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2022年03月21日

「鎌倉殿の13人」第11話レビュー:義経、頼朝、それぞれの嘘。因果は巡るのか(※ストーリーネタバレあり)

「鎌倉殿の13人」第11話レビュー:義経、頼朝、それぞれの嘘。因果は巡るのか(※ストーリーネタバレあり)


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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。

本記事では、第11話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「鎌倉殿の13人」第11話レビュー


平清盛(松平健)が64歳でこの世を去った。宗盛に「頼朝を殺せ、儂の墓前にあやつの首を供えるのだ」と言い残して。
清盛の死の知らせは、「鎌倉殿」となった源頼朝(大泉洋)のもとにも届く。
「清盛の首をこの手でとることは叶わなかったが、平家のとどめは儂がさす」
そして忠実な宗盛は後白河法皇(西田敏行)に、政権を返上しつつ、頼朝追討の院宣を欲する。もちろん、清盛の遺言もあるだろうが、鎌倉に新たな政治的基盤ができることに恐れもあったのかもしれない。

■義経の嘘


「早く平家を討とうぜ」と気が急く源行家(杉本哲太)。頼朝だって一気に攻め入りたいのは山々だが戦には機もあるし、飢饉ゆえに出兵もままならない。
自分を相手にしない頼朝をよそに、行家は出兵を企てる。義経(菅田将暉)たちに話を持ち掛けるが、頼朝への思いもあり、誰も動かない。

そんな中、義経が義円(成河)をそそのかす。頼朝の信頼を得たい義円の心を焚き付け、行家と共に行かせる。
ことごとく、これまで抱いていた義経のイメージと異なっておもしろい。

頼朝に「平家との大戦の前にすべきことは何か」に問われた際のこと。ふてくされているような義経。そんな彼を「九郎の兄上を思う気持ちどうわかってあげてください」と義円が言ったときの義経の顔よ……。

プライドが高いし、独占欲もおそらく強い。義円をそそのかすときにも、「自分が一番兄上のことをわかっている」という気持ちを隠せていなかった。
まんまと義経の言葉を受けて、義円は義経に頼朝宛の手紙を託して出立してしまう。しかし、義経はもともと手紙を取り次ぐ気などはなかった。預かった手紙をその場に破り捨てていく義経。いや、その破り捨てた手紙、誰かに見つかったらどうするんだ、と思っていたら案の定、その場面を見られ、手紙は修復され、義経の目論見は頼朝の知るところとなる。
頼朝が言った「心を磨いてくれ」に全てが詰まっている。

その後、義円はむごい方法で討たれてしまう。純粋に頼朝の力になりたい、信頼を得たいと思っていたのに、あっという間に物語から退場……。誠実なだけの人間はこの時代を生き抜けないということなんだろうか。

■頼朝の嘘

政子(小池栄子)が懐妊する。今度こそは男の子を、と願う北条家と頼朝。全成(新納慎也)は男児出産のための祈祷を行うが、「千鶴丸が成仏しなければ男子が生まれない」「千鶴丸を殺した人物が死ななければ」という発言が。
結果、千鶴丸の殺害を命じた伊東祐親(浅野和之)が祐清(竹財輝之助)と共に自害を装って殺される。それも、千鶴丸殺害の実行犯である善児(梶原善)によって。もともと祐親たちは、恩赦で解放される予定だった。
どういうことかと詰めよる義時(小栗旬)に頼朝は「祐親は(恩赦を)よしとしなかったのだろう」と嘯く。
観ていると、因果応報という言葉が頭を過るし、源氏の今後を憂いてしまう。

でも、祐親が亡くなったところで、実行犯は生きているわけで。
全成はさらに「殺した人間が生きていれば、男児が生まれても長くは生きられない」と言っていたが、善児の行く末はいかに。というか、どれだけの人間を暗殺するんだ、善児……。

■頼朝と3人の女たち

冒頭できっぱりはっきり八重(新垣結衣)にフラレてしまった義時。なんで申し込む前に自信満々に受け入れてもらえると思っていたんだ……(義村含む)。フラレて本気泣き。よしよし、ドンマイ、義時……。
八重も義時と一緒にいるほうが幸せになると思うのだが、変わらず想いを寄せる相手は頼朝だ。

そんな頼朝のそばに控えるのは亀(江口のりこ)。そして、頼朝の妻としてふさわしい振舞いを身に着け、貫禄も増した政子。亀の振舞いはなんというか、えぐい。自分が愛されたいという欲が強い。そして頭が良いから困る。八重は耐え、政子は本妻の余裕を見せているようでもあるけれど……。
頼朝の好きなタイプの女性、バラバラだな! と思っていたけれど、なんというか、芯の強い女性が好きなのかもしれない。でなければこうはならない。

次回、「ここまでするか!?」……ではなく「亀の前事件」。



(文:ふくだりょうこ)


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