国内ドラマ

REGULAR

2022年04月24日

「鎌倉殿の13人」の、イケオジたちの魅力にむせ返れ!

「鎌倉殿の13人」の、イケオジたちの魅力にむせ返れ!


田中泯~厳しさの向こう側~


「鎌倉殿の13人」(C)NHK

田中泯演じる藤原秀衡。奥州の実力者であり、源義経(菅田将暉)の良き理解者でありながら、裏の顔を匂わせる不気味さを合わせ持つ。

田中泯には、「厳しさ」が似合う。生半可な厳しさではない。岩に刻み込まれたような、深い深い厳しさだ。

本来の田中泯は、俳優である前に「舞踏家」だ。「舞踏」というストイックなジャンルを選び、そして踊り続けてきた人生が、その厳しさを醸し出しているのではないか。同じく「俳優もする舞踏家」である麿赤児と、同種の匂いがする。


(C)2013「永遠の0」製作委員会

その田中泯の、“厳しさの遥か向こう側にある温かさ”を体感できる作品が、『永遠の0』('13)だ。

フリーライターの姉(吹石一恵)の依頼を受け、特攻隊で戦死した祖父の人生を調べる健太郎(三浦春馬)。祖父の戦友を取材して回る中、ヤクザの組長である景浦(田中泯)にたどり着く。

景浦は戦時中、健太郎の祖父・宮部久蔵(岡田准一)と同じく、ゼロ戦のパイロットであった(当時の景浦=新井浩文)。軍人でありながら、家族のために「生きて帰る」ことを望む宮部を軽蔑し、しかしながらその随一の空戦能力をライバル視してもいた。

この辺りの構図は、佐藤浩市の項で書いた『壬生義士伝』における斎藤一と吉村貫一郎の関係性に似ている。

米軍との戦闘後、宮部に空戦を挑んだ景浦は、圧倒的な実力差を見せられ、敗れる。いつの日か宮部に復讐するために、宮部を米兵に殺させるわけにはいかない。

「どんなことをしてでも、最後まで宮部を守り抜く。敵の銃弾は一発も当てさせねぇ。宮部に襲い掛かる敵は、すべて俺が撃ち落とす。弾がなくなれば、体当たりしてでも落とす……」

だが、景浦の機はエンジン・トラブルを起こして戦線離脱。宮部は、特攻して死んだ。

話し終えた景浦は、おもむろに健太郎を引き寄せ、抱きしめる。終始厳しい顔を崩さなかった景浦が、穏やかな優しい顔をして。

「俺は若い男が好きでな」
そう言って笑った景浦は、健太郎に宮部の面影を見たのだろう。

自分にも他人にも厳しい(であろう)田中泯が、垣間見せる優しさ。その優しさを見たいがために、これからも彼の作品を観続けたい。

衝撃


「鎌倉殿の13人」(C)NHK

残念ながら、國村隼演じる大庭景親は死んでしまったが、本ドラマでの今後の佐藤浩市と田中泯の活躍に期待したい……と結ぼうと思っていた矢先の4月17日。

この日の『鎌倉殿の13人』において、佐藤浩市演じる上総広常が謀殺された。改めて頼朝(大泉洋)に忠誠を誓った翌日、その頼朝の命により、無慈悲に殺された。

上総広常を、「コワモテながらも実はいい人」に描き、さんざん感情移入させたタイミングでの、この展開。三谷幸喜は鬼である。

日本中の大河ドラマファンが、茫然自失した夜であったと思われる。
「頼朝憎し」の矛先が、現実の大泉洋に向かうのではないか。そんな心配までしてしまうほどの、驚きの演出である。

だが、日本中が立ち直れないほどのショックを受けて眠りについた夜、密かにほくそ笑んでいたであろう男がいる。

佐藤浩市だ。自分の演技で、日本中にこれだけの衝撃を与えたのだ。放送された瞬間、三谷幸喜と乾杯しててもおかしくはない。


「鎌倉殿の13人」(C)NHK

今思えば、上総広常=佐藤浩市が大庭景親=國村隼を処刑する際、景親が言っていた。
「あの時頼朝を殺しておけばと、お前もそう思う時が来るかもしれん。上総介、せいぜい気をつけることだ」

すでにフラグは立っていた……! 広常が殺された瞬間、このシーンを思い出した方も多いのではないだろうか。

いずれ、義経も頼朝に殺される。その時、義経の親代わりのような存在であった藤原秀衡=田中泯は、どんな顔をするのか。必ずやって来るであろう「その日」が怖いが、楽しみでもある。

気がつけば、カッコいいジジイたちの手のひらで転がされている。だが、それが心地いい。

(文:ハシマトシヒロ)


>>>【関連記事】「鎌倉殿の13人」第15話:非情、頼朝。強さとは、力か恐怖か。

>>>【関連記事】<青木崇高>ワイルド&クールな魅力を紐解く

>>>【関連記事】<宮沢りえの無双感>デビューからずっと全盛期の魅力

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!