続・朝ドライフ

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2022年04月13日

「ちむどんどん」第3回レビュー:お父さん賢三に大森南朋の当たり役・ナギサさんを思い出す(※ストーリーネタバレあり)

「ちむどんどん」第3回レビュー:お父さん賢三に大森南朋の当たり役・ナギサさんを思い出す(※ストーリーネタバレあり)




2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。

沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。

本記事では、その第3回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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「ちむどんどん」第3回レビュー

”暢子のお父さん賢三さん”

暢子(稲垣来泉)のお父さん・賢三(大森南朋)は第1回からメッセージ性のあるセリフが多く、朝ドラの中では”いいお父さん”です。

第1回は「自分の信じた道を行け」「正しいと信じた筋を通せば答えは必ずみつかるからよ」と暢子に語り、第2回は 毎朝、お願いしたいことと謝らないといけないことをお祈りしていました。
第3回でも暢子にメッセージを語りかけました(後述します)。

朝ドラでは”いいお父さん”と”困ったお父さん”がいまして、「ちむどんどん」は”いいお父さん”。直近のお父さんを振り返ると「カムカムエヴリバディ」の錠一郎(オダギリジョー)は家計を担ってはいないものの、家族想いで芸術を愛するいいお父さんでした。

「おかえりモネ」の耕治(内野聖陽)は家族想いのいいお父さん。
稀代の困ったお父さんといえば、「おちょやん」のテルヲ(トータス松本)で、娘を身売りしたうえ、さらに彼女の給金を当てにして、稀代の毒父と不評を買いました。

このテルヲをピークに、ハラスメントが問われる最近、ドラマにもいいお父さんが増えているように感じます。

目下、賢三は申し分ないいいお父さん。
家族をあたたかく深いまなざしで見つめる賢三役の大森南朋さんは2020年に大ヒットした連ドラ「私の家政夫ナギサさん」(TBS)で料理上手な癒やしの家政夫キャラを演じて人気を博しました。

「ちむどんどん」第3回では、暢子に沖縄そばづくりを教える賢三の様子にナギサさんが蘇りました。「私のお父さん賢三さん」!

料理番組のような軽快な劇伴が流れるなか、暢子とお父さんのそばづくりは心が踊りだすようでした。暢子がそばを踏みながら踊るように回っている姿はとても楽しそう。

暢子の美味しいもの好きはどうやらお父さん譲り。お父さんはお世話になった人からもらった名前の彫られたマイ包丁をもっていて、過去、料理人をやっていたのではないかと想像させます。

賢三は暢子に「自分を信じて作りなさい」と料理の心を教えます。

なんてあたたかいドラマでしょう。
沖縄そばをはじめとして心をこめてごちそうを作り、東京から来た青柳父子(戸次重幸、田中奏生)をもてなそうとする比嘉家。

とそこへ、第1回に登場した豚のアババがいないと長男の賢秀(浅川大治)が血相を変えて……
そのとき食卓には油の乗った美味しそうな豚肉料理が……。

誰が見てもわかるこの悲劇的な状況を、賢三がメッセージ性のあるセリフで子どもたちに説明してくれるに違いありません。


さて。青柳父子をもてなす理由は、和彦が暢子を助けたお礼。とはいえ、ほんとうは和彦を暢子が助けようとして逆にケガしてという回り回ってのことです。

東京が恋しい和彦は、暢子に誘われて森に行ったり、賢秀に沖縄角力(ずもう)を教えられたりと、じょじょに沖縄の魅力を知っていきます。第2回で前のめりに足早に距離を縮めようとしていた沖縄リスペクトの民俗学者のお父さんよりも、和彦のほうが期せずして体験から沖縄を知っていくという理想の学びをしているように思えます。


(文:木俣冬)


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