映画コラム

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2022年03月29日

映画『おそ松さん』が、アニメ「おそ松さん」の実写化として大正解だと思う理由

映画『おそ松さん』が、アニメ「おそ松さん」の実写化として大正解だと思う理由


映画『おそ松さん』感想



実際観に行って、たくさん笑ったし、たくさん想定外があって「!!?」ってなったし、たくさん高まったし、一言で感想を言えない、カオスな映画だった。

「何の映画観に来たんだっけ?」「何を見せられているんだ……?」と終始思い続けていた。いろんな側面から感想を書いていく。

※以降は、一部ネタバレを含みます。結末には触れませんが、未鑑賞の方はご注意ください。

1:Snow Manの6つ子の再現度


まず6つ子について、顔が似ていないことを「設定ではそっくりということになっている」とあらかじめメタ発言で説明してしまうところがさすがだった。

それぞれかなり研究をしたのがよくわかった。声の出し方や話し方の間など、アニメオタクで元々「おそ松さん」のファンだった十四松役の佐久間大介に聞いたり、監督と相談したりしてキャラクターを作り上げていったという。

心配だったのは下ネタをどうするかだが、ここまでやるのか……? というシーンもあった。

佐久間は球技が苦手なのだが、十四松役に決まったと聞いてすぐバットを買いに行き、素振りを猛練習したほか、袖から手を出さないようにするなど徹底していた。

TikTokで公開された「踊ってみた」では、「十四松が完全に十四松だった」と、Snow Manのファンだけでなくおそ松さんのファンにも評判となった。「実写は観に行かないつもりだったが、観てみたい」と思ってくれた人もいるみたいでうれしい。

@osomatsusan_sn ◤6つ子と物語終わらせ師が踊ってみた?✨◢ #SnowMan #ブラザービート #佐久間大介 #岩本照 #深澤辰哉#映画おそ松さん 3月25日公開┊#みんなでシェー ♬ ブラザービート - Snow Man


それぞれが6つ子について研究したうえで、演じている本人の要素が少し足されたような印象だった(十四松は十四松だった)。

アニメの完全コピーを求めると物足りないかもしれないし、松同士の絡みはアニメに比べると少ない(例えば一松がカラ松に当たり強い、みたいなところはない)が、「全然違う」とはならないと思う。


(C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019

おそ松のクズさ、カラ松の空気の読めなさ、チョロ松のイキった感じ、一松の猫背や陰気さ、十四松は全体的に、トド松の裏の顔などはよく再現されていた。そして6つ子のケンカのシーンや一体感あるシーンも違和感がなかったと思う。

予告編にもある通り、とあるお金持ちの老夫婦の養子の座を巡って、6つ子が「東大に入る」「最強の男を目指す」「野球(?)」など、それぞれの目標に向かって奮闘する。……かと思ったが、それぞれの話はおかしな方向へふくらんでいき、「誰?」「本来の目的どこいった?」的な話に発展していく。中にはその物語同士が合流することもあったりなかったり。「これ、何の映画だったっけ……?」と何度思ったことか。

どんな物語が展開するのかは、公式ツイートや主題歌「ブラザービート」のコラボMVで、少しだけチラ見せされている。




2:いる意味がありすぎたオリキャラ「物語終わらせ師」たち


この広がりに広がってしまった物語を終わらせようとするのが「終わらせ師」エンド(渡辺翔太)・クローズ(阿部亮平)・ピリオド(宮舘涼太)。黒い神父服のようなものを着て現れるが、風呂敷が広がってしまった物語を終わらせるために、彼ら自身もさまざまなキャラクターとなり、髪型や服装もどんどん変わっていって楽しい。

もはや、「絶対に物語を続けたい6つ子VS絶対に物語を終わらせたい終わらせ師たちの壮絶な戦い」の物語のようである。映画化を聞いたときは「え~オリキャラ?」と思ったが、この物語には必要な役だったし、3人それぞれがアクションやらドラマやらエセ関西弁やらに挑戦していて見せ場も盛りだくさん。なんなら6つ子よりおいしかったかもしれない。

