振るうことでしか欲求を満たすことの出来ない男・芦原泰良(柳楽優弥)のありのままの姿が描かれた作品だ。

菅田将暉は、そんな泰良の姿を見かけて興味を持ち、後のバディとなる北原裕也を演じた。
泰良の持つ脅かしい狂気が、どんどんどんどん裕也に侵食していく。
「なんの罪もない人たちにこんなにも暴力を振るって、なにが楽しいんだろう」ーーそう思わせられるほどに目を伏せたくなる描写。まぁこれも柳楽優弥と菅田将暉の狂演あってこそなのだが、役柄とは理解しつつも2人のことを嫌いになってしまいそうになるほどの作品である。


(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

また、本作品で言及せずにいられないのは、菅田将暉の妻・小松菜奈との初共演作でもあるということ。
小松菜奈は、泰良と裕也が強奪した車にたまたま乗り合わせていたキャバ嬢・那奈として出演。裕也から酷い性的暴行を犯されるシーンもあり、当時「菅田さんのことが嫌いでした」と語っていたことは今となっては笑い話。あれは嫌いになるよね、わかる。

しかしこのシーンの後に、那奈のとんでもない逆上を目の当たりにすることになるのだからおもしろい。最も恐ろしいのは、泰良でも裕也でもなく那奈なのかもしれない。


(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

菅田将暉の狂気、そして、妻である小松菜奈との初共演を拝める『ディストラクション・ベイビーズ』。後者をキッカケとした“尊い”という気持ちで見始めると痛い目にあうので、充分に注意してほしい。

>>>【関連記事】<菅田将暉×小松菜奈>国宝級夫婦をガチで拝める作品を振り返る

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