【アマプラ】『HOMESTAY』で長尾謙杜が魅せる表情
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「私がいなくなっても、きっと誰も気づかないんだろうな……」
学生時代のそんなことを考えていた。別に何か嫌なことがあったわけではない。でも、なんとなく生きる意味とかについて考えては、勝手に絶望していたのだ。
Amazon Prime Videoにて2022年2月11日より世界同時独占配信中のAmazon Original映画『HOMESTAY』。同作でなにわ男子の長尾謙杜が演じる主人公・小林真を見て、私はあの頃の自分が抱えていたやり場のない感情を思い出した。
この記事では、同作の中で描かれている「生きる意味」にフューチャー。見る人を没入させる長尾謙杜の演技と合わせて紹介していこう。
※映画の内容に触れる部分があります。未鑑賞の方はご注意ください。
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配信前から多くの人に注目された理由
『HOMESTAY』は、直木賞作家、森絵都の名作小説「カラフル」が映画化したもの。
「管理人」と名乗る謎の人物に選ばれた魂「シロ」が、同時期に死んだ高校生「小林真」の体にホームステイし、管理人に課された「小林真が死んだ原因を突き止める」という転生の条件に100日間のリミットの中で挑むといった内容だ。
また、これまでに3度実写化されている。
田中聖が主演を務め2000年に公開された『カラフル』。第34回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞などに輝いた2010年の劇場アニメ『カラフル』。さらに、2018年には海を越え、タイで同作を原作とした映画『ホームステイ ボクと僕の100日間』が公開。
最初の公開作から20年経った今でも、多くの人から愛されている作品なのだ。
さらに、同作はAmazonが手がける初のオリジナル映画であり、なにわ男子・長尾謙杜の映画初主演映画。これらの理由で、公開前から注目度が高かったと考えられる。
同作が教えてくれた生きる意味
「今日、僕は死ぬことにした。この世界で僕の存在を喜ぶ人はどれくらいいるだろう。」
小林真の遺書は、そんな言葉から始まる。
兄の態度、学校の同級生たちからの扱い、唯一の居場所だった得意の絵を父親から否定されたこと。好意的に接してくれていた美月先輩が自分のいない場所で「そんな人、知らない」と冷たく切り捨てたこと……いろんなことが彼をそう思わせた。
この遺書を見たシロは、絶望する。そして、小林真にホームステイ中の身でありながらも、もう一度自ら命を落とそうとするのだ。
結局のところ、真もシロもは愛されている確証が欲しかったのだ。誰も自分に興味を持ってくれていない。それなら死ぬことで、存在を気に留めてもらおうと。だが世界は彼が思うほど、冷たいものではなかった。
彼が気づけなかっただけで、真はきちんと愛されていた。自分のいる世界を「どうせ」と斜に構えて、正面から向き合おうとしなかった真にも原因があったのだ。
「愛している」と言われないと、人は自信をなくしてしまう。実際「言わなくても、わかるでしょ」が積み重なった結果、真は命を落とす選択をするが、この映画が伝えたかったことはそうではない。
「自分なんて、いなくても変わらない」そう思ったことがある私は、この映画に「自分がいる世界を、しっかりと見ていましたか?」「自分のことを愛していますか?」と問われた気がした。
それに、人間は自分が思っている以上に複雑だ。
すごく悲しい思いをした忘れられない夜も、くだらないことでずっと笑っていたあの日も、全部全部が全部本当のこと。人を構成する要素は1つではない。
“生きる意味”や“本当の自分”といったことに囚われてしまいがちだが、意外と無意味なのかもしれない。
「もっと気楽に生きてよい」と教えてもらった気がした。
表情豊かな長尾謙杜だから演じ切れたシロ/小林真
小林真という1人の体で、魂・シロと小林真という2つの人格を演じたのは、なにわ男子の長尾謙杜。
実は、彼の演技を見たのは今回が初めてだったのだが、その表情の豊かさに私は驚かされた。
まず、ミッションが課された当初のシロは、小林真がどんな人間なのか、他者との関係性がどういうものなのかを理解していない。それゆえに、映画の序盤でのシロは感情のまま、陽気に振る舞ってみせている。
その姿は、シンプルに可愛らしい。同作の冒頭、母に「手伝おうか?」と言い、玉ねぎを不器用に剥く姿は初々しく、憧れの先輩・美月(八木莉可子)とのデートに浮かれる姿は見ているこちらをワクワクさせる。
「これが、アイドル・長尾謙杜のあざとさか……」見ているうちに長尾自身への興味も沸いてしまった。
その一方で、クライマックスにかけて感情を剥き出しにするシロは見るものを惹きつけるパワーを感じた。
小林真の遺書を読んだ後で雨に打たれるシーンでの絶望した表情。死の真相を突き止めた後に、街中を走り回り管理人を探すシーンでの必死さ。
112分の映画の中で、「ここまで見られるのか」と驚くほどさまざまな表情を見せてくれた長尾。見る人を没入させ、1人の体に宿る2つの魂を追体験させてくれたのは、彼の豊かな表情あってこそだと心から感じた。
(文:於ありさ)
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