「ハレ婚。」第8話レビュー:ハレ婚制度崩壊の危機!第二夫人・まどかの愛が暴走する(※ストーリーネタバレあり)
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島崎遥香主演のドラマ「ハレ婚。」が、2022年1月16日放送スタートした。
「ヤングマガジン」(講談社)で2014年から2019年にかけて連載されたNON原作の同名漫画をドラマ化した本作は、日本で唯一の「一夫多妻制(ハーレム婚、通称ハレ婚)」が認められた街を舞台にした異色ラブコメディ。実家へ帰郷して“3人目の妻”となる主人公・小春を島崎遥香、すでに二人の妻を持ちながら小春にプロポーズする「ハレ婚夫」伊達龍之介を稲葉友、1人目の妻・ゆずを柳ゆり菜、2人目の妻・まどかを浅川梨奈が演じる。
本記事では、第8話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ハレ婚。」第8話レビュー
最終回まで残すところわずか2話となったドラマ「ハレ婚。」。ゆず(柳ゆり菜)の息子・麟之介(佐藤一和)が生まれ、穏やかな日々を過ごしていた伊達家に暗い影が忍び寄る。
作曲家・ピアニストとして多忙な毎日を送り、なかなか家に帰ってこれない龍之介(稲葉友)にマネージャーとして付き添っていたのは、なんと離婚して家を出ていったまどか(浅川梨菜)。第8話では、彼女の抑えていた龍之介への愛が暴走してしまう。
一夫多妻制と聞いて、まず脳裏に浮かぶのは「妻たちは他の妻にヤキモチを妬かないのだろうか?」という疑問。お金のためと割り切っているならともかく、愛している人が他の誰かと甘い雰囲気になっていたら誰だって嫌な気持ちになる
そんな嫉妬心を小春(島崎遥香)たちは他の妻たちと深く関わり、理解し、一つの家族になることで乗り越えてきたはず。でも龍之介が外でまどかと会うようになり、小春は再びモヤモヤした感情と向き合うことになった。
龍之介は4年前に離婚したことへの後悔と再婚したいという気持ちをまどかに伝える。もちろん不倫のようにコソコソしているわけではなく、小春とゆずにも本音を明かしているのだが、今回ばかりは龍之介の行動にイライラしてしまった。家には麟之介がいて龍之介の帰りを待っているのに、少ないプライベートな時間をまどかを口説き落とすために使うのはどうなんだろう……。
何よりまどか自身、龍之介の絶対的な一番になれないことに苦しみ、決死の覚悟をしたのに、そんな気持ちはお構い無しに再婚を申し出るなんて身勝手だ。
そして、再び心に火をつけられたまどかがハレ婚制度の危機に乗じて驚くべき行動に出る。自分がたった一人の妻になるため、小春やゆずを排除しようとしたのだ。
DNA鑑定で麟之介の父親を特定しようとしたり、龍之介との密会現場に小春をおびき寄せたり、その行動は不倫相手を手に入れようとする身勝手な愛人そのもの。どんどん闇落ちしていくまどかの姿は哀れとしか言いようがなかった。でも、そこまで彼女を追い詰めたのは、まどかだけを選ぶことも、解放してあげることもしなかった龍之介だ。
そんなまどかの暴走を止めたのは、ゆずの息子・麟之介だった。まどかの中には理性が残っていて、純粋無垢な子どもを前にしてようやく我に返る。
ただただ、お父さんの龍之介とお母さんのゆずを求めている麟之介。親子三人が並ぶ幸せな家族の原風景に、まどかだけではなく小春の心も揺さぶられる。そして、小春は伊達家を出ていく決意をするのだった。
「ハレ婚。」は次週、最終回。一夫多妻制度をテーマに当たり前とされている今の結婚のあり方に切り込んだ本作は、最後にどのような答えを我々に提示するのだろうか。
(文:苫とり子)
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