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2021年09月02日

「緊急取調室」第7話レビュー:常に姉と比較され続けた、妹の苦しみと虚しさ(※ストーリーネタバレあり)

「緊急取調室」第7話レビュー:常に姉と比較され続けた、妹の苦しみと虚しさ(※ストーリーネタバレあり)



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2021年7月8日スタートのテレビ朝日 木曜ドラマは、2年ぶりに「緊急取調室」を放映。

主演・天海祐希をはじめ、おなじみのキャストが顔をそろえる。
今回の第4シーズンでは、冒頭から“キントリ”が9月末をもって解散となることが判明。果たして、彼らの運命は…?

本記事では、その第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「緊急取調室」第7話レビュー



1話からずっと気になっていた、飛行機ハイジャック事件の顛末。桃井かおり演じる大國塔子が裁判で発言したと報道が出た。「持ち込んだ爆弾は偽物だった」と……。進展を期待するキントリメンバーだったが、結局、塔子は勾留中に死亡してしまった。

今後どうなってしまうのか……? 気になるところだが、次々と舞い込む事件は止められない。今度は医師の失踪事件を追うことになったキントリメンバー。時を同じくして、自称・霊能力者の貴船馨(板谷由夏)が「力を貸したい」と姿をあらわした。

胡散臭そうな姿や雰囲気に、一度はお帰り願うものの……貴船馨の透視能力なるもので、失踪した医師につながる重要な情報が明らかになっていく。さすがに無視できないと悟った真壁は、気が進まないながらも捜査に協力してもらうべく貴船馨を聴取することに。その結果、失踪していた医師は遺体となって発見された。

貴船馨を演じる板谷由夏がすごかった。なんと双子役を一人で演じ分けたのだ。



自称超能力者である姉・貴船馨と、妹の佐久間渚。どちらも板谷由夏が演じているため「これは同一人物? どちらかが片方のフリをしているのでは?」とすぐに察しがついてしまった。けれど、それだけで終わる緊急取調室ではない。

姉・貴船馨を手にかけて以降、ずっと彼女のフリを貫き通していたのは、妹の佐久間渚だった。

渚は、常に自分が姉のおまけとして見られる状況に辟易していて、ストレスを抱えていたーーある日、それが爆発してしまい、貴船馨を殺害してしまう。首元にある大きな黒子を切除してまで、姉のフリをしようと決意。それが、手術を担当した美容外科医(渚の恋人でもある)にゆすられる格好のネタになってしまったのだ。

渚は実の姉も、一時は心を許したパートナーも手にかけてしまった。そうまでして彼女が手に入れたかったものは、見たい景色は何だったのか。

輝かしい経歴を持ち、誰からも賞賛される姉の陰で、常に比べられる妹の苦しさや虚しさ。それは確かに「私にしかわからない」だろう。渚が最も苦しかったのは、自分で自分を認めてあげられなかったせいかもしれない。

キントリチーム解散まで、あと少し。彼らが最後に手がける事件は、どんなものになるのだろうか。

「緊急取調室」第7話ストーリー


国土交通副大臣・宮越肇(大谷亮平)の汚職疑惑を糾弾すると宣言し、ハイジャック事件を起こした大國塔子(桃井かおり)。逮捕されて以来、黙秘を続けていた彼女が、ついに裁判で重い口を開いた! その証言内容に世間は騒然…。かつて塔子を取り調べた真壁有希子(天海祐希)ら「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」のメンバーも、ニュースで報じられた塔子の言動に目を見張る――。

そんな折、警視庁捜査一課に異動し、同課の刑事・渡辺鉄次(速水もこみち)の新相棒となった山上善春(工藤阿須加)は、警視庁を訪ねてきた人気霊能力者・貴船馨(板谷由夏)と出くわす。「失踪した医師の霊から助けを求められた」という馨を訝しがり、ろくに話も聞かず追い返す山上。ところがその直後、失踪中の美容外科医・小林英ニ(黄川田雅哉)のバッグが郊外の橋の下で見つかり、捜査本部が立つことに! 捜査に加わった渡辺と山上は、先日の山上の対応に憤慨しているという馨を、双子の妹・佐久間渚(板谷・二役)に説得してもらい、なんとか捜査協力の承諾を得るのだが…。

一方、刑事部長・北斗偉(池田成志)から馨の事情聴取を要請されたキントリの面々は、半ば呆れ顔。馨が誇る透視能力などハナから信じていない有希子は、非科学的な情報に頼る捜査に反感を示しながらも、聴取に取りかかる。ところが…! 馨は懐疑的な有希子の本心を見破ったばかりか、私生活までもズバリ言い当て、有希子を徹底的に翻弄。さらに、世間に向かって「自分の足で小林さんを探す」と宣言したかと思うと、本当に小林の遺体を発見してしまい…!

馨は“本物の霊能力者”なのか、それとも“ただの嘘つき女”なのか…!? 有希子はすべての真相を明らかにするため、“大胆不敵な作戦”に出る――。
 
(文・北村有)

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