「名探偵コナン ゼロの日常」TIME.2:垣間見えた降谷零の“孤独”
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テレビアニメ「名探偵コナン ゼロの日常」が2022年4月4日(月)より放送スタート。
「名探偵コナン ゼロの日常」は、「名探偵コナン」原作者・青山剛昌の完全監修、新井隆広が描く公式スピンオフ作品であり、公安・探偵・黒ずくめの組織と、3つの顔(トリプルフェイス)を持つ安室透の誰も知らない日常が描かれる。
本記事では、第2話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
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「名探偵コナン ゼロの日常」第2話レビュー
TIME.2では黒ずくめの組織の一員であるバーボンとしての日常やポアロでの一幕、公安としての降谷零と風見さんの日常、迷い犬のハロとの出会いが描かれました。
バーボンとベルモットの2人が高級そうなレストランで食事をしている場面からスタート。後始末の件をベルモットに聞かれ、「もう済んでいます。ご安心を…」と言うバーボンに「抜かりはないってところかしら、さすがね、バーボン」と話すベルモット。さすが仕事が早い男!
バーボンとベルモットの会話はポアロでの安室透の日常の会話と違って、どこかあやしい雰囲気があります。食事を楽しんでいないことを指摘され、「ビジネスの話をしながらでも素晴らしい食事を楽しめる度量が僕にあればよかったのですが……」と返すなど、バーボンとベルモットの腹の探り合いをしているかのような会話もドキドキしてしまいます。
「洋酒のアルコールを炎で飛ばし、素材の香り漬けをする調理方法。痕跡は残さず、しかし関わったもの全てに芳醇な酒の香りを惑わせる」
「皮肉ですか。まるで我々のようだと……」
黒ずくめの組織をフランベに例えるベルモットとバーボンの会話は危険な匂いがします。
「あなたほどの能力があれば、it's a piece of cake」
真の正体は黒ずくめの組織に噛みつき、狩り尽くそうとしている公安警察ですが、敵にも能力を認められているバーボンの演技力にいつも脱帽してしまいます。3つどころか100の顔も演じ分けられる男のスキルに頭が上がりません。
一方で、ポアロでの緑さんと安室さん・梓さんとのやり取りには毎回癒されます。
「強気にハムかう弱者の味方」ということで、ポアロのハムサンドは縁起が良いと法曹界で大人気のよう。バーボンとベルモットの会話を見た後に観るとポアロでの優しい日常に心がホッとします。
ポアロが安室さんにとって、優しい場所になっていてほしい。
「早退したい」と言った安室さんに対して、からかいながらも梓さんはOKします。事情を知らないのに、突発の早退を怒らないなんて本当に優しいなと感じます天使なのだろうか……。
後半は公安警察としての降谷零が描かれました。逃走犯を追いかける風見さんは、犯人に突き落とされて階段から落下してしまいます。
逃げた犯人の先には、待ち構えていた降谷零の姿が。腕をまくり気合十分。ネクタイを緩める姿も「フェイントだ!」のセリフもカッコ良かったです。
「風見を撒いてきたのか。後で説教だな」
うわぁ、風見さんどんまい!『名探偵コナン ゼロの執行人』で風見さんを叱責していた降谷零を思い出すと、怖い、怖すぎる。降谷零が犯人を制圧し、風見さんが駆けつけると、そこには涼しい顔をした降谷零がいました。
降谷零の説教は思いのほか優しいものでした。風見さんは最近精彩を欠いていることや食事をきちんと摂ってないこと、目の下に隈があることを指摘され、寝ていないこともバレてしまいました。どうやら報告書が溜まり、忙しすぎて朝食もチョコレートしか食べていなかった模様。
「それは食事とは言わない。犯罪者はこちらの事情などお構いなし。体調を整え、常に最悪のケースを想定するのは我々の最低限の仕事だろ。」と叱責する降谷さんのセリフに、伊達班長が警察学校時代に言っていたことを思い出しました。
凹む風見さんを美味しい店に連れて行ってあげる降谷さんの優しさが心に沁みました。フォローもしっかりする上司……素晴らしい。
眠そうなのに自分が運転すると言い張る風見さんの必死さはなんだか可愛いです。眠くないと言いながら結局降谷さんの車の中で寝てしまう風見さんに優しい言葉をかける降谷さんの上司として部下を想う姿にもジーンとしました。
食事をしながら、「誰にでも失敗はある。大事なのは次にその経験をどう活かすかだ」と風見さんに伝えた降谷さんはどうやら思い当たる失敗はないらしいです。私も風見さんと同じ気持ちになりました。「もう結構です……」
降谷さんのどこか遠くを見つめる横顔のカットも気になります。何を思っていたのでしょう……。
家で日本の素材と日本のお酒を使ってフランベにチャレンジした降谷さん。コーンスープを朝食がわりにしようとする風見さんに、作りすぎた料理をお弁当として渡す優しさに涙が出ました。
風見さんにとっても、きっと優しさが身に沁みたのではないでしょうか。(降谷さんの消えるスピードが毎度のことながら早すぎて笑いました)
雨の中、橋の下でトレーニングをする降谷さんのレベルが凄すぎてついていけません。降谷零は自分にも厳しい男であることは間違いないです。トレーニングをしながら親友のヒロ、そして赤井秀一のことを思い浮かべ憎しみの表情をみせます。
そんな彼がふと視線を向けると、そこには可愛い迷い犬の姿が。しかし、ハロと降谷さんの出会いのシーンの会話がとても切なかったです。
ハロのことを優しく撫でてあげながら切ないような寂しそうな表情で「君も1人ぼっちか……ついてくるなよ濡れるから……」と言う降谷さんの姿にはなんとも言えない切なさがありました。彼も孤独を感じているのだろうなと分かりました。
降谷さんの孤独を感じた回
TIME.2ではバーボン、安室透、降谷零としての日常が描かれました。
印象的だったのはハロとの出会い、そして降谷さんの孤独感を垣間見たこと。完璧な男が時折見せる寂しそうな切ないような表情が、ハロとの出会いでどのように変化していくか楽しみです。
(文:前野真岐)
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Ⓒ 新井隆広・青山剛昌/小学館・「名探偵コナン ゼロの日常」製作委員会