2022年03月08日

それは森田剛の電話から始まった 映画『DEATH DAYS』独占インタビュー

それは森田剛の電話から始まった 映画『DEATH DAYS』独占インタビュー


できるだけたくさんの人に届けたいメッセージ


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――今回「DEATH DAYS」をYouTubeで公開されたのはどういった想いからだったのでしょうか。

森田:まずは、より身近に、たくさんの人に見ていただきたいというところですね。

長久:YouTubeに置いていると、映画祭などにも出せなくなったりするので、評価や興行を狙うと、劇場公開前にYouTubeに置くということは普通はやらないですね。

でも、この作品のメッセージは劇場に行かない人にも観てほしいものだったので、それなら無料で誰でも観られる場所におくべきかな、という話は森田さんとしました。

――反響はいかがでしたか。

森田:いろんな世代の方からいただきましたね。
やっぱり人それぞれなんだな、ということは感じました。自分はいなくなるけど、遺された人のことも考えさせられると思うし、自分ひとりで強く生きていくんだ、と思う人もいるだろうし。
でも、自信を持って言えるのは、人に響く強さがある作品だということですね。


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――YouTubeでの配信を経て、劇場公開となるわけですが……。

森田:単純に大きいスクリーンで観たいな、と思っちゃいましたよね。すごく楽しみです。

長久:YouTubeのときは、イヤホンで聞くと、脳内で喋ってたり、囁いているような音設計にしていて、スマホで観て没入感があるようにしていました。一方、映画は映画館用に5.1チャンネルの音で新しく作り直しています。
編集のテンポ感はほとんど変えてないからどのデバイスでも没頭できるように、という意識では作っていますね。
ただ、3話を一本化していて編集を変えたりとか、新しいカットが入っていたりします。編集しながらも印象が違うな、と感じていたので、YouTubeで観た方も劇場で観ると新しい感情になれるかと思います。 

本当にDEATH DAYがあったとしたら……


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――今回のテーマは長久監督もおっしゃられたように、根源的なものだと思うのですが、おふたりは「生きる」をどのように捉えていらっしゃいますか?

森田:普通がいいですかね、やっぱり。刺激がなかったとしても、自分らしくいられるのが幸せだなあ、と思うから。……うん、普通がいいです。

長久:僕、昔から妄想癖が激しくて。ホームに立っていると、5秒後に誰かに押されて、ホームから線路に落ちるんじゃないか、って。

森田:すげぇわかります。俺もありました。

長久:道を歩いてると車が1秒後に突っ込んでくるかもしれない、とか常に仮定しながら、「セーフ、セーフ」って言いながら生きているんですよ。子どもがいるんですけど、子どもに関しても「今、保育園にトラックが突っ込むかもしれない」とか考えてしまって。そういうのがあるから、「DEATH DAYS」を書いたのかもしれないですね。でも、ありえないことでもないじゃないですか。だからこそ、日常の些細なことをかみしめたいなと思っています。


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――実際にDEATH DAYがあったらどう過ごされますか?

森田:どう過ごしますかねぇ……いつのDEATH DAYで死ぬかわからないから……慣れちゃう自分もいたりするんですかね。

長久:僕は家族と過ごすとは思うんですけど、死ぬかもしれないから、書きかけのシナリオを仕上げてクラウド上にアップする、ということを毎年する気がします。死んだらこれを発表してください、って。そうなると、毎年、新作シナリオが上がることになるのかな。シナリオを書くことが好きなので。

森田:うーん……長久さんみたいに何かやろうと思わないかな。そんなに好きなこともないし、残したいものとかも別にないから。
普通ではいられるのか……でも外に行くイメージはないので家にいるのかな。それは1人なのか、家族と一緒なのかはわからないですけど。 

また2人で作品作りはしてみたい


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――今後また、おふたりで何かやることになったとしたら、どういう作品を作りたいですか?

森田:やりたいですね、また。

長久:ありますよ、やりたい作品。でもちょっと言えないかな(笑)。言えないですけど、撮れば撮るほどこういう森田さんが面白いな、とか、こういうところは誰も見つけてないんじゃないかな、とかいろいろ発見できるので、それを形にしたいですね。

――撮影中に見つけた森田さんの新しい部分、良ければ少し教えていただきたいです。

長久:そうですね、僕は森田さんの人との距離の埋めなさがすごい好きですね。

森田:はははっ!

長久:いや、埋めたいんですけどね。そういう価値観がちゃんと役に出るものがやりたいな。何かを諦めた上で情熱がある感じがしていて、そういう魅力が物語に出ていたりすると、人間の大事な部分を伝えられる役柄を託せるんじゃないかな、と。

森田:長久さんみたいな人に「こういうのを撮ってみたい」と思われるのはやっぱり嬉しいですね。勉強になったって言いましたけど、本当にそうなんですよね。いろいろ教えてもらって、次もし何かやれるんだったら活かせることもあると思うし。今回初めましてですけど、やっぱり2回目のほうが嬉しいというか、2回目を期待している自分がいます。

――今回の作品を作られることも森田さんにとって新しい挑戦だったと思うんですけど、今後挑戦してみたいこと、やってみたい役柄、作品はありますか?

森田:ホワ~ッとしたのがいいですよね。長久さんにも言われたんですけど、重いのが続いているから、軽やかな。

長久:「DEATH DAYS」もそうですけど、シリアスなものが多かったですし。植木等さんがやられていたみたいな、お気楽なサラリーマン役とかやったらどうなるんだろう。イメージないじゃないですか。

森田:いいですね(笑)。

――これから観てくださる方に、メッセージをお願いします。

森田:作品がずっと残っているのがYouTubeのいいところなので、これからいつでも自分のタイミングで観られるし、観てほしいなと思います。やっぱり、大きいスクリーンで「DEATH DAYS」を見てほしいな、というのもあるし、山西(竜也)さんにドキュメントも撮ってもらって、それもめちゃくちゃ面白いんですよ。ぜひセットで、映画館で観てほしいです。

長久: YouTubeはまだ届いてない人もいる気がするので、この作品が必要そうなお知り合いの方がいたらリンクを飛ばしてもらったり、教えてあげてもらえると嬉しいです。
あと、告知ですけど、「A BOOK ABOUT DEATH DAYS」という本を作るので、フォトグラファーの方に撮ってもらった写真やテキストがのったパンフレット的なものなんですけど、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。

(スタイリスト=TAKAI/撮影=Marco Perboni/取材・文=ふくだりょうこ)

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