なかなか物語を終わらされず、うまく終わらせられなかったときの終わらせ師たちの顔がすごくかわいかった。あと6つ子はみんな同じ髪型だが、終わらせ師たちは髪型がかっこよくてちょっとずるい。好きになっちゃう。

3:イヤミ・トト子・チビ太が秀逸



イヤミ・トト子・チビ太が素晴らしかった。3人とも「この役引き受けていいんですか!?」と思うような方々だが、想像以上のなりきりっぷり。


テレビアニメ「おそ松さん」©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

イヤミを演じる前川泰之は、海外のランウェイでも活躍したモデル出身だが、かなり大きな付け歯をつけ、ギャグに振り切っていた。イヤミを実写でやろうとしたら違和感が出てしまうかコントのようになってしまうのでは? と思われたが、なんなら声も似ていて全く違和感がなかった。


(C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019

桜田ひよりはチビ太のビジュアルだけでなく、べらんめえ口調でのツッコミも完璧だった。ツッコミどころが多すぎる作品で、最後までキレを保っていた。とあるシーンでかなり笑いをこらえているので見逃さないでほしい。

そして髙橋ひかるのトト子ちゃんがすごかった。まず、めっちゃくちゃスタイルが良くてかわいい。すれ違ったら絶対振り返るし、6つ子が夢中になるのも納得だ。

さらに、アニメのトト子ちゃんはかわいい見た目とは裏腹に性格がアレだったが、そのアレな性格も豹変する言葉遣いも見事に再現していた。


テレビアニメ「おそ松さん」©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

この3人が無駄に広がり続けるストーリーを見守りツッコミを入れることで、観客と6つ子たちを繋げてくれた。かなり言いたいことを言ってくれた感じがある。この3人が仲違いするシーンも、セリフが面白くて笑った。

松野家のお父さん(松造)・お母さん(松代)もよかった。2人とも目からビーム出てるし、松代役の濱田マリに関してはめちゃくちゃ変顔してくれるけどいいんですか? と思ったし、数々の映画やドラマで父親役を演じている光石研が松造をと思うと感慨深い。

4:個人的MVPはこの人


勝手にMVPを決めるなら、エンド役の渡辺翔太くんとトト子役の髙橋ひかるちゃん

エンドはかわいいところもあり、かっこいいところもあり、おもしろいところもあり、ここはエンドじゃなくて渡辺翔太では? というシーンまであって、すべてをかっさらっていった。翔太くんにもっと演技のお仕事きてほしい。

トト子ちゃんは本当にめちゃくちゃかわいかったし、キレ芸がすごかった。キレ芸のノリで入れるツッコミが最高。今後髙橋ひかるちゃんにも注目していきたい。

「おそ松さん」の実写化として正しい形かも



それぞれ意外な方向に話が派生していくのはかなり面白いけど、「もはやこれはおそ松さんなのか? おそ松さんでやる必要があるのか?」と観ながら一瞬思った。

でも次の瞬間、こう考え直してその疑問は消えた。

そもそもアニメ「おそ松さん」は「おそ松くん」の基本的な設定だけはそのままに、さらにいろんな要素を足しに足しまくって好き勝手やる作品だった。アニメ本編以外にも、グッズ・ゲーム・ドラマCDなどでさらにさまざまに派生した設定があり、そこも楽しみのひとつだった。


(C)赤塚不二夫/えいがのおそ松さん製作委員会 2019

そう考えると、アニメ「おそ松さん」の設定を借りてさまざまな物語が派生していくこの物語は、「おそ松さん」の実写化作品としてとても正しい形なんじゃないかな、と思って納得した

アニメ「おそ松さん」の内容をそのまんま再現したら、アニメとの差がより気になってしまう作品になっていたかもしれないし。これでいいのだ(作品違い)。

というわけで、おそ松さんのカオスと、実写ならではの展開が楽しめる映画に仕上がっている。

観ようか観ないか悩んでいる人は、とりあえず1回観ておいて損はないんじゃないかなと思う。

そしてこの記事ではほんのさわりしかネタバレしていないので、実際どういうことだったのか、そして最後はどうなるのか見届けてほしい。

(文:ぐみ)

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