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2022年02月24日

「相棒 season20」第16話レビュー:シーズンきっての異色作!まさかの真相と”謎の男”(高橋和也)の正体とは?(※ストーリーネタバレあり)

「相棒 season20」第16話レビュー:シーズンきっての異色作!まさかの真相と”謎の男”(高橋和也)の正体とは?(※ストーリーネタバレあり)


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シーズン20作目となる「相棒」が、2021年10月13日(水)にスタートした。

水谷豊演じる杉下右京と、反町隆史演じる冠城亘の二人からなる警視庁・特命係が事件の謎を解いていく人気長寿シリーズの本作。今シーズンの最終話をもって7年相棒役をつとめた反町隆史が卒業することが決定しており、右京と冠城の“最終章”がどのように描かれるのかも見どころの一つだ。

本記事では、その第16話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「相棒 season20」第16話レビュー

「やってやった。俺が殺してやった」

冒頭で聞こえてきたこのセリフ。ビルの屋上で見つかった死体を前にした一人の男(高橋和也)のモノローグだ。

被害者はビル内の広告代理店の社員・中松誠。凶器は大きなハサミだが、柄に指紋は残っていない。ふき取ったと思われるハンカチが残っており、刺繍されたイニシャルは“T”だ。

被害者に恨みを持つ者の犯行と睨んだ捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、出雲(篠原ゆき子)ら、そしてシレっと現場に来ていた右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)は捜査を開始。そんな中、例のモノローグの男は他の社員たちとともに現場を見守っていた。「死んで当然の男」「ずっとこの日を望んでいた」など憎悪が混じる言葉を繰り返していて事件の犯人に思えるが、右京たちも捜査一課もまだ彼の存在を気にとめていない様子だ。



最初に犯人を明かす「刑事コロンボ」的な話も多い「相棒」。今回もその線かと思ったのだが……そうではない、まさかの真相が明かされる今シーズンきっての異色回となった。

右京たちや伊丹らが会社で聞き込みをした結果、捜査線上に数名の人間が浮上する。

1人目は中松の同期・田川(白畑真逸)だ。中松は彼との出世争いに敗れて閑職に追いやられたらしい。さらに、田川が行っていた水増し請求を中松が告発しようとしていたのも判明。しかも、彼の名字のイニシャルは例のハンカチと同じ“T”だ。

2人目の容疑者は中松の部下の山村(成田瑛基)。中松が告発の準備をしていると田川にばらした張本人だ。彼は中松を尊敬しつつも巻き添えで異動になったことに憤りを覚えており、パワハラをする中松について「死んでくれねえかな」とこぼしてもいた。また、凶器のハサミは山村が会社の経費で買ったものだともわかった。

この世話になった先輩を裏切る山村の行為の話を受けて、「そんな後輩がいたら、俺はただじゃおかねえがな」と物騒な感想を口にしたのは伊丹。それを聞いた後輩の芹沢は絶妙に面白く顔を歪ませていた。告発はともかく、このおっかない先輩の悪口くらいはどこかで言ってるのだろう。

田川と山村。いずれも中松を殺してもおかしくはないが、結局、犯行に及んだとは考えにくい……と右京の推理で明らかになる。こうして捜査が難航する中、例の男は引き続き見守るばかり。彼は一体何者なのか。

そして、3人目の疑わしい人物が会社を訪れる。中松の妻の陽子(冨樫真)だ。旦那が死んで間もないというのに、労災などお金の方が気になる様子の彼女。実は中松と離婚する準備を進めており、慰謝料前提でマンションまで買ったという。殺す動機は十分あるといってよく、また陽子の旧姓もイニシャル“T”だった。

次々に容疑者が現れる中、陽子が会社の人間と不倫している情報を掴んだ特命係。彼女の後をつけると、そこにいたのは例の男。しかし、右京の声がすると彼はスッとその場を離れてしまい、陽子と一緒にいた不倫相手は経理部の天野であるのがわかった。

その後、屋上に関係者を集めた右京。そこで明かした真相は「自殺でした」

現場にあったハンカチは陽子が結婚前に中松にあげたもの。山村のハサミを使って自殺した中松がハンカチで山村の指紋をふき取っていたために、自殺が事件に見えてしまったのだ。

そして、右京たちをずっと見つめていた男の正体もようやく明らかに。それは、中松誠本人(おそらく幽霊)だった。

自分のことしか考えられず、自分すら幸せにできない。そんな自身にうんざりして、自ら苦しい人生に終止符を打った中松。そんな彼を前に、見えているのか否かわからないが、自分で自分を殺す行為である自殺を許したくはない……と右京は語りかける。

捜査を進める中、本当は皆と幸せに生きたかった中松の思いを感じとっていた右京。「だからこそ、僕には残念に思えて仕方ありません」と弔うかのような言葉を口にする彼を前に、「もう少し早くあんたらに会えてたら、まだここにいられたのかもしれないな」と中松は瞳を潤ませる。そして、右京たちが屋上を後にすると、彼の姿も消えていた。

今回、カンの鋭い視聴者も多かったようで、男の正体については、放映の最中に「幽霊では?」と推測する声がTwitterでいくつも見られた。ちなみに筆者が気づいたのは、会社に来た陽子を中松が「お前」と呼んだとき。この呼びかけはもしや夫?と思い当たり、幽霊ならば社内にいるのに誰とも絡まず、普段怪しい人物を見逃さない右京が気づかないのも辻褄が合う……と思いあたった。

なお、作品ファンとしては、超常現象好きな右京の目の前に幽霊が姿を現したのがどうにも気になった。果たして右京は霊的なものを少しでも感じとれたのだろうか。

(文:田下愛)


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