『バブル』日本のアニメ映画史上最高峰の“体験”ができる「5つ」の理由
4:小畑健が手がけたキャラクターの魅力と、志尊淳、りりあ。、広瀬アリスのハマりぶり
本作では、「DEATH NOTE」や「バクマン。」でおなじみのマンガ家の小畑健がキャラクターデザイン原案を手掛けている。カッコよさと可愛らしさが同居している造形はそれだけで魅力的であるし、さらに声優陣の熱演も素晴らしい。主人公のヒビキを演じるのは、『バンブルビー』や『2分の1の魔法』でも吹き替え声優の経験がある志尊淳。周囲になじまない、ダウナーな雰囲気を纏う、悪い言い方をすれば「陰キャ」な人物なのだが、だからこそ大きく感情が動く瞬間を、志尊淳は持ち前の演技力で存分に表現している。
荒木監督もその演技を「僕が見てきた既存の芝居にはない新鮮さがあって、作品に奥行きを与えてくれる存在でもあった」と絶賛していた。
ヒロインのウタの声を担当するのは、TikTokのフォロワーが100万人を超えるシンガーソングライターのりりあ。。彼女自身は主題歌だけでなく声の出演のオファーを受けて「は、私が声優?!無理!出来るわけない!という気持ちと楽しそう!やってみたい!の気持ちが行ったり来たりで大騒ぎ」だったそうだが、透き通るかのような声質は儚さと危うさも感じさせる、その印象にぴったりだった。
演じるのが「ほとんど喋らない」キャラクターで、少しずつ言葉によるコミュニケーションが可能になっていくからこそ、声優未経験で「声を出し慣れていない」様もむしろプラスに働いたのではないか。
さらに、「みんなのお姉さん」的な立場で愛される女性科学者のマコトを、広瀬アリスが好演している。荒木監督は「キャッキャとした女の子と科学者的な感じ、そのバランスが難しい。知的さも要るけど、ズボラなお姉さん感も必要」というキャラクターを想定していたそうだが、まさにその言葉通りの魅力を持つ役柄にハマっていた。
さらに、千本木彩花と畠中祐という「甲鉄城のカバネリ」のキャストも再登板しており、梶裕貴、宮野真守、井上麻里奈、三木眞一郎という大人気声優陣も脇役の(と言うのもはばかれるほどに印象的な)キャラクターに扮している。
声優ファンにとっても「耳が幸せ」な内容になっているのは間違いないだろう。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)2022「バブル」製作委員